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HUNTER×HUNTER 〜もはや冨樫の自由帳〜

中学生の時、初めて買ったジャンプにヒソカ対カストロ戦が載ってて、荒い下書きのまま掲載された話が心のどっかにひっかかって、答えを探してるうちに見事にハマったのである。

確かその話の表紙はミュシャみたいなヒソカの死神の扉絵で、内容といえばヒソカが自分の腕をさけるチーズみたいに食ってたと思う。
中2の僕はヒソカのトランプみたいに心に刺さって、オリジナルの念能力とかコソッと友達に披露してしまい、
ハタチの時の同窓会でイジられたとき、動揺しまくって思わず爆弾か拳銃が欲しくなった。
おっさんになっても心の中ではまだ、オリジナルの念能力とか妄想したりしてる。

勘違いしないで欲しい。
僕がただのマンガボーイで、オリジナルの世界観を捻じ曲げる解釈をおっ広げるわけではない。
僕はカミュとかパール・バックとかも読むインテリボーイだし、客観的にハンターハンターの世界観を持てているし、自分のセンスだってきっとハンターハンターに影響されてる自負があるんだ。
その上で、そんなことしてるんだってこと、分かって読んで欲しい。

変化系で手から水を出す能力。
かっこいいし、砂漠とかで喉が渇いたら水も飲めるし、王とかもにも多分通じる。
あのライオンのやつも溺死してたし。

整合性とか礼儀作法とか、ちょっとでも気になったらテレビ局に電話してやろうかって思う積極的な僕だから、本気で冨樫に教えてあげようかと悩んだ時期があった。色々あって原作が連載再開して、第4王子(ツェードリヒ)の念能力がついに明かされていたのである。

時間を操る能力で、説明がとても長い。
漫☆画太郎なら一読で内容が理解できるけど、僕には難解すぎて、そのジャンプは百回以上ハンターハンター読み返したと思う。

時間を操る能力は作者によって制約がシンプルだったり、対価が重いっていうのが多いけど、ここまで細かく物語の制約に法って合理的な能力に仕上げたのはびっくりだった。びっくりドンキーだった。
そもそも強いのかよくわかんなかったし、もうなんかすごいって感じ?
そんなこんなで自分の乏しい想像力を恥じ、ますますやっぱ冨樫先生スゲーわ的なことを後輩(35)に布教しまくってた矢先だった。

いきなりの休載発表があった。


僕はまるで、人類が絶滅して永遠に更新されないホームページをリロードし続けるような、
氷の惑星に閉じ込められたのである。

あー、この合格発表ウソだわ!
そうじゃなきゃ世の中クソだわ!


そして、
二十年が経ち、住宅ローンの終わりが見え始めた。共働きだからこそ、繰り上げ返済も出来たし、一人っ子だが、大学にも進学させることが出来た。育児に家事にと、二人三脚でやって来た妻には、本当に感謝しかない。子供は高校を卒業し春から一人暮らしだ。

日本の人口減少も増加に転換し、すべての人にフィットした新しい経済と、AIを駆使した小さくともフットワークの軽い行政のお陰で、少しずつ日本は不安を解消され、未来が明るくなり始めた。
私は家族旅行で訪れた小樽のコンビニで、青天の霹靂を受ける。



HUNTER×HUNTER連載再開号 401話目

あぁそうか、今日は月曜日だったな。

そういう日が来るんじゃないか?
あると思います。天津木村

失礼

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