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下痢と便秘をくり返す話

私はもともと胃腸が弱いです。
子供のころはよく胃腸炎になったり、通学中にもよおして下痢になったりすることがよくありました。
とくに下痢の頻度が多かった、いや今も多いです。

ところで最近は自宅にいるときは料理を作ることが多くなりました。
子供が小さいのでまだ決まったレストランにしかいけません。
なので食べたいものがあれば、自分でレシピを調べて作ってみるのです。

昨日は和風パスタを作ってみました。
冷蔵庫の中にしめじとにんにくがあったので、それらをもとに作ってみました。

にんにくの中にはアリシンという物質が含まれています。
アリシンには滋養強壮の効果があります。
ですがアリシンの摂りすぎは注意です。
にんにくをたくさん食べてしまうと、アリシンによって下痢になってしまうからです。
これはアリシンの殺菌作用によるもので、腸内細菌までやっつけてしまうため下痢になるのです。

アリシンを摂りすぎると下痢になることは知っていたので、私はにんにくを使う料理を作る時は加熱をしっかり行います。
加熱することでアリシンが分解されやすくなります。
加熱があまいとアリシンが分解されず、下痢になってしまいます。
ただ加熱しすぎるとにんにくの香りも損なわれる可能性があるので、適度に加熱します。

ここまで知っていたにも関わらず、昨日は夜中にお腹を下してしまいました。
原因は私の作った和風パスタだとだいたい予想がつきます。
なぜか家族は下痢にはなりませんでしたが、まぁおそらく私のお腹が弱いのでしょう。

ともかく冷蔵庫にあるヨーグルトを食べて薬を飲むことに。
しかし市販の薬はあまり即効性がないので、一晩は苦しむことに。
夜中の3時ごろまでお腹がキリキリと痛み、せっかくの日曜日なので寝不足となりました。

最近、仕事では消化器内科にも行くことが多いのです。
その時に処方される薬が家にあれば私としては安心。
そういえばセレキノン®という薬は下痢にはどうなんだろうと考えます。

セレキノン®(トリメブチン)は過敏性腸症候群(以下IBS)の治療に用いられる薬です。
下痢や便秘をくり返す症状だそうです。
なのでトリメブチンは私にとってうってつけの薬かもしれません。

トリメブチンの構造
セレキノン®錠100mgIFより抜粋

トリメブチンの作用機序としては消化管内のオピオイドμ受容体に作用することで消化管運動を調整する作用があると考えられています。
高用量のトリメブチンで消化管運動を抑制し、下痢を改善。
低用量のトリメブチンで消化管運動を亢進し、便秘を改善するという具合です。

なのでIBSに使用する場合は容量が300mg~600mgまでと幅が広いみたいです。
下痢には高用量で、便秘には低用量という感じでしょうか。
不思議な薬ですね。

ちなみにトリメブチンの構造を見ていくとモルヒネと同じような構造が見えてきます。
フェナントレン骨格をもつモルヒネですが、トリメブチンはもちません。
モルヒネの主骨格を切って簡単にしたのがトリメブチンのようです。
なのでオピオイドμ受容体に作用するのですね。
たしかにモルヒネを服用すると便秘になるというのは有名な話しです。

トリメブチンですが市販薬でも買うことができるようですね。
医療用医薬品と同じ名前でセレキノン®で販売されているようです。
私も下痢や便秘をくり返すので試してみてもいいのかも。

ちなみにアリシンの殺菌作用により、腸内細菌の減少による下痢には効果がないと思います。
原因が違いますから。
アリシンによる下痢には善玉菌が増やす乳酸菌製剤が効果的かもしれません。



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