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パラダイムシフトの暗闇に目を慣らす運動

コロナ以後の社会の地殻変動の中で、なすべきことを考察し、実行してゆくための所信表明として、noteを書初めます。

暗闇に突然放り出されたとき、僕ら人間の目は、瞳孔を開き30分から1時間程度、時間をかけ徐々にモノを見ることが可能となる。これを暗順応というらしい。より速く暗闇に目を慣らすには、目を凝らすのではなく、グッと10秒から30秒程目を閉じることが有効だそうだ。

そんなわけで(?)、未来を見通すために、自分なりに有用だと思った(主に)書籍や思想を一度立ち止まり、ギュッと濃縮還元する場とします。

コロナが世界の地盤を揺り動かしている。地球全体の脅威として、「先の見えない長期性・地球全体を覆いつくす広範囲性(同時性)」という点でリーマンショックや3.11、これまでの疫病とは性質が違う。このようなパンデミックをビル・ゲイツは2015年、TEDで予測していたし。2011年に映画『コンテイジョン』で描かれている世界は、ディストピアともとれる今の世界と多くの相似点を有している。結果論ではあるが、パンデミックが起きるということを人間の性質と照らし合わせ、ロジカルにシナリオを描けば予測自体は可能だったようだ。同じ確率を有していても、数字は嘘をつかないとしても「良いこと・悪いこと」では人は悪いことの確立を低く見積もる性なのだろう(自分も含めて)。

先述の映画『コンテイジョン』で、ジュード・ロウ扮する記者アランは“レンギョウ”が疫病に効くという偽の情報を流し大金を設ける。人々は“レンギョウ”を求め、薬局に殺到し、暴動も起きる。

まだ現実社会はそこまでじゃないけど、【前の社会】ー【今の社会】、の差分を利用して利益を増やす企業・個人がいるのも事実で。性悪説を実証するような現象が、今後、ぽつらぽつら発生するかもしれない。現に、「ビタミンCがコロナの予防になる」、「〇〇イオンがコロナを除去する」といったガセネタを流す”リアルアラン”も既にいるようです。映画に描かれる世界に対し、現実世界が恵まれているのは、社会がより健全で分散化された”監視能力”を有している点であろう。とはいえ、実際、僕らは広い意味でコロナ・リテラシーを身に着ける必要があるのかもしれない。

一部のアランを飲み込むほどに、ポジティブな変革を勇気と優しさをもって起こそうとする個人・集団が発生していることも事実で、人はやはり性善説なんじゃないかなんて思わされたりする。これは目立つし、とても喜ばしい。いやがおうにも、”人類”というより大きな主語で、物事を捉えなおして、(時にはそれまで進めていた業務をストップして)共通の脅威を乗り越えるべく集中的・横断的アクションが増えてゆく中で、コロナを超え、多くの棚ぼた的発明・発展が起きたらいいなと期待する部分も少なからずある。

コロナ以前、僕らは現実世界が地続きに延長する前提で、個人・企業・国といったレイヤーの計画・実行を進めていたわけで。前提条件が変わったのだから当然、コロナ以前の世界で考えていたことの多くを見直さなければならない。いまだに、「いずれは元の世界に戻るのだ」、という楽観的かつ怠惰な思考がふとした瞬間に首をもたげるのだが、これは人間の行動・価値観の変容に目を背けた現実逃避的思考に他ならないという戒めを改めてもとう。

実際のところ、上記のように良くも悪くも社会に行動を起こすアクターは少数で、大多数は現状を維持する為、自分や周囲の大切なことを守ることに精一杯なのが実情だと思う。自分の大切な人がコロナにかかったり、勤めている会社が事業をたたむとか、苦しい想いをしている人は沢山いるし、明日は我が身である。でも、だからこそ、医療のような具体的貢献手段をもたない自分のような一般人の立場でも、考えることができるうちに、行動が起こせるうちに、できることを考えて実行していきたいと思います。

いずれこのコロナ時代は社会の教科書に載ることだろう。その時代を決める人類の一個体として、どのうような意味を提供することができるのか。責任をもち、探求し、確かにアクションを起こしてゆきたいと思う次第である。

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