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5.魚星 流(うおぼしながれ)の人生「G先輩と流の元祖二人の正義のアウトローごっこ誕生物語」

A郵便局後、魚星 流は、G先輩と交流を続けていた。

二人は、その当時はよく、二重橋前駅近くにある楠木正成公の銅像がある公園で休日を謳歌していた。

ある日、G先輩は、ク〇ーズとワー〇トというマンガをたくさん持ってきて、流にこれらのマンガを読むように勧めてきた。

この2種類のマンガの主人公の一人は、弱者を助け強者を倒す男気溢れる正義のアウトローであり、残りの一人も、妊婦を助けてあげるという心優しい親切心溢れる正義のアウトローだった。なぜ、正義のアウトローかというと、二人ともアウトロー風のファッションをしているのだが、弱者を助けたり、親切にしてあげたりするという正義の行動があるので、この二人の主人公を正義のアウトローと流は言っていた。

G先輩は「流君!僕らもマンガの二人の主人公みたいに、正義のアウトローやろうよ!」
流「えーーー!僕らも正義のアウトローやるんですか!?」

流は正直、ガラの悪いファッションをするのには、気が引けたが、G先輩の熱意に押されて、ガラが悪いファッションをしながら電車などで老人・病人・妊婦さんなどの弱者に席を譲るという親切行動をとる「正義のアウトローごっこ」を開始し始めたのだった。

G先輩と流の元祖二人の正義のアウトローごっこの誕生だった・・・。

まずは、その二種類のマンガにでてくるキャラクター等のコスプレを二人ではじめてみた。さらに、流も調子に乗ってきて、背中に巨大な龍が刺繍されているブルーのスカジャンも着るようになった(現在は、それらのコスプレ服やスカジャンはネットオークション等で売り払ってしまったようだが・・・)そして、

ある日、銀座のユニク〇にG先輩と流は正義のアウトローの格好で行ってみた。
エレベーターにその二人は乗り込んだ。周りを見ると家族連ればかりだ。
流はエレベーターのボタンの前にいて、ある階に着いた時、開くボタンを押しながら、「はい、どうぞ~」とエレベーターガールならぬ、エレベーターボーイみたいな感じで降りたい人を外に出すように促した。

すると、エレベーターの中にいる人たちが丸々全員出て行ってしまった。外に出た人たちの中でこんな小声が聞こえた。

どこかの奥さん「なんで、ここで降りちゃうの?!私達、もっと上の階じゃない?!」

どこかの旦那さん「ああいう人たちの指示には従った方がいいんだ。少ししてからまた上に行けばいいよ」と・・・。

G先輩「あれ、皆でていっちゃったよ。流君が”はい、どうぞ~”というから、やはり、僕たちの正義のアウトローの格好で怖がらせちゃったかな?!」

流「やはり、このサングラスに、ガラの悪い服だから怖くなった可能性あるかもですね・・・でも、僕たちは何も悪い事はしてないから大丈夫ですよ」

G先輩「それにしても、やけに店員の警戒しているような視線が気になる気がするけど、気のせいかい?」

流「あぁ~・・・そりゃあ、僕ら目立ちますからね~」

そして、流はお目当ての、スカジャンの中に着るためのウルトラライトダウ〇を試着し、レジにその商品を持って行った。

しかし、レジ係の対応は、ほめ達的に「すごい!さすが!素晴らしい!」のだった・・・。きちんと笑顔で対応してくれたのも嬉しかったが、

流にお釣りを渡す時、落とさないようにきちんと手で覆うようにお釣りを渡してくれたので、このレジの店員は、人を見た目で判断しない人格的に素晴らしい人だな!っと流は感銘を受けた。

そして、またある日には、銀座の空〇に、G先輩と流は最中を買いに行ったが、そこは何度行っても予約しないとすぐ売り切れてしまうお店だった。

そこへ2~3度行ったものの、いずれも売り切れだったので、ちょっと流はイライラしてた事もあり(その二人が予約しないのが悪いのだが)、和風のドアが手動ではなく、自動だった事を忘れてしまい、強引に自動ドアを手で開けようとして、危うくドアを壊しそうだった・・・。

