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岡村孝子「電車」

一人ぼっちの夜に、Youtubeを見ていたら、岡村孝子のヒット曲を見つけたので、久しぶりに聴いてみた。
もうかなり昔のことで、曲名も忘れていたけど、「電車」と言う曲を聴いたら、鮮やかに思い出が蘇ってきた。

22歳で東京の音楽大学を卒業した僕が、地元の大学教授からの誘いも断って、音楽とは関係のない東京の企業に就職したのは、好きな人がいたからだった。

でも、3年後に破局をむかえ、逃げるように東京を去ったのは25歳の時。
私立高校で音楽教師を3年勤めた後、県の教員採用試験に合格して28歳から、県立の音楽教師になった。

最初に赴任したのは、地元の県内でも、かなり田舎の高校だった。

好きだった人との別れは、情けないかもしれないが、僕にとって、あまりにも大きな試練となった。
東京を逃げるように去ったのは、物理的に相手と会うことが難しい状況に自分を置かないと、ダメになりそうだったからだ。
それでも1年間は、心に大きな穴が開いた状態で、ひたすら仕事をしていた。
3年が過ぎて、県立高校勤務になっても、少しは落ち着いていたものの、まだ完全には心の整理ができていなかった。

これほど愛した相手は、その後、僕の人生には現れなかった。

その頃、流行っていたのが、岡村孝子の数々のヒット曲だった。「電車」はシングルでも発売されたが、リベルテと言うアルバムの中に入ってた楽曲だった。

サビの部分の歌詞
「あなたを失くしてまでも決めた道を悔やむほど弱くなった私を叱って」
「あなたを失くしてまでも決めた道を進むほどずるくなって
明日を変えたい」

この部分が心に滲みた。
こんな感情を持つのは、女の人だけじゃないんですよ。

それにしても、長い月日が過ぎてしまった。
今でも、あの時の心の痛みは思い出すことができる。


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