中原中也の抱くそれ

すべて個人の感想、オタクの戯言です。

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映画  文豪ストレイドッグス BEAST

本日観賞して参りました。ハチャメチャに良かった  芥川龍之介役の橋本祥平さんが元々推しなんですけどすげ〜だった……芥川の「一つの目的しか見えていない故の歪な真っ直ぐさ」が見えたというか、少しずつ探偵社員と関わって様々な考え方や人間関係の在り方を知る中で、人間らしさを得て、復讐10割だった心に余裕…というか他の人間に関する感情を持つようになる成長過程がとてもよかったと思います。個人的にBEASTは太宰治と織田作之助のための世界なのではと思ってる節はあるんだけど、芥川龍之介に「譲歩する」「諦める」という選択肢ができたのは一種の奇跡と呼んでもいいのでは……この世界の芥川はきっと「絶望」ではなく「悲しみ」を知ることができるんでしょうね。最終的に銀ちゃんを待つ姿勢を見せた芥川、本当に天晴れ。

文スト本編と違って芥川もめちゃくちゃ体張って殴る蹴る、殴る殴るなのは“黒衣の男”に異能で勝てなかったからなのかな〜   とにかくアクションがかっこよくてね、、舞台ではあんまり動かないキャラだから橋本祥平は大変だったろうけど(パンフでも言ってた)努力の結果、輝いてましたよ

芥川龍之介は優しさを人に分け与えることは無いけど、心の中ではその人にとって最善の結果になるように(言わないけど)考えているのはわかるからすごく良いね……どんな人にも手を差し伸べるのが中島敦の優しさで強さだとすると、どんな人が縋ってきても振り払って、自らの足で立つように叱責するのが芥川龍之介の優しさかもしれない



結局このnoteで何が言いたいかって話

6年前、当時中学生ですが、友人から文ストの漫画を借りたのがきっかけで沼に浸かったオタク。

乱歩さんもかわい〜し福沢さんもかっこい〜し好きですがまあ中原中也が推しなんです。

夢女 兼 腐女子なので「中原中也と結婚したい♡」「太中最高♡」を行き来しているんですが、今日はとにかく太中(太宰治×中原中也)の話をさせてくれ  します



オタクって「普段は罵詈雑言を浴びせ合う犬猿の仲だが、戦闘となるとこれ以上なく息が合うため最強の二人」が好きじゃないですか。私もオタクなので好きです。双黒のことです。

【双黒】太宰治と中原中也、双方がポートマフィアに在籍していた際の二人の呼び名。双つの黒。

喧嘩するほど〜っていう言葉もありますし、唯一無二の相棒関係……尊……ってずっとなってる。だってこの二人の公式設定、嫌いなものにお互いの名前入ってるんですよ? 「此奴を殺すのは俺」「此奴を翻弄するのは私」という矢印が向いている以上は “どうでもよくない枠” “心の中でも無視できない相手” として心の中心にに存在しているわけですし😉 ここまで激重感情抱かれちゃ、ほら……ネッ……😉 

愛憎表裏一体、嫌よ嫌よも、ってコト……カナ……



↑昨日までのわたし

↓BEASTのラストシーンを浴びたわたし



なにあれ?


中原中也の抱く感情が私の妄想の50倍重かった。
重力操作か? つって(笑)

つって……(笑)

……


中原中也って他のキャラとの絡みが少ないですよね。出番が少…(コラー!!!!) BEASTでは敦ともメチャクチャ絡んでくれて中敦も好きな雑食腐女子は大歓喜でした。最近本誌文ストの中原中也何してるんですかね? 有給?

小説版では中原中也の生い立ちに関わる「STORM BRINGER」の中でヤバ兄が出てきてるけど、割と重要な立場に関わらず本編では一切出演していないため(何故?)、中原中也が何かしらの「知り合い以上」の感情を抱く相手が紅葉の姐さんと森鴎外、芥川は…どうだろう…あとは百歩譲ってもラヴクラフトさんぐらいじゃないですか? 女性キャラとの恋愛フラグもありませんし。

前者二人に対しても「敬愛」「服従」が妥当だと思うんですけど、その命を捧げた首領よりも何倍も何十倍も、脳内に焼き付いて離れない人物。中原中也といえば:太宰治なんですよ。腐女子の妄言ではなく。

