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初日のご挨拶

病院らしくない病院

 私が所属する「茅ヶ崎中央病院」は、茅ヶ崎市を中心に病院や老健施設、看護大学など幅広く展開する「ふれあいグループ」に属しています。

 同じ市内にグループ旗艦病院の「湘南東部総合病院」があります。こちらは各診療科を揃えた総合病院として積極的な急性期医療を行なっています。
 一方、当院はこれまで眼科疾患や耳鼻科疾患、整形外科疾患などでご評価いただいておりました。しかし、今後は ”JR東海道線・茅ヶ崎駅から徒歩5分” という地の利を活かし、循環器疾患を含む急性期診療にも力を入れていく方向に舵が切っています。
 心臓血管外科はその一翼を担うことになります。

 ハード面については、立て替えられてからまだ間もなく清潔感があり、まるで大学のキャンパスのような理知的で印象深い建築となっています。院内に踏み入れると、ホテルのようなロビーが目を引くでしょう。患者さんの待合室の椅子や絨毯など細部にもこだわりが見られ、良い意味で「病院らしくない」施設となっています。

 今年の2月には待望の新病棟が完成し、グループ内の療養病院の一部病床を合併して約330床となりました。そして、今後も拡充する計画があるそうです。

初日のご挨拶

 3月末日、4月の診療科開設以降の手術日や外来日といった具体的な週間スケジュール等について打ち合わせるため、茅ヶ崎中央病院を来訪しました。

 以前来たとき院内を案内してくださった総務課の方に会議室まで案内していただきました。赤絨毯の広い多目的スペースをスライド式の壁で区切って作った会議室です。そこに会議用の長机がロの字型に並べられていました。
 まず中央奥にいらした院長に、次いで事務部長と総務課長、臨床工学科長、地域連携室長、手術室師長、外来師長と順にご挨拶させていただきました。

 会議が始まると私は開口一番、
「心臓外科治療は病院の総合力が試されることになります。心臓の手術を1件するにしても、多くの人手や資材、時間の投入が必要になります」
 と切り出しました。
 開心術の性質上、1件の手術が長いものになることがあるし、やむを得ず術後に臨時で再開胸手術が必要になることもある。時には一刻を争うことがあり、他科の定時手術を遅らせていただくなど、どうしてもご迷惑をおかけすることがあります。
「勿論、そうならないように最大限尽くしますが、すべての職員に、病院を挙げて心臓の手術に取り組んでいくんだ、という覚悟をしていただかねば成り立ちません」

 また一方で、下肢静脈瘤や透析シャントなどの末梢血管手術については、罹患している患者さんが多いため、広く認知してもらえれば多くの患者さんに来ていただける可能性があります。たくさんの患者さんに対応し、満足していただくためには「日帰り手術」のシステムを構築する必要があること、そして軌道に乗れば日帰り手術センターとして標榜していきたい、という展望を伝えました。

 心臓手術の曜日については、先ほどお話ししたような術後管理上の問題から、週の前半ーー月曜日に行うことになりました。手術が行われた日の夜はICU当直として当直し、術後管理に集中させていただきます。
 地域連携室長とは、地元の患者さんや開業医の先生に広く知っていただくべく、パンフレットの作成や医療講演、動画配信など複数の媒体を使ってアピールさせていただくことについてお話しました。
 そして最後に、診療看護師の必要性と有用性について相談させていただき、この日は散会となりました。

 沖縄県の大浜第一病院に心臓血管外科を立ち上げたときの経験を活かし、各部門に協力を仰ぎながら慎重に準備を進め、年内には心臓の手術をスタートできる体制を作っていきます。

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