見出し画像

シーシャって肺に入れるんですか?

何年も続くこの議論。誰が何度何を言おうと終わらないのは知っているんです。むしろ終わらないということに意義があるとも思っているんです。そのうえで、シーシャの吸い方を説明すればこの質問にある程度納得のいく答えが出せるのではないかと思い"HOW TO SMOKE HOOKAH"的なものを書いてみました。

出典:ONE PIECE 579話/尾田栄一郎 集英社

これは言い過ぎ。

前提

シーシャの「正しい吸い方」というものは存在しません。
「正しい」とは準ずるべきルールがあって初めて成り立つ概念であり、嗜好品であるシーシャ、延いてはたばこ全般の吸い方に「正しさ」を求めることは原理的に不可能と言えるでしょう。

しかし、目の前のシーシャを最大限に愉しみ、気持ち良く吸うための「望ましい吸い方」というのはシーシャ界である程度共有されており、本稿ではこれについて説明します。

本題

たばこ(シーシャはたばこの一種)の喫煙方法は、①口腔喫煙、②肺喫煙の2つに大別されます。

①口腔喫煙

「ふかす」とも呼ばれる喫煙方法で、たばこ葉から出した煙を口腔に溜め、そのまま口外に排出します。この喫煙方法は一般的に葉巻やパイプたばこで用いられます。

口腔喫煙の吸い方

②肺喫煙

紙巻たばこ等で一般的に用いられる喫煙方法で、肺喫煙という名称の通り、たばこ葉から出した煙を肺に吸引して愉しみます。

シーシャの喫煙方法は②肺喫煙に分類されますが、紙巻たばこの一般的な吸い方とシーシャの吸い方では、煙を肺に入れるまでのプロセスが異なります。

紙巻きたばこでは、吸い出した煙をいったん口腔に溜めた後、たばこを口から離し、空気とともに煙を肺に入れ、その後に煙を吐き出します。この吸い方をここでは便宜的に「紙巻たばこの吸い方」と呼びます。

紙巻きたばこの吸い方

一方、シーシャでは吸い出した煙を「直接」肺に入れることが推奨されます。「紙巻たばこの吸い方」のように煙をいったん口腔に留めることなく、吸い口から出した煙を直接肺まで入れた後、吸い口から口を離し、空気を吸うことなく、すぐに煙を吐き出します。

シーシャの吸い方

紙巻たばこで煙をいったん口腔に溜める理由の一つとして、タバコ葉が燃焼してから煙が口に届くまでの距離が短いので煙の温度を口腔で下げるということが考えられますが、シーシャの場合、たばこ葉(フレーバー)から出た煙が口に届くまでに煙が水で冷えるためその必要がありません。
また、シーシャの煙を空気とともに吸った場合、煙の濃度が薄まり、その分フレーバーの味も弱くなります。
以上の理由から、紙巻たばこと比較して「味」を愉しむという側面がより強いシーシャでは「紙巻たばこの吸い方」は推奨されません。

冒頭の問いですが、私は以上を簡単に説明したうえでシーシャの煙は肺に「入れる」と答えています。私見ですが、肺に「入れない」派は、「紙巻たばこの吸い方」の「口に溜めて肺に入れる行為をしない」という意味で言っているのではないでしょうか。

以下では、シーシャを嗜むうえでの"一般的な"「コツ」を列記します。

ゆっくり、深く、長く

深呼吸をするように、まずは肺のなかの空気をすべて排出し、それから煙を吸い始めます。吸いが浅いとフレーバーにうまく熱が入り切らないため、可能な限り深く、長く吸って、フレーバー全体に熱風が通り抜けるのを意識します。個人の肺活量によるため定量化するのは難しいですが、まずは4-5秒程度をかけて煙を吸い出すように意識すれば良いでしょう。

吸う力が弱すぎると煙や味が上手く出ません。一方、吸う力が強過ぎる場合にも、炭の熱がフレーバーに伝わる際にムラができてしまい、提供者が本来意図したものとは異なる味が出てしまうことがあります。

講釈を垂れてはみましたが、実際、この辺りの力加減はシーシャを数回吸うと感覚的に理解できると思います。まずは「深く、ゆっくり」を意識して気楽に吸ってみてください。

煙はすぐ吐く

吸った煙をそのまま肺に滞留させておくと咽せてしまうことがあります。煙を肺に留めても肺で味を感じられるわけではないので、煙を肺に入れた後はそのまますぐに吐き出した方が良いです。
シーシャの味、香りは基本的に煙を吐き出す際に愉しみます。咽せてしまうことがないようにだけ気をつけ、後は存分にシーシャの煙、味、香りを感じとってください。

「排出弁」を活用する

たいていのシーシャボトルには「排出弁」という機構が備わっています。これはボトルに溜まった古い煙をボトル外へ排出するための仕組みで、吸い口から息を吹き込むと、この排出弁から煙が出ます。

排出弁

煙が喉にひっかかるような違和感を感じた際に吸い口から息を吹き込むと良いでしょう。
息の吹き込み方については深く考えず、ふぅーと息を吹き込み、排出弁から煙を出してみましょう。

ただし、1点だけ注意してほしいのが、そもそも排出弁が備わっていないシーシャボトルがあるのと、排出弁をあえて潰しているシーシャ屋、排出弁の使用を良しとしないシーシャ屋もあるということです。その場合にシーシャが吸いづらいときは息を吹き込まず、スタッフに調整してもらいましょう。

以上、ごちゃごちゃと能書き垂れましたが、こんなものを読まなくてもシーシャは楽しめます。冒頭で申し上げた通り「正しい吸い方」はないです。シーシャにご興味があればぜひお気軽にシーシャ屋に足を運んでみてください。

ディスクレイマー

シーシャの煙は「吐かない」「吐くことを意識しない」とか、シーシャの煙と味と香りをほぼ同義に扱っていて乱暴だとか、あえて煙を出さないシーシャとか、排出弁に関する諸々の論点とかはすべて割愛し、あくまで入門的なお話として書いちゃいましたので、その辺の少し深いお話はぜひシーシャ屋で聞いてみてくださいませ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?