第6節 ヴァンフォーレ甲府戦 レビュー
「負けなくてよかった」という表現よりかは「勝ち点2を落とした」という表現の方がいいのかなと思いました。
試合終了直後は「負けなくてよかった」という心情でしたが、よくよく考えるとこのような展開があってはならないなと。
例年の順位を見れば勝たなくてはならない相手ですし、失点したのがロスタイム。
集中力を切らしてはいけない時間に切らしました。
ほんの一瞬の隙に入れられてしまったゴールでした。
90分間、全く崩れなかった守備でしたし、崩された場面があったとしてもしっかりとピンチを防いでいました。
あのゴールは完全に崩されたといっても過言ではありません。
さて、今回は3つに分けていきます。
〈目次〉
1.ロスタイムで一気に動いた試合。昨季見たことのあるような展開の中で仕留められなかった力量の足りなさ。
2.スーとでてきて難なくプレーする新井章太。どんな時もしっかり準備しているからこそ新井章太がチームにもたらす物とは?
3.「個」で躍動したハイネル。「チーム」で活躍するために必要なこととは?
以上の3つです!
それでは!
1.ロスタイムで一気に動いた試合。昨季見たことのあるような展開の中で仕留められなかった力量の足りなさ。
前節と違い、試合を通してかなり良いサッカーをしていました。
全員が前に前に。という意思統一が出来ていましたし、クオリティーも高水準でした。
失点シーン。
この試合であんな簡単に崩されたのはあのシーンだけです。
甲府としてはワンチャンスを物にしたというイメージですね。
おそらく、谷口選手が左に寄りすぎたのが原因なのかなと思います。
攻撃の展開上、谷口選手はドゥドゥ選手にプレッシャーをかけにいかないと人数が足りなくなってしまいますが、サンドして奪うのかそれとも距離を詰めていきながら奪うのか。
サンドの意識はあったものの、うまくサンドできずドゥドゥ選手の個人技にやられてしまいました。
結果的に試合を有利に進めてきたフロンターレが先制されるという展開になりました。
しかし、中村選手は手を叩いて「まだある」とチームを鼓舞していました。
2分後、奈良選手がドンピシャでヘディングシュートを叩き込み同点にしました。
昨季のホーム横浜Fマリノス戦。
10分という長いロスタイムが取られ、フロンターレは2ー0とリードしていましたが、そのロスタイムで2点を返されてしまい同点にされてしまいました。
ですが、ラストワンプレーで小林選手がヘディングを突き刺しまさに″等々力劇場″といえる試合でした。
そんなこともあり、奈良選手のゴールで追いついた時は、「ロスタイムは7分。追いつけるのではないか。」と思っていました。
ただ、攻撃陣にはそのパワーと技術が最後まで残っていなかったのが事実です。
まず、ロスタイムにこの展開はやってはならないというところと、前後半に数多くあったチャンスで仕留められなかった。
この2つはこの試合で挙げられる反省点だと思います。
負けなかったことをポジティブにとらえるというのは良いことだと思いますが、落としてはならない試合だったことは事実ですし、するする勝ち点2を落としてしまいました。
2.スーとでてきて難なくプレーする新井章太。どんな時もしっかり準備しているからこそ新井章太がチームにもたらす物とは?
今季もリーグ戦での出番は昨季と似たようなシーンでした。
昨季、吹田スタジアムで行われたG大阪戦では接触によって鄭成龍選手が脳震盪を発症したため急遽、新井選手が出場しました。
今節も鄭成龍選手が負傷したことによって新井選手に出番が回ってきました。
2つに共通するところは【アクシデントでの出番】というところです。
ゴールキーパーはフィールドプレイヤーと違い、急遽出場することがほとんどです。
急遽出場しても一切焦らず試合に入れるのは新井選手ならではの武器の1つだと思います。
実際、コーナーキック時にはディフェンスの選手を呼び積極的に指示をしていましたし、身振り素振りで味方を鼓舞していました。
麻生グランドに見学に行くと新井選手の声がいつも一番聞こえます。
日頃の練習から声を出してコミュニケーションをとっているからこそ、急に試合に入っても安定してプレーが出来るのかなと思います。
後ろからの声かけというのは守備をする上でとても重要なことですし、ピンチの芽を事前に摘み取ることができます。
やはり、鄭成龍選手と新井選手ではそこの部分での差が多少は影響するはずです。
大きな声で指示をし続けられるのは新井選手の武器の1つですし、年々プレーのクオリティーが上がっているのも見て取ることができます。
鄭成龍選手が離脱となっても頼もしいキーパーが控えています。
3.「個」で躍動したハイネル。「チーム」で活躍するために必要なこととは?
この試合でのハイネル選手は前よりもチームにハマっていたのかなと思います。
理由として、ワンツーなどの連携プレーが増えていましたし、今までは自分でフィニッシュまで行ってた部分でもしっかりラストパスを出したりするなど″貢献度″がとてもあがりました。
連携プレーが増えることでハイネル選手は相手にとってもっともっと脅威になりますし、欠かせないパーツになれるはずです。
プレーを見ている限りレナト選手とは全く違うスタイルですよね。
レナト選手はドリブルで抜いて、打てるところだったら必ずと言っていいほど自分でシュートまで持ち込んでました。
ラストパスができるハイネル選手は得点を生み出せますし、武器であるドリブルでも相手を切り裂けます。
前半16分や40分のシーンなどもとても迫力がありました。
後半ロスタイムに放ったシュートは惜しくもキーパーに止められてしまいましたが、今後に繋がるシュートだったと思います。
そんなハイネル選手ですが、1つだけハイネル選手ならではの特徴があります。
それはボールを奪い返す能力です。
仮にドリブルで自分がボールを取られてもすぐにプレスをかけてボールを奪い取る。
ここができるからこそ合わない部分が多少あったとしても起用されているのかなと思います。
レナト二世ではなく、新しいハイネルという名を等々力にJリーグに響き渡らせてほしいと思います。
(RYUJI ICHIYA)
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