死は私たちに愛を遺す。


幾分か身体が軽くなった気がする。
全部吐き出してしまえたとき、私は私のことが愛おしくて仕方なくなる。パソコンの時間にこうして吐き出していたこと、かなり必要なことだったんだな。赤線とか緑線が少し気になるけれど。好きに書かせてよ、堅物ね。


全部無くなったと思っていても、体と心があるだけで十分だよ。ずっとずっと繰り返している。螺旋階段みたい。同じだと思っていても少しずつでも上に進んでいるといいな。



死は私たちに愛を遺す。
プラスの愛もマイナスの愛もそのどちらでもない愛も。死んで初めて気づくのだ。愛の形や量、伝え忘れに。
遺された愛の行き場を失い、私たちは涙する。
愛を伝えたとしても届いているかはわからない。せめて、どうか安らかに眠れますようにと祈る。
死人に口なし。誰も知らない。
知らないから、良いように想像をする。天国で笑っていると。

私は、眠らないで、
どうか生きていてと願いたい。


死は新しい門出だ。誰かに奪われた生は予期せぬ門出。それは一刻も早く無くなってと願うことしか私にはできない。
受容は自己中心的で良い。


けれど、死をもう少し明るいものにできないかと考えている。
どうか私の死は祈らないでいて欲しい。語らないでいて欲しい。私を生きていいのは私だけ、思いも想いも私のもの。捏造はやめて。
どうしても死を美しいものにしてしまう。
そんなことにできる死因はほんの一握り。

幸せなことに当事者でないから難しい。


なんの話。こんなこと話したかったわけじゃないのにね。俳優さんだけじゃない、日本全体だと思うけれど、たくさん死んでしまったね。


授業でじっとできない日。


(2020.10.9)

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