理性の限界
選択の限界
民主的な決定手段として多用されている投票方式が
いかに民主主義に反しているのか理解できた。
アメリカやフランスの大統領選挙においても矛盾が
生じていることに驚愕した。
「パウロスの全員当選モデル」は投票方式の違いで
当選者が異なる例を示していて面白かった。
現実の社会では、各投票方式を全て試したのちに最
良の選択を模索してから決定するだけの手間と時間
はかけられない。しかし、選択の結果が芳しくない
時、決断した人間が、民意の総意に基づいていたの
か、他の投票方式ではどのような結果となり得たの
か、模索を続ける姿勢が大切なのではないかと思
う。
人間は経験的に選定するもののタイプに応じて投票
方式を使い分けている事実が興味深い。
多数決による決定は、少数派の意見の排除といった
視点から問題視されることはあるが、多数決自体に
欠陥があることに驚いた。
完全に公平な投票方式、完全民主主義が存在しない
ことに衝撃を受けた。
人間の合理的選択には、集団的合理性と個人的合理
性の二面があり、いずれを優先しても選択の合理性
には限界が生じることが興味深かった。
他者と形成する社会の中で生きる人間は、集団の利
益を無視して生きることはできない。
同時に、欲望を抱き続ける人間は、個人の利益を無
視して生きることはできない。
集団の利益と個人の利益、いずれを優先するのが合
理的かを考える際、人間は理性の限界に行きつき、
結局、感情に任せて行動してしまうのだろう。
科学の限界
光速度不変の原理により、光速は不変で時間と空間が相対的なものであることをはじめて知った。
ミクロの世界での観測の限界と不確定性に驚いた。
ミクロの物質が通常は波として存在し、観測される瞬間に粒子になるという解釈が非常に面白かった。
科学といっても絶対的なものではなく相補的解釈や多世界解釈など様々な解釈による論争があることを知れた。
科学は時間的に更新されていき古いものは排除されていく進化論的科学論のみを考えていたが、パラダイム論や方法論的虚無主義による考え方もあることに驚いた。
科学は宗教、科学に秘められた権威主義といった日常的には思いつかない発想を知り、科学に対する認識の難しさを痛感した。
知識の限界
抜き打ちテストのパラドックスが非常におもしろかった。
ナイトとネイブのパズルによる説明で、ゲーデルの不完全性定理についての理解がしやすかった。
数学の世界では真であるにも関わらず証明不可能な命題が存在することに驚いた。
不完全性定理が神の非存在論にまで及ぶところが興味深かった。
日常生活においては目の前の仕事に没頭するあまり視野を狭め好奇心を失いがちであることを痛感した。
理性的な生き物信じ込み傲慢に生きるのではなく、その限界を知り謙虚に学ぼうとする姿勢が大切だと思った。
「合理的な愚か者」にならないよう生きていきたい。
#理性の限界
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