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予選ウィークエンドに向けてヒストリックを考える

0. 前書き

11/18には兄弟戦争のリリースが控えており、新カードの情報もどんどん出てきて新環境に期待が高まる時期になってきた。
しかし、その前に現カードプールでやるべきイベントがある。
(さすがにもう禁止改定ないよね……?)
11/12,13にヒストリックで開催される予選ウィークエンドだ。
毎日のミッション消化がてら「マッチ・プレイ:ヒストリック」を適当に遊んでいたが、気づけば本番まで2週間を切っていたので、そろそろ真面目に調整を始めようと思う。
まずはヒストリックというフォーマットの特徴とデッキについて思考を整理することから始める。

高速環境で1マッチが短いのでつい遊んでしまう

1. ヒストリックを考える

1-1. 前提

ヒストリックには参考となる情報がほとんど存在しない。
競技レベルの高いトーナメントが全く開催されていないからだ。
最後に行われた大規模トーナメントは5/20~22に開催された「ニューカペナ・チャンピオンシップ」までさかのぼる。

懐かしいメタゲーム

当時のメタゲームは「イゼットフェニックス」と「ゴルガリフード」の2強だった。今でもヒストリックと言えばこの2つのデッキを思い浮かべる人は多いだろう。
しかし、この5カ月の間に多くの変化があった。
・「イゼットフェニックス」「ゴルガリフード」のキーカードのナーフ
・新セットのリリース
『アルケミー:ニューカペナ』
『アルケミーホライゾン:バルターズゲート』
『団結のドミナリア』&『アルケミー:ドミナリア』
『エクスプローラー・アンソロジー1』&『ヒストリック・アンソロジー6』
・アルケミーでナーフされていたカードのナーフ解除
これらの変化により、ヒストリックは全く別物になってしまっただろう。
情報がないのならば、自分で考えるしかない。
まずは、使用候補となるデッキを洗い出すところから始める。

1-2. 指針

ヒストリックフォーマットの特徴は、モダン以下の強カードの一部とアルケミー用の壊れカードが使用できることだ。
それにより、攻めに特化したデッキならば多少の妨害があっても4~5ターンで倒しきれるパワーがある。
言い換えれば、6ターン以上かかる攻めデッキは一段落ちるし、受けデッキは大量の妨害を必要とする。
つまり、下環境らしく攻めに特化したアグロorコンボと受けに特化したコントロールの二極化が進み、中途半端なミッドレンジは成立しにくいと想定される。
攻めるデッキと受けるデッキをそれぞれ考えていこう。

2. 攻めるデッキを考える

2-1. 青白親和

青白親和サンプルリスト

「青白親和」は、「ニューカペナ・チャンピオンシップ」の時点で「イゼットフェニックス」と「ゴルガリフード」を除けば2番手の位置につけていたデッキだ。
そこに『ヒストリック・アンソロジー6』で≪改良式鋳造所≫と≪剃刀潮の橋≫が追加され、さらに強化された。
特に≪改良式鋳造所≫の影響は大きく、継続的なアーティファクトの供給に加え、≪羽ばたき飛行機械≫と組み合わせて1ターン目から4/4の構築物でビートする速度を手に入れた。
デッキ構造はほぼ白単だが、≪金属の叱責≫と≪思考の監視者≫のために青を足して長期戦を見据えた形と、新戦力である≪ヨーティアの宣戦布告≫のために赤を足し、≪魅知子の真理の支配≫も加えてより攻撃的に短期決戦に持ち込む形もある。

速度で押し切れ

2-2. 青白オーラ

青白オーラサンプルリスト

「青白オーラ」も、「ニューカペナ・チャンピオンシップ」の時点ですでに強さが証明されていたデッキだ。
あらゆるフォーマットで禁止されていったが、何故かヒストリックでは使用できる≪夢の巣のルールス≫を最大限活用できるデッキであり、2ターン目の≪コーの精霊の踊り手≫に触れなければ、3ターン目には実質ゲームエンドという環境随一の速度を持ったデッキだ。
この5カ月でめぼしい新戦力は手にしていないが、≪アダーカー荒原≫を手に入れたことは見た目以上に大きい。
「青白オーラ」の最大の敵は己の事故だが、タップイン土地が許容できないデッキのため、色事故でマリガンを強いられることは多かった。アンタップインの2色土地は待望であり、ダメージも環境最速であり絆魂もあるこのデッキでは大きな問題にならない。

2-3. 青赤ウィザード

青赤ウィザードサンプルリスト

バフによって異常な強さになった≪対称の賢者≫をフィーチャーしたデッキ
とにかく焼き切る速度が速く、新戦力である≪戦闘魔道士の隊長、バルモア≫を手に入れたことで、かなり安定して4ターンで20ライフを溶かしきる。
≪無謀なる突進≫の採用から刹那的なデッキと思われがちだが、≪戦慄衆の秘儀術師≫とレガシー級ドロー呪文≪表現の反復≫により粘り強さもある
BO1番長と思われがちだが、青赤というカラーはサイドの選択肢が豊富なため、BO3でも十分通用するスペックがある

2-4. ゴブリン

ゴブリンサンプルリスト

ヒストリック黎明期で暴れていたデッキだが、良くも悪くも≪上流階級のゴブリン、マクサス≫だけのデッキであり、カウンターや≪墓堀りの檻≫、全体除去で対策されたら脆いと理解されると急激にシェアを減らしたデッキだった。
しかし、ドミナリアで≪ランドヴェルトの大群率い≫という優秀なロードと≪ゴブリンの流入結界≫という壊れエンチャントを手に入れて一躍強力なデッキとなって舞い戻った
相変わらず4ターン目マクサスの爆発力は維持しつつ、≪ランドヴェルトの大群率い≫により全体除去に耐性を持ち、3ターン目≪ゴブリンの流入結界≫という第2軸を手に入れたことで簡単には攻略できないデッキとなった。

