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開発日記を立ち上げるきっかけとなった事件(前)

俺の趣味はツール作り

もう10年近く作り続けているツールがある。
作り続けていると言っても、あまりにも無計画で途中で設計思想を変更してアタマっから作り直したり、ライブラリを変更して作り直したり、ユーザーエクスペリエンスがイマイチでツールのコンセプトを変えたりと、完成度は高くなく、それでも徐々に洗練はされながらコツコツ作り続けてきた。

事件発生

そしてこのGW。
それ以前から、「このGWで一回アルファ版をリリースしよう」と目標を定めていた。
その初日。
HDDがクラッシュした。
20年以上のPC人生で聞いたことが無い音だった。
すぐシャットダウンしたが、OSがHDDアクセスでビジー状態になりダウンできない。やむなく電源ボタン長押しによる強制終了。
その後BIOS画面で確認するも認識ナシ。物理障害だ。しかも重度

モノはSeagate製SM2000DM001
これを検索すると、トラブルが多いことが分かる(ふざけんなよ)。


俺は焦った。
20年トラブルと無縁だった俺はバックアップリテラシーが低かった。同じHDDにバージョンごとにコピーを取っていただけだった。リポジトリも作ってなかった(面倒だったから)。
もしこのHDDが死んだらツール開発は2年巻き戻る。
この2年は新技術を導入した画期的なロジックが山ほど詰まっている宝の期間だ。これを再現するのは至難の業だし今後同じクオリティを出せる自信が無い。
なんとしても復旧させる。
かくしてGWはその調査と手続きで潰れることになった。
なんせ20年で初の経験だ。頼る業者も、なにを基準にして選べばいいのかさっぱり分からない。しかも下手な作業をされたら2年がパーになる。命がけだ。しかも答えはどこにもない。

復旧業者に打診する日々

1社目
IUEC
評判のいいツールを作っている会社。マイナーながら、技術に定評がありそう。評価するサイトもあって、マイナーなだけに信頼できると判断(逆にメジャー処は宣伝が逆に怪しく見えてね・・・)。
結果
検証調査で復旧不可と判断(FWが読めないとのこと)

2社目
AOS
データ復旧ツールファイナルデータを作っている会社。
IT記事サイトとかの復旧レポート特集でちょちょい見る。
路線を変えてメジャー系の会社に頼むことにした。
なお、ここでの見積もりは30万円だった。
一瞬悩んだが2年には代えられない。30万円なら安いもんだ。俺は喜んで申し込んだ。
結果
検証調査で復旧不可と判断。
プラッタ4枚とも円状のスクラッチが入っているとのこと。それで何故少しもデータを拾えないのかは分からん。だってあんたんとこの症例ページに同じようなHDDの復旧事例あるよ?

3社目
Logitech
実は復旧サービスがある。
HDD作ってるところならなんとかしてくれそう。
そこでこれまでの経緯を説明した。
結果
その説明だけで復旧不可判定。さすがHDDのプロ💧

4社目
OnTrack
最高峰の呼び名が高い外資系の会社。復旧界隈では有名らしい。
一縷の望みをかけて経緯を説明。看てくれるとのこと。ありがたや。
結果
HDDが到着した2時間後に復旧不可判定。さすが業界最高峰💧

5社目
アドバンスドデザイン
老舗。日本のデータ復旧文化の草分けで、協会の主要メンバーらしい。
ここだけの独自の技があるかもしれん。俺は一縷の望みをかけて経緯を説明した。
結果
説明だけで不可判定。
どうやらプラッタの傷というのは我々が想像するより厳しいらしい。

6社目
Seagate
このクソHDDを作ったメーカー。オランダにある。
申し込むとなったら海外発送だ。復旧の成否もあるが、無事に届くかどうかのリスクも孕んでいる。正直ここだけは避けたかったが俺にはもう手が無い。
俺は一縷の…
結果
説明だけで不可判定。
お前、無理でも少しは看ろよ!!!(#゚Д゚)

結論
終わった

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