あとこれは布教含めて言いたいマジのマジのマジの事実なんですけどこの二人、アニメ版(太宰、中也、十五歳)において恋人繋ぎしてますからねマジで。太宰から中也への「僕の犬」発言も本当にあったことですからね。Dom/Subユニバースかよ 他にも膝枕「忠実メイド」などありますが割愛です。

ピクシブ百科事典で「太中」で調べたんですけどすごいな。森羅万象が乗ってる。やっぱりこの二人ってオタクから見ると ”出揃ってる” んだよな。役が。「明らかに好きあっているようにしか見えない」それな。


太中に対する腐女子の認識を再認識できたところで、衝撃のラストシーンによって湧き上がってきた私の中の結論ですが、


中原中也、太宰治のこと愛してはいない説


腐女子が考察に考察を重ねてこの結論に至ることある?



なんていうか、「執着の仕方が愛憎極まったようにしか見えない」というのが今までの私の中の認識だったんですがね。いや執着はしてるけど。

ラストシーンの中途半端に破れた服、鎖によって拘束された目をギラつかせた獣(成人向け同人誌か中2が描くイラストでしか見たことない)がなんか色々言ってましたけど……。

敦くんは「弔い合戦ですか」って言ってたけど、結局「俺の手によって以外のことで太宰のクソ野郎が死んだことが許せない」って…コト……!


そこまではわかる。ずっと知ってた。映画館出てからもしばらくは、中原中也のクソデカ感情、健康にええわ~^ って感じだったんですけど、帰宅して、夕飯食べて、余韻に浸りながら酒を飲んで、映画の感想思いつくがままに殴り書いてたときにふと思ったんですよね。

中原中也が太宰治のことを心のどこかで愛していたとしてここまで復讐に燃えることある?


ここで急に if の話しますけど、中也が太宰に対して自覚のないまま恋慕を募らせていたとして、

①いざ中也が太宰を殺すという悲願を達成したとき、②太宰が他の誰かに殺されたとき、に、その後の中原中也の人生はどう変わるかって考えてみてくださいよ。


①ようやく殺せた、清々する! あのクソ陰湿男がいない世界、万歳! → クソッ、何故か日々に張り合いがない……心に穴が開いたみてぇだ……

②殺された? そんじょそこらの奴に? ……あァそうかよ、無駄に酸素が消費されなくなって善いじゃねえか → 太宰を殺したって奴、手応え無かったな。クソ太宰も落ちぶれたもんじゃねえか、なぁ?……


喪失感に追い込まれる未来しか見えない。正直中原中也にそんなにジメッとしてほしくないんですよ。センチメンタル中原アラハバキ谷山ダダ幹部になってほしくないよ。🤔?


これは余談ですがどんなシチュエーションで殺すかっていうのも疑問。太宰が「殺されるなら君にがいい」とか言ってきたら即萎えそうじゃないですか???

そんなこと太宰治が言い出したら読者は「あっコレも何かしらの作戦で全ては太宰さんの手の上なんだ!」って思うし。当の中也も大嫌いな男の望む形で終わらせるなんて絶対嫌だろうし。



中也が太宰を愛しているという仮定、メチャクチャ好きだし腐女子としては一生仲よく喧嘩しな♡って思うけど、中原中也を崇拝するオタクとしては「中原中也はそんなに守りたくなるようなか弱い男じゃねえんだよ!!!!!!!!!!!!!!」という気持ち。心が叫びたがってる。

じゃああの執着 is 何!?!?!?!? という話。



太宰が中也に何も言わないままポートマフィアを去った日、中也はペトリュス(クソ高ワイン)で祝杯を挙げたらしいですが、そこには苦い感情もあったでしょう。妄想ですが。

今までは「大嫌いなはずのあの男が消えた」ことに自分でも説明のつかない苛立ちを覚える中原中也……その不明瞭な葛藤を振り払うように喜ぶ中原中也…………と思ってたんですが、

もしかしてそのモヤモヤ、「勝ち逃げされた」……では……?


出会った時から相性最悪、全てを嘲笑うように見透かしてくる奴。嫌ですね~~。私も太宰治にいいように使われたら実際腹立つだろうな~と思っちゃう。そりゃフラストレーション溜まりますよ。思春期だもの

どうにかして鼻の穴を開かせてやりたいと思っても、十代と思えない頭脳で翻弄される日々。屈辱、憤怒、憎悪! 認めよう、あの青鯖は切れ者だ。根っからの悪。人を思うがままに動かす天才である。彼奴が同じ組織にいてよかったじゃねえか、敵だったらと思うとゾッとする―――厭、此奴が味方だなんて思えねェがな!

