WSOPメインのバブルが特別扱いされる本当の理由

自分が初心者の頃からこんな会話が繰り返されている。
太郎「トーナメントであと何人か飛べばITMの時にAAでカバーされていてもオールインにコールする？」
花子「え〜AAは降りられないよ〜KKでも降りないし」
太郎「じゃあ、WSOPメインのhand for handだったら？」
花子「スタックにも寄るけど降りちゃうかも、実際に降りた人もいるって聞いたことあるし。やっぱりメインは特別だもん。」

こんな会話は世界中でされてきたであろうし今後もされていくものだと思う。自分はWSOPに出たこともないし出る予定もないのでこの記事は机上の空論であり現実に表示されている数字を拾うことしかできない。
もしかしたら現場で空気を感じたら本当に特別なものなのかもしれない。

今回の記事では初心者の方でもわかりやすいように小難しい言葉や計算はしない。なんとなくふんわりと理解してもらえればいいと思う。

ICMとは？

細かい計算式や数値が知りたい方は調べてみてください。
ざっくりと説明すると
今持っているチップがいくらの価値があるのか？
どれくらいの順位を期待していいのか？
を数学的に計算したものです。

優勝以外の順位にも価値があることがトーナメントというゲームを面白くしています。順位に応じて賞金が分配されます。

hand for hand

トーナメントではインマネが近くなり後一人飛んだらインマネの時に全テーブルの進行を合わせます。Final Table前のプライズアップが大きいタイミングでも行われる場合があります。
ハンドをゆっくりやって誰か飛ぶのを待った方が得で誰もアクションをしなくなることを防ぎ公平なゲームを進行するのが目的です。

あと一人でインマネが決まります。
あなたはジャリみたいなスタックを持っています。他にもショートがいるので降りていれば高い確率でインマネはできそうです。

残り15人、残り100人、残り1300人で考えてみましょう。

残り15人なら飛んでノーマネーでフィニッシュのリスクに見合うくらいチップが増えれば優勝や上位進出の可能性が増えますよね。
優勝確率も数％から十数％にアップします。

残り100人くらいになると優勝はまだまだ見えませんよね。そこそこの上位は期待できるけどリスクを負ってまでチップを増やす価値は薄いですよね。
薄いとは言ってもアベレージスタックを持っていれば優勝確率が1％から2％に増える。上位進出確率も目に見えてアップする。

残り1300人だったら？10bbでインマネしても20bbでインマネしても期待できる賞金に大きな差はないですよね。

2021年のWSOPメインで言えば8663人が参加して
（コールドバブルは来年のメインが貰えるとかあるらしい）

1299位　$15,000
1080位　$17,000
850位　$19,000
690位　$21,000
（プライズ表がなかったので日本人の方のインマネ成績から数字を拾っているので少し違うかもしれない）

飛んだらノーマネーでフィニッシュ
降りていれば高確率で$15,000が保証される。
ダブルアップしたところでどこまで生き残れるかはわからないけど半分まで残っても倍にもならない。
優勝する確率は2倍になるけど0.0数％が0.0数％になるだけ
ショートでダブルアップをしたら期待できる順位は100人単位で変わるだろけど100人変わったところで大きな賞金アップはしない。

最初のような会話は恐らくどこかで「WSOPメインのような例外的に人数が多いトーナメントの場合はバブルでAAを降りた方が得になる」という説明が
「WSOPメインのような特別のトーナメントの場合はバブルでAAを降りることもある」って伝わっているのでしょうね。勝手な推測ですがw

トーナメントは順位に応じて賞金が得られるゲームでそれを上手に取っていく人が勝つようにできています。だからといってITMに拘り過ぎるとITM率が高いけどROIが伸びないマイナスになるのは意味がないのでバランスは大事です。
バランス感覚を研ぎ澄ますには座学しかないのでしょうが日本語ではまともな教材がないんですよね。。
トーナメントの実力差が出やすい場所ってやっぱりバブルなんですよね。