余談だが、≪舞台座一家のお祭り騒ぎ≫と≪ゴブリンの罠探し≫を採用して≪上流階級のゴブリン、マクサス≫を排した構築は回しててあまり強さを感じなかった。
マクサスと流入結界は勝つが、お祭り騒ぎでは勝たない。罠探しは純粋にカードパワーが足りていない。

2-5. マーフォーク

マーフォークサンプルリスト

「Red Bull Untapped 2021 日本大会」を制したデッキだが、「ゴルガリフード」にド不利なため全く見なくなってしまったデッキ。
ドミナリアで≪ヴォーデイリアの呪詛抑え≫が加入したことでノンクリーチャーベースのデッキに耐性が増しており、2マナロード12枚体制になったことにより4~5ターン目に殴り切れる脳筋さを手に入れた
≪ヤヴィマヤの沿岸≫も地味にマナベースを強化しており、無理なく≪大魔導士の魔除け≫を採用できるようになった。
カウンターが刺さるデッキに強い一方、カラー的に除去が弱いため、システムクリーチャーを主軸とした青白オーラや青赤ウィザードが苦手

2-6. 人間

人間サンプルリスト

≪光輝王の野心家≫と≪不詳の安息地≫の謎ナーフの被害をもろに受けていたが、ナーフ解除によって復活したデッキ。
≪審問官の隊長≫の加入よって、サリアと相性の悪い≪集合する中隊≫を無理にタッチする必要がなくなった。
キルターンが他のアグロに比べて若干遅いが、≪エスパーの歩哨≫と≪スレイベンの守護者、サリア≫が刺さる相手には鬼のように強い
≪スカイクレイブの亡霊≫と合わせて、親和や青白オーラ、青赤ウィザード等に有利に立ち回れるのがいい。

2-7. 赤単

赤単サンプルリスト

アルケミーで≪ティーフリングののけ者≫≪大口購入者≫という優秀な低マナ域を手に入れた赤単。≪再誕の刃、ラエリア≫の追加も嬉しい。
バーン構成をとるなら青赤ウィザードのほうが遥かに強いため、クリーチャー+エンバレス&トーブランの構成がいい
多少の単除去では全く止まらず、全体除去にも速攻クリーチャー、アナックス、バグベアで耐性があるので、アグロとしての強度は高い。
≪神々の憤怒≫だけは終わり

3. 受けるデッキを考える

3-1. 青白コントロール

青白コントロールサンプルリスト

カウンター、ラス、ドロー、テフェリー、Win。
呪文の質がとにかく高く、≪ジンの皇帝、カリム≫の加入により≪ドミナリアの英雄、テフェリー≫を守りやすくなり、≪力戦の束縛≫で除去のために色を足す必要も薄くなった
※カリムは土地を対象に取れないので、ミシュラには無力でした
(≪力戦の束縛≫のせいでマナベースが迷子になった。)
サイドカードも一線級がそろっており、受け性能はピカイチだが、メタゲームが固まっていない状態のコントロールの調整は非常に難しい
ゴブリンのような直線的なデッキには有利だが、青を含んだアグロには苦戦を強いられると思われる。
後述する赤黒のようなミッドレンジにも有利なので、それらが増えてくるなら青白コントロールの立ち位置はよくなる。

3-2. 赤黒ミッドレンジ

赤黒ミッドレンジサンプルリスト

ハンデス、除去、リリアナ、ミシュラ、Win
マナカーブ的にはミッドレンジだが、実態はコントロールデッキである。
青白コントロールに比べて軽いアクションが多いので、序盤から動いてくるアグロデッキに対して優位に立ち回れる
一方で、カウンターがないためゴブリンのような1枚のインパクトがデカいデッキや、青白コントロールのような重いデッキにはハンデス頼みになり苦戦を強いられる。

4. まとめ

8つほど使用デッキ候補を挙げた。
これから実際に調整していく段階に入る。
 
・メインのデッキパワーの検証
・サイド後のデッキ強度の検証
・デッキ相性の検証
・これらのデッキ以外の可能性の模索


やることは山ほどある。
 
調整過程はTwitchで配信する予定なので、よければそちらを見てほしい。
https://www.twitch.tv/ryuumei_
デッキリストなどはTwitterでも発信している。
https://twitter.com/ryuumei__

 
ヒストリックは未知のフォーマットなので、練習のリターンが大きそうで楽しみだ。
みんなもヒストリックやろう!

5. おまけの没デッキ

5-1. 緑白赤ライフゲイン

アルケミーではお祭り騒ぎがナーフされてマナベースが終わったが、ヒストリックならいけるのではないかと思い構築。
結果はキルターンが遅いわりに妨害もなく全く強くなかった
ヒストリックではアドバンテージカードとして運用するお祭り騒ぎは遅すぎて強くないという知見を得た。
お祭り騒ぎはやはりコンボで使ってこそのカード。

5-2. 赤緑アグロ

1マナエルフ2種類、赤緑ダメランによってどの程度強化されたか確かめたくて構築。
マナクリから≪再誕の刃、ラエリア≫の動きだけメチャクチャ強かったがそれだけだった。
ブン回れば強いものの、マナクリから入れなかったときや宝剣を引けなかったときの動きが鈍い等、安定性に難があると感じた。
青白コントロールや赤黒ミッドレンジ等の受けデッキにも普通に不利。

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