見出し画像

奇跡・・・・

黄昏時・・・今日も・・・また・・・・

リトル・エンプティーなストマックが要求して来た。

俺のストマックはマクドナルドのパッピーセットに魅了されている。

左にウインカーを出しドライブスルーへ車を進める。

『ご注文はお決まりですか?』

ハッピーセット!!お願いします!!

『ほかにご注文ありますか?では、お車、前までお願いします。』

『オモチャはどれにしますか??』

何と言う事だ!!ハッピーセットには・・オモチャまで付いて来るのだ!!

右手でハンドルを握り、左手で『もしゃもしゃ』と袋からお宝を取り出し

リトル・エンプティーストマックへあたえる。

『チーズバーガー何て・・うまさや!!また・・・明日や!!

そう言い残し、要求を満たされたリトル・エンプティーストマックは

ハッピーセットのオモチャだけを残し・・

深い・・それは深い・・・意識の底へと消えて行った。

残ったオモチャ・・・捨てる事も出来ない・・・

一体、一体、並べていくうち・・・いつしかオブジェとなっていた。


『緊急地震速報!!緊急地震速報!!大きな揺れにご注意下さい!!』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数秒間・・大きな揺れを感じた。

幸い・・・街に大きな被害は出ていないようだ。

仕事を早め切り上げて家へ戻った。

テレビ・・冷蔵庫・・・洗濯機・・・・逃げようとしたのか・・・

元の位置より、10センチほど動いていた。

部屋中の物と言う物が散乱している中で・・・・

こちらを見ている熱い視線を感じた。

『スポンジボブ!!お前!!生きてたんか!!』

総倒れのオブジェの中、唯一彼だけが・・・・

か細いその足で堂々と仁王立ちしているではないか!!

俺は瞳の奥に熱いものを感じた。

スポンジボブ・・・・

並べる時なーいつも不安定やったやん。ドミノみたいに他のオブジェ・・・

倒しまくったやん!!なんでここで仁王立ち出来るん??

えっ??俺の??俺の帰り??待っててくれたん???』

俺は再び瞳の奥に熱いものを感じた。


野風 ぐぐる。















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?