G先輩「流君、このドアは自動だよ」
流「すみません・・・危うく正義のアウトローから悪のアウトローに変身するところでしたね(汗)」

そんな事がありつつも、また、別のとある日には、電車で老人に席を譲り、さらに別のある日には、若い夫婦に席を譲り、G先輩も流も色々な人々にどんどん親切にしていった。

だが、ある日、G先輩がお腹の大きな女性をじーっと見て妊婦さんだと思って「席をどうぞ」と譲ったところ、「失礼ね!」と返ってきたので、おかしいなと思ってよく考えてみると、ただ太った女性だったようだとG先輩は言っていた。

それを聞いた流「G先輩、そういう時は、黙って立ち去ればいいんですよ。その方が、スマートじゃないですか?!」

G先輩「流君、他の人が座ってしまったらマズイから、やはり、声をかけたほうが良い気がするぞ?」

ただ、二人で正義のアウトローをしてわかったのは、正義のアウトローが混んだ電車内などで立った状態で乗っていると、周囲の半径50cm以内にスペースができ、誰も近寄らなくなるという事である。

人を見た目で判断してはいけないといっても、やはり、人を見た目で判断する人が多いのである(笑)

そして、流は、ある日、代々木上原駅あたりで、とあるサラリーマン風のスーツの男に、流の肩を軽く体当たりされたり、
別の日には、新宿駅では、電車で席が空いていたので、座ったところ、隣に座っていたまたとあるサラリーマン風のスーツの男に、肩でツンツン何度か体当たりされたりして、流が隣に座ってほしくないようなオーラ全開だった。結局、流は立たざるを得ず、怒りマックスでサングラスの奥からそのサラリーマン風のスーツの男に睨みをきかせ、心の中ではギタンギタンのクチョンクチョンにその男をぶん殴ってしまったイメージがあったが、正義のアウトローは決して暴力をふるわないのである。
「暴力をふるったら、負けだ。力を使うのは正当防衛の時ぐらい」
という信念が流にはあったからだ。
流は何を思ったのか、流は次の駅で降りた後、別の電車に乗り換えて、怒りを消化するように必死で努めたのだった・・・。

やはり、ガラが悪い(アウトローファッション)だから、悪事をしていると思い込み、スーツの男たちは自分に近寄らせたくないのだろう。人間の固定観念や偏見の凄まじさを思い知ったのであった。

何度も言うが、人を見た目で判断してはいけないといっても、やはり、頭の悪い人たちもいる世の中では、人を見た目で判断するのである(笑)

結局、流はある時期になって

流「G先輩、正義のアウトローの"ファッション"はリーマンとかに絡まれるからあの"ファッション"はやめたほうがいいですよ」
と言ったところ、

G先輩「流君、君はどうやって歩いているのかい?!その格好で、ま、まさか、まっすぐ歩いてないだろうね?!その正義のアウトローなら、よたったように歩かないとダメだよ」

流「G先輩だって、よたった歩き方してないのに、なんで僕だけよたらないといけないんですか?」

G先輩「流君、君はガラの悪い格好しても、歩き方が真面目に見えてしまうんだよ。それで変な感じに見られて絡まれちゃうんじゃないのかい?!」

流「えーー、そうなんですか?!そんな~~(汗)じゃあ、僕は今後は普通の格好をして親切をしますよ。堅気のホネストになりますよ(笑)」

G先輩「じゃ、じゃあ、あのマンガのコスプレで着なくなったTシャツ、100円で売ってもらえないかい?!」

流「いいですよ。G先輩は、あのマンガのコスプレが好きなんですね~」

その後、G先輩は、G先輩の信念があるのか、あのマンガのコスプレを時々する時もあれば、普通の格好をする時もあるのだが、流は、いつも堅気のホネスト的な普通のファッションの格好で人生を歩むのであった・・・。

・・・(つづく)か(完)か不明(笑)

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