世界は簡単じゃないけれど単純で、君が幸せならそれでよかった。


君の柔らかい部分を、気持ち悪い部分を、私だけが知っていて、
私のそういうところ、君だけが知っていてね。

愛が愛らしい形をしているとは限らない。誰が決めたの。
愛は甘くもどこか鋭利で、君をずたずたに切りつける。
でも、痛みは何よりも生きていることを知らしめてくれるから癖になる。
可愛いね、可愛そうだね。麻薬みたい。依存する。
傷口から赤よりも黒、黒よりもピンク色の君の体液をみた。
甘すぎたいちごミルク 塩をいれればよかったの?

世界は簡単じゃないけれど単純で、君が幸せならそれでよかった。
君にかかる闇は全部私が殺してあげる。君のために死んでも本望。
僕の全部なんかただただちっぽけで、

君の涙、血、一粒で世界を終わらす理由になった。


肺にコットンキャンディー、脳にホイップクリーム
ピンクの前では性別なんてただの記号。
全人類、気持ち悪いから美しいってなんで理解できないの? 可哀想ね。愚かだね。


死にたいはお守り、誰にも奪うことのできない権利
握りしめているから生きていられる。
交わらない正義、ぶつけ合うことは最も愚かだけれど楽だもんね。
どうして一緒になりたがる?一つになんかなれないよ、だって私たちは独りの生き物。
同じ生物がいないこと、どれだけ魅力的にみえるかな。
美しいという言葉が安っぽいくらいに尊いのに、なんで。どうして。簡単よ?

私も一緒になりたがっている。押し付け。これは性? 

はやく捨てようよ。こんなもの。
足掻けば足掻くほど傷が深くなっていく。そんな拷問器具ってなんだっけ。
醜い世界の中だからこそ、よりいっそう君の言葉が美しく映えて憎い。残酷だ。

強くなりたい。誰にも浸食できない、消費できない、私だけ独りだけの強さが欲しい。


(2020.10.26)



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