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≪食肉鉤虐殺事件≫禁止後のスタンダード環境考察
0. 前書き
10/10夜、スタンダードで≪食肉鉤虐殺事件≫の禁止が発表された。
現スタンダードをそれなりにプレイしてきた身としては、この禁止は非常に妥当なものだと思う。
(注:これはスタンダード環境に関する話で、非常に高価なカードが禁止されたことによる店舗やプレイヤーの被害については触れない)
現在のスタンダードは黒系ミッドレンジ祭りであり、黒単・エスパー・グリクシス・ジャンド全てのデッキに共通して複数枚採用されているカードは≪食肉鉤虐殺事件≫、≪黙示録、シェオルドレッド≫の2枚である。
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特にこれらの2枚は、ミッドレンジ対決でも非常に強力であるにもかかわらず、アグロデッキの存在を許さない能力を有しており、これら2枚のうちどちらかを禁止にするとしたら、発売1カ月あまりの≪黙示録、シェオルドレッド≫より1年以上前に刷られた≪食肉鉤虐殺事件≫に白羽の矢が立つのはうなずける。
現在のスタンダードを代表するパワーカードには他にも≪鏡割りの寓話≫、≪婚礼の発表≫、≪絶望招来≫等があるが、これらのカードは同時に禁止にしなければ、被害を受けなかったデッキがより強くなるだけなので、禁止にならなくてよかったと思う。
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前置きが長くなってしまった。いずれにしても、我々プレイヤーは与えられた環境でプレイするしかない。今週末にはスタンダードで開催されるアリーナの予選ウィークエンドが控えている。時間がない。本題に移ろう。
1. ≪食肉鉤虐殺事件≫禁止による影響
1-1. 強くなるカード
≪鏡割りの寓話≫、≪婚礼の発表≫
![](https://assets.st-note.com/img/1665474601954-U0IJSNhG7N.png)
≪食肉鉤虐殺事件≫がアグロデッキの存在を否定していたのは間違いない。一方で、先ほど≪食肉鉤虐殺事件≫はミッドレンジ対決でも強力と述べた。その理由がこれら2種のエンチャントだ。
どちらも非常に強力なエンチャントだが、≪鏡割りの寓話≫はトークンとキキジキをまとめて流してしまえばただの2枚ルーターだし、≪婚礼の発表≫もトークンを3体まとめて流してしまえばただのアンセムである(それでも十分強いが……)。
実際ミッドレンジ対決ではタフネス3のブロッカーでトークンを止めて≪食肉鉤虐殺事件≫で一方的に流すのが有効な対処法だった。
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≪食肉鉤虐殺事件≫がなくなるとどうなるのか?
≪鏡割りの寓話≫も≪婚礼の発表≫も出し得最強カードになる。
≪婚礼の発表≫はまだいい。
エンド前に対処してしまえば問題ないし、打ち消してもいい。
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一方で≪鏡割りの寓話≫は終わっている。
除去で対処しようとするとどう足掻いても損をするので、打ち消すしかない。
しかし、3マナのカードに対し常に打ち消しを構えられるわけではないし、そもそも≪鏡割りの寓話≫をプレイする側は相手が青を含む2マナを構えていたらプレイせず温存すればいいだけだ。
みんな≪鏡割りの寓話≫をプレイしよう。
≪鏡割りの寓話≫は先手で出した側が圧倒的に有利だから先手をとろう。
繰り返すが、終わっている。
1-2. アグロの可能性
頭が痛くなる話はいったん置いておいて、アグロの可能性を模索しよう。
≪食肉鉤虐殺事件≫がなくなったのだから、アグロデッキは間違いなく立ち位置がよくなるはずだ。
しかし、アグロデッキであればなんでも良いわけではない。
乗り越えるべき障害はまだ残っている。
①≪黙示録、シェオルドレッド≫を乗り越えられるか
![](https://assets.st-note.com/img/1665474769358-fua3vosy6O.png)
アグロキラーの片翼である≪食肉鉤虐殺事件≫がなくなっても、もう片翼の≪黙示録、シェオルドレッド≫は健在である。
地上のアタッカーをシャットダウンし、継続的にライフゲインするこのカードを乗り越えられることが優れたアグロデッキの第一条件だろう。
②≪切り崩し≫が直撃しないか
![](https://assets.st-note.com/img/1665474822134-WT1QkSwusD.png)
≪切り崩し≫は環境でもっともよく使われている1マナの除去だ。
1マナでありながらほとんどの2マナ域と一部の3マナ域まで除去できる優秀なカードである。
≪食肉鉤虐殺事件≫を失った黒ミッドレンジがアグロ対策の穴埋めとしてこのカードをメインに複数枚採用することは想像に難くない。
≪切り崩し≫に全く当たらないアグロデッキを組むことは不可能かもしれないが、できれば3マナ以上のカードにクリティカルに当たることは避けたい。(≪無謀な嵐探し≫、≪結ばれた者、ハラナとアレイナ≫など)
![](https://assets.st-note.com/img/1665474865735-4pjHC9wqew.png)
2. ≪食肉鉤虐殺事件≫禁止後にプレイすべきデッキ
では、≪食肉鉤虐殺事件≫禁止後はどのようなデッキをプレイすればよいだろうか?
前章を踏まえたうえで、候補を挙げていきたい。
2-1. ≪鏡割りの寓話≫、≪婚礼の発表≫、≪黙示録、シェオルドレッド≫を使ったミッドレンジ
≪食肉鉤虐殺事件≫がなくなったのだから、スタンダードを代表する2種のエンチャントは使い得だ。
アグロデッキに強く、ミッドレンジ対決でも強力なことが証明されてきたタダ強カード≪黙示録、シェオルドレッド≫も使いたい。
相手に≪鏡割りの寓話≫、≪婚礼の発表≫、≪黙示録、シェオルドレッド≫を使われることを考えると、それらを対処できるカードも使いたい。
これらを満たしたデッキはなんだろうか?
