第7節 コンサドーレ札幌戦レビュー
崩せているのに入らない。
甲府戦から続いているこの状況。
今日の試合も何度も崩せていましたが、最後のところの精度が今一つでした。
結果的に奪えたゴールはPKの一点のみ。
超攻撃型というスタイルからはかけ離れていますし、「怪我人が」という言い訳はできません。
風間監督が築き上げた物が少し変わり始めているのかもしれません。
さて、今回は3つに分けていきます。
目次>
1.『ボランチのところから前にボールを入れても、こうして、こうしてこう、という絵が少ない。』。中村憲剛が指摘した前線の深刻なアイデア不足とは?そして選手全員が描かなければならない”絵”とは?
2.気を付けていたはずの”高さ”。そして一瞬の隙を仕留められてしまった守備。
3.ハイネル・登里享平・長谷川達也。この3人のドリブラーを生かさなければならない理由。
以上の3つです!
それでは!
1.『ボランチのところから前にボールを入れても、こうして、こうしてこう、という絵が少ない。』。中村憲剛が指摘した前線の深刻なアイデア不足とは?そして選手全員が描かなければならない”絵”とは?
『絵が少ない。』
中村選手が挙げたこの意見。
確かに、エリア内に入った時の崩し方はいつもよりも種類は多くなく、単純な崩し方が多かった印象があります。
フロンターレはエリア付近で回して回してを繰り返し、その中で生まれたスペースにパスを通すというやり方がベーシックなやり方です。
札幌戦は縦パスの意識はありましたが、そういう部分の積極性は欠けたかなと思います。
ただ、今回はそれに加えて縦に入れた後のアイデアも少なかったです。
例えば、縦に入れた後にサイドにボールが流れたシーンがあります。
こういうシーンは試合を通して数多く見られます。
ここでクロスがすぐに打てなかったというところやクロスを打てないで終わるなどが得点を遠退く要因になってしまっていると思います。
グラウンダーでも普通のクロスでもなにかしら中にボールを放り込むことでなにかが起きるかもしれません。
僕の勝手な見解ですが、中村選手の言う″絵″というのは崩し方のことを言っていると思います。
『もっとペナルティエリアのど真ん中から攻めたい。』と中村選手が言うように怖がらずに真ん中、真ん中と集中して攻めて行けば相手は中を閉めてきます。
そしたら『外からいけばいい。』というように外のスペースが大きく空きます。
これによって、先ほどの話に戻りますがクロスに結びつきます。
いかに精度を上げられるかが鍵になりますし、そこの部分でレベルが上がればチームも上がってきます。
中村選手の″絵″はかつて大久保選手がずっと言い続けていたことにも似ているかもしれません。
前に当ててから展開する。
この作業がスイッチになりますし、チームのベクトルを一気に前に向かせます。
中村選手が抜け出してPKを得たシーンのことを本人はこう言っていました。
『向こうの守備の形で、あそこが開くのはわかっていた。そこにパスを通せるかどうかだし、そこに走ってくれるかどうか。』
『あとはそこに出してくれるかどうか。そういうのを全員でやらないと崩れない。』
連携の部分もそうですし、全員が同じ″絵″を持って試合に臨まなければこの状況からは抜け出せません。
総力戦、総力戦と何回も言っていてもなにも変わらないですし、今いるメンバーで出来ることを少しずつやるしかありません。
2.気を付けていたはずの”高さ”。そして一瞬の隙を仕留められてしまった守備。
PKでやっとの想いで先制点を奪ったのにも関わらず、失点の仕方はあっけなかったです。
田坂選手が残したボールをそのまま拾われてしまい中にいた都倉選手に打点の高いヘディングを浴びせられました。
ですが、あのヘディングに関しては鬼木監督も『得点のところは彼の方が強かったというところですね。』とお手上げでした。
では、あの失点の時に守備陣に足りなかったのは何だったのか。
得点シーンを止めて見て見ましたが、特にこれが足りないというのありません。
中にはしっかり枚数が敷いてありましたし、車屋選手も競りにいってました。
わかっていても止められない相手のストロングポイントが優位に立ったのかなと思います。
唯一、これだけは防げるミスなのかなと思うのは田坂選手のクリアの部分だと思います。
ここで甘さを出してしまったのが相手にクロスのチャンスを簡単に与えてしまいました。
それまでフロンターレはセットプレーやクロスなどもしっかりと跳ね返していましたし、ゲームの支配もできていました。
クロスを打たせない守備の仕方は今後の課題かもしれません。
奈良選手も『あの1本に泣いた感じはする。』と言っていた通り、ほんの一瞬に与えた隙が全てだったと思います。
90分という長い時間の中でどれだけ集中力を切らさないでできるか。
そして、守備なら耐久力。攻撃なら継続力。
と色々な課題はあると思います。
まだまだ先は長いです。
3.ハイネル・登里享平・長谷川達也。この3人のドリブラーを生かさなければならない理由。
この試合で出場したドリブラーと呼べる選手はハイネル選手•登里選手•長谷川選手に加え、途中出場した三好選手の4人です。
パスサッカーにおいて″ドリブル″は1つのアクセントですし、無ければ攻撃の厚みは増しません。
少し前の話ですが、フロンターレにはレナト選手が居ました。
彼は1人でドリブルして、1人でフィニッシュまで持ち込むタイプの選手でした。
時にはクロスもしてアシストをしたりしていましたが、基本的には″自分で決めにいく″タイプの選手でした。
それとは真逆のタイプの選手たちが先ほどの挙げた選手たちです。
彼らもチャンスがあれば狙いに行きますが、サイドに配置された時には積極的にドリブルを仕掛けにいきます。
長谷川選手に関してはここ最近、真ん中での起用が多いですが、カウンター時などにドリブルの技術は必要になってきます。
ただ、彼らには足りない部分があります。
1の内容と重なりますが、PKのシーンの部分に関して中村選手は次のように話していました。
『ノボリ(登里享平)、タツヤ(長谷川竜也)とかもっと狙ってくれないと。』
と、ラストパスに関しての積極性の少なさを言っていました。
ドリブルで相手を動かし、スペースを作らせてそこにパスを通す形は簡単ではありませんが、【スペースを作らせる】作業は比較的簡単にできます。
漠然とドリブルをするのではなく、チャンスを作るドリブルを積極的にできれば、パスを出されるようになってきます。
″組み立て″のドリブルにも力を入れていってほしいところです。
(RYUJI ICHIYA)
今回のレビューから川崎フロンターレ公式サイトに掲載されている選手インタビューを元に作成することにしました。
理由としては選手の声から文章を書くことができるからです。
プロのライターではないので試合後のインタビューはできませんし、選手の声を形にするのはこれしかないかなと思っています。
今後もよろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?