P(リン)

5歳の男の子が骨折してから2週間後、尿が白く濁ると受診されました。
排尿時痛や発熱は見られず。
検尿では無晶性リン酸塩(3+)のみ。原因はこれでしょうと説明。

ただ、リン酸塩がなぜ急に増えたのか?
ちょっと調べてみました。

リンの働きはカルシウムと共に骨や歯を作ります。エネルギー代謝や脂質の代謝にも重要な役割を果たします。ビタミンBグループの吸収を助ける効果もあります。
リンは色々な食品に含まれ、普通の食事で不足することはなく、食品添加物として多用されているため、摂り過ぎの方が問題となるようです。
リンの過剰摂取は、腸管におけるカルシウムの吸収を抑制するとともに、 急激な血清無機リン濃度の上昇により、血清カルシウムイオンの減少を引き起こします。

リンには、食材にもともと含まれている「有機リン」と、食品添加物に使われる「無機リン」の2種類があります。

有機リンは、蛋白質の多い食品に多く含まれています。代表的なものは、肉や魚、卵、乳製品、豆類です。また、同じ蛋白質の量でもリンが多いものと少ないものがあります。

無機リンは、ハムやベーコン、練り物、プロセスチーズ、インスタント麺、ファストフードなどの加工食品に食品添加物として使われています。ただ、食品添加物については成分表示が義務づけられていないため、どれだけ無機リンが含まれているかは分かりません。
無機リンは有機リンに比べて、腸から吸収されやすく、血液中のリンの濃度が上昇しやすくなります。そのため、全体のリンの摂取を抑えるためには、無機リンが多く入っている可能性のある食品添加物入りの加工食品や清涼飲料水はできるだけ避けた方が無難です。

先ごろあった小学校の先生方との会合で、最近ちょっとした運動で骨折する子供がいるんですが、何か思い当たることはありませんか?と言われたことを思い出しました。そもそも外遊びをすることがなくなって、転んだりする機会も減ったので受け身が苦手なのでしょうか?とお茶を濁してなんとか乗り切ったのですが、こんな理由もあったんですね。

勉強になりました。

いや、知っとけよ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?