①エスパーミッドレンジ
![](https://assets.st-note.com/img/1665474977810-QnOkyWliCi.png?width=800)
結局のところ、エスパーミッドレンジは強いままだろう。
もともと≪食肉鉤虐殺事件≫に対応を依存した構築になっておらず、エンチャントとシェオルドレッドを効率よく対処できる≪邪悪を打ち砕く≫と≪かき消し≫が4枚ずつ採用されている。
≪食肉鉤虐殺事件≫に弱いことがネックだった瞬速クリーチャーも今後増えていくかもしれない。
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≪食肉鉤虐殺事件≫の完全な代替は存在しないが、サイドボード向けの全体除去の選択肢は豊富だ。安定性と対応力は随一だろう。
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②ジャンドミッドレンジ
![](https://assets.st-note.com/img/1665475104389-otbebSRtCI.png?width=800)
ジャンドミッドレンジも、≪食肉鉤虐殺事件≫を失ってもエンチャントとシェオルドレッドの対処に困らないデッキだ。
打ち消しは採用できないが、≪羅利骨灰≫はエンチャントのみでなく≪勢団の銀行破り≫も対処できる優秀な除去だし、≪豪火を放て≫は4マナと重いものの、着地してしまった≪鏡割りの寓話≫を損なく処理できるほか、シェオルドレッドの対処も兼任している。
またジャンドで採用できる全体除去には下記の2枚があるが、どちらもメインで採用できるスペックがあると思っている。
![](https://assets.st-note.com/img/1665475152191-G8BYrNQcjE.png)
≪絞めつける瘴気≫はキッカーで打つことで自分の≪鏡割りの寓話≫のみ生かすことができる器用なカードだし、≪家の焼き払い≫は全体除去が有効でない場面では攻めることもできる優秀なカードだ。
③グリクシスミッドレンジ
④黒単
![](https://assets.st-note.com/img/1665475222181-Aceah8WVwF.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1665475242550-IO8dCyoSpu.png?width=800)
エスパーミッドレンジとジャンドミッドレンジがいい選択肢である一方、≪食肉鉤虐殺事件≫を失ったグリクシスミッドレンジと黒単は、個人的にはあまり使用したくない。
色の性質上エンチャントに触ることができないため、≪鏡割りの寓話≫、≪婚礼の発表≫の対応を≪食肉鉤虐殺事件≫に一任しており、残念ながら代替が存在しない。
グリクシスであれば≪敵意ある乗っ取り≫や≪家の焼き払い≫、黒単なら≪絶望招来≫があるが、5マナのカードを3マナエンチャントの対策とするのは現実的ではない。
![](https://assets.st-note.com/img/1665475294390-WJ3kTDsKJc.png)
2-2. 白か黒を使用したトークンデッキ
前章で考察した通り、優秀なアグロデッキの条件として下記の2点があげられる。
①≪黙示録、シェオルドレッド≫を乗り越えられるか
②≪切り崩し≫が直撃しないか
これらの条件を満たすアグロデッキを考えよう。
まず、≪黙示録、シェオルドレッド≫はできれば2マナ以下の除去で対処したい。アグロデッキのため、打ち消しや3マナ以上の除去で対処することはテンポが悪い。
スタンダードでシェオルドレッドを2マナで対処できるカードは下記の通り。つまり、白か黒である。
![](https://assets.st-note.com/img/1665475355526-tJIyb0JWyZ.png)
次に≪切り崩し≫が直撃しないクリーチャーを選定しよう。
全体除去が弱く、単体除去が流行るのであれば、トークン戦略が強いのは必然だ。
ナヤトークンは優秀なアグロデッキの条件を満たしている。
![](https://assets.st-note.com/img/1665475404484-uphSSt3Ip3.png?width=800)
ただ、サイド後に間違いなく全体除去が飛んでくるため、サイド後に横並びに依存しないプランは必須だろう。
また、黒いトークンデッキと言えばラクドスサクリファイスも≪食肉鉤虐殺事件≫が禁止になった恩恵を間違いなく受けているデッキだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1665475445425-PaplpPAkCs.png?width=800)
自分が≪食肉鉤虐殺事件≫を使えないことより、使われない恩恵のほうが確実に大きい。
エンチャントに触れないことだけが懸念点なので、マナベースは厳しいが、白を足して≪忘却の儀式≫と≪婚礼の発表≫を採用してみるのもいいかもしれない。
3. まとめ
少し思考を整理しただけで、禁止前から引き続き強いと思われるミッドレンジ2つと、禁止後に強くなると思われるトークンデッキ2つが候補に挙がった。
・エンチャントをしっかり対処できるミッドレンジ
①エスパーミッドレンジ
②ジャンドミッドレンジ
・シェオルを対処でき、単体除去に強いトークンデッキ
③ナヤトークン
④ラクドス(マルドゥ)サクリファイス
特にトークンデッキはまだまだ発展途上のため、構築を完成させるには時間がいくらあっても足りない。
ミッドレンジデッキもまだ机上の空論のため、実際に回してみたら様々な改善点が見つかるだろう。
よし、今週末の予選に向けて早速アリーナのラダーで練習しよう!!!
![](https://assets.st-note.com/img/1665475511680-rA5AFddLBM.png?width=800)
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終
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