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『中古住宅を購入する時にあった方がいいもの!』~家づくりの考え方

アラフォー女性建築士のさわです。
主に関西で住宅を設計しています。

今は土地も建築費も高騰していて、新築を諦めて中古住宅を購入してリフォームという選択肢もかなり増えているようです。

では、中古住宅を買う時の注意点とは??

実はあげだすとキリがないぐらいあります。
それだけじゃないけれど、無くて困ったものが最近あったのでそれについて今週は書いて行きます。

中古住宅を購入する時にあった方がいいもの!


それは…

建築確認申請書の副本

建築確認申請とは新築工事や大規模な増改築工事などを着手する前に、建築基準法や条例に適合しているか確認するために必要な手続きです。
許可が下りた後、正本は申請先に副本は施主が保管することになっています。
申請先や建築士の保管期限は平成19年6月20日以後15年と定められています。

では、副本は?
副本は本来なら施主が保管しているはずです。
施主が変わった場合(転売、相続など)には確認申請の副本も土地建物資料と一緒に次の持ち主に渡します。

しかし、中古住宅を購入する際に副本がない事がまぁ多い事・・・汗

正直、確認申請の副本がなくても売買手続きは可能です。
だから必ず必要な書類ではありませんと言う方もいます。

では、なぜ私が必要だと言うのか?

増築、改築の申請ができない?!

先日、大型マンションなのですが確認申請の副本がなく既存の建物の状態が不明確で増築の確認申請を受け付けてもらえないと言う話になりました。

厳密に言うと確認申請の副本が無くても増築、改築の申請はできるのですが、法規チェックに限らず構造も分からない事だらけなので現場を解体したりして確認する必要が出てきます。

せめて確認済証と検査済証が降りてるかの確認して!

昭和25年以後に建築した住宅であれば確認申請を出して許可が下りているのか確認してください。
担当の役所に問い合わせて建築概要書があるか確認できます。

建築概要書は図面はないけれど、敷地面積・建物の大きさ・高さ・配置図などが記載されていて、その建物がどのような許可を受けたのかが分かり誰でも閲覧できるものです。

さらに建築概要書には検査済証も下りているかの確認できるので、中古住宅の購入を検討する際には建築概要書のコピーを見せてくださいと売主に伝えましょう。

『建築概要書がない、あったけど検査済証が下りていない』

という物件は私は購入をおすすめしません。
理由は違法建築の可能性があるからです。

ただ正直そういった物件が多いのも事実です。
最近の建築ではありえない事でも、昔の建物では建築確認申請が出ていない建物や建築確認申請が出ていてもその通りに建築していない建物も多々あります。

その分価格が安い事もあるので最終購入の際は許容できるかをじっくり考えて判断してください。

まとめ

検査済証のない建物に関して国土交通省がガイドラインを出しています。
検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン

建築士が現地調査して最終的に指定検査機関から建築基準法適合状況調査報告書が発行されます。

建築基準法適合状況調査報告書は検査済証とみなされるものではありませんが、増改築の際の資料として活用できます。

検査済証のない建物の対策としてご活用してみてください。

今週もありがとうございました。
来週もよろしくお願い致します。

左巴建築設計事務所 さわ。

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