太宰治より強い自負がありながら、涼しい顔で玩具にされる青春。嫌ですね~~~~~~~


何が言いたいかってつまり、物理で強く異能も強く、頭も回る、中原中也。太宰治に対するコンプレックス自覚していない劣等感、抱えてそうじゃないですか。

座右の銘(公式)知ってる? これで太宰さえいなければ ですよ? ダザイコンプレックス。ダザコン。語感が気に入らない。


ここで話を戻して、「太宰を(間接的にでも)殺した武装探偵社を潰す」と私利私欲にまみれた報復のことしか頭にない中原中也。冷静ではなかったですね。ある意味芥川とは対照的な獣だったと思う。もし武装探偵社を敦くんという消しゴムによって潰したとして残るのは虚無感だけだろうに。

( 中也「手前は俺の消しゴムだ」 わたし「???」 とはなった)


ずっと目の前にあった極上の肉を食い逃げされた獣じゃん。犯人嬲り殺しても肉は帰ってこない、わかってはいるが、この怒りどうしてくれようか。


もちろん太宰のこと愛してる可能性だってあるよ!!!! メチャクチャある!!!!!!!!!! でも個人的には、太宰のこと愛してる中也は怒りよりも先に喪失感と虚無感に襲われそうだな~~……なんて思うんだよ……この場は個人の意見お気持ち表明のためのnoteですからね。


「手前を殺すのは俺だ」、その根幹にあるのは「俺以外に殺されないでほしい = 他の誰にもあの男の幕引きを譲りたくない」ではなく、ましてや「彼奴の人生に最後に関わるのは俺」でもなく、

「太宰治に勝ちたい」なのでは……。

お互い全力のフィールドで闘って、その上で叩きのめして、最終的に悔しそうに顔を歪めた太宰治を殺したいんだろうと思います。「俺の勝ちだ」つって。

ずっと自分より一枚上手で、全て思惑通りみたいな顔してるいけ好かない野郎。何年間も翻弄されて、心にこびりついた憎いあの男に一泡吹かせてやった、あの悔しそうな顔! さぞ爽快でしょうね。

そうして大嫌いな男をブチのめした後の酒は何よりも甘美、世界は百億の名画より美しい! 晴れやかな気持ちで高笑いする中原中也が見たい。

太宰亡き後、それ以上の強敵はきっと出会えない。あの男に勝った唯一のにんげんという称号、一生誇りに思えるでしょうね~!


BEASTではその機会は永遠に失われたわけですが。

「他の誰かに負ける太宰が見たくない」って気持ちはあるのかもしれない。心の中ですらあの笑顔で見下ろしてくる太宰治、如何なる時も敵わなかったあの男が自分以外の誰かに負ける、そりゃ嫌だろうな。



本編において、太宰がポートマフィアに拘束されたと聞いた中也は嬉々として ”嫌がらせ” するためだけに嫌いな男に会いに来てますね。そこよ。そこがさ~~、そんなことするのさ~~~、え?好きなの? って思っちゃうじゃんかよ~~~~~~~やっぱり愛してるのかもしれない(情緒)

4年間行方が追えなかったってことないと思うんだよね。芥川だって久々の再会の時「え!? 太宰さん武装探偵社に入ったんですか!?!?」ってなってなかったし 同じヨコハマではあるんだしなんとなくの居場所は掴めてたんじゃないかなって思ってるんだけど、中也は会おうとはしなかったんだね。少しずつ君を忘れよう思い出せなくなるほどにってか?????


勝ち逃げしやがったあのにっくき太宰、満を持して黒星を挙げる日がきた! とか思ったのかな。ウッキウキだったもんね。パーティーは始まったばかりだぜとか言ってたもんね。


長々と蛇足含めて書いてきたけど、一端の太中のオタクによる妄言です。太中が好きだ。そこにあるのが愛でなくてもそこにあるのは太中です。単行本読み返したりアニメ見たりしてると「ウワッ太中付き合ってる……」って声に出ちゃうけど、あの二人って付き合うことあるんですかね? ”恋人”とか ”夫婦” みたいな新しい関係性にはなることなさそうというか これ以上はマジの蛇足なのでやめます

6年間太中が好きなんですけど急にこんなに揺さぶられるなんて思ってなかった。BEAST、最高でした。2回目は橋本祥平の演技に着目するなどしたいね






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