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悪の花 牛の如く反芻するままに思う事…

「悪の花」最終回を見て現在思うことつらつら

リアタイしていた頃から考えるとどれぐらいこのドラマを繰り返し見たんだろう……。見るたびに色々なことを思い、宿題のように隠されている意味を解き明かそうとし、新たな思いつきにそうかもしれないと思ったり否定したり………ただ言えることはそれだけ興味がつきない。

なので少し今思うことを中途半端な思いつきかもしれないのだけど、私の勝手な想像であることを前置きして、つらつらと書き留めて見ようかなってnoteにしてみました。

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このドラマ、ヒョンスは3度同じことを繰り返すシーンがある、ベッドから起き上がり逃げようとするシーン。その度にヒョンスの置かれた状況が変わることになる。

ラスト、ジウォンの胸に抱かれて眠るシーンを経てヒソンとしての人生が終わり新しく生まれ直すヒョンス。海の近くだとヒョンスが感じた真っ白なその部屋はまるで母親の胎内のようでした……

「僕には10歳以前の記憶がない」
そう言ったヒョンス。

ベッドから起き上がり逃げようとする姿が、森の中を彷徨う10歳のヒョンスと重なる。もしかしたら、その時もまた何か大きなショック(後にトミンソクの死後に死体で発見されたという失踪した母親関連の事だと想像する)によりヒョンスは生まれ直したのかもしれない。生まれ育った本来のヒョンスから全てを忘れた感情のないヒョンスとして……。それ以降のヒョンスの拠り所の母親の声もまたどこか子宮の中で聞こえる遠い音のようで……。ジウォンの温かな安らぎの腕の中とは違う暗く悲しさが漂うけれど少年ヒョンスが唯一安らいでた世界、愛する人がいる場所、戻りたかった場所?もしかしたら10歳以前のヒョンスは最終回新たに生き直し始めたヒョンスと似ているのかもしれない。

ヘスは言う「ヒョンスはやっと本来の姿になったのかもしれない」って。

「この高さまで大きくなったらお母さんを探しに行って良いよ。」無造作に入ってたこのシーンをふと思い出す。脚本家が深い意味を込めて意図的に入れたシーンなのか、単純にヒョンスが思い出した事として入れたシーンなのか定かではないけれど、その背丈以上に大きくなったヒョンスが本来の自分に戻り、探したいもの(愛するもの?)を見つけはじめたシーンでこのドラマが終わる。

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「明星の宿る空間」は工房の名前だけではなく、ヒョンスという人間が完全体になるのと同じように、バラバラだった3層の家は一つになり、ヒョンスの過去と現在と未来も一つになって、暖かな愛が宿る空間になったかのようで、そしてここから本当のヒョンスの人生が始まる………。(そんな予感がするラストに胸がいっぱいになってしまう……素晴らしい終わり方)

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ヨンジュ市連続殺人事件の謎。
父親は過去の象徴的な役割としてドラマに登場していた気がするけれど、この連続殺人事件はこのドラマにとって「重要」な要素かもしれないけれど「大切」な事ではないと、必要最低限の情報と想像の余地を残し後は謎のままにした気がする。彼らの犯した犯罪はヒョンス達の人生を決定的に左右する致命的な事だけれど、ここを掘り下げるよりサスペンスとメロという形を借りてその犯罪により、人がどう変わるのか、差別や偏見、人と人がどう向き合うか、自分とどう向き合うのか?ヒョンスとジウォンを中心に描かれたそういう話なんだなって。「語るべき大切な事」ではない謎は、謎のままで…


もう一つ。

番宣のわざわざロケをし撮った映像。ずっとドラマの中のワンシーンか風景が使われるのかと思ってたのだけど最後まで何も使われることなくドラマが終わってしまった。で、ふと思った……これは未来の姿なのかなって。

だといいな♪

思い出せば出すほど無駄なエピソードが一つもなくて、まだまだ語れそうなことがいっぱいありそうだけど、とりあえず 오늘은 여기까지💕

幸せな未来が待っていますように……

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そして、最後になってしまったけど、この難しいヒョンスの役を1秒も見逃せないほどの繊細な演技、迫真の演技で、演じてくださったイジュンギさんはじめドラマ制作に関わった全ての方に感謝。素敵なドラマをありがとう💕