EV(期待値)

期待値というと難しく感じるかもしれないが簡単に言ってみれば「一回辺りいくら期待していいのか？」という事であり期待値の定義を知らない人でも無意識に考えて行動している。

賭け事に限った話ではない実生活でも無意識のうちに期待値に期待して行動をしている。
朝起きて会社に行くというリスクを払って給料日にほぼ100％給料が貰える。
勤める事で将来の昇給や有利な転職・起業も期待できる。
リスクとリターンが合わなかったら出社なんてしない。転職する。
その正常な判断力を奪うのがブラック企業。酷使されて考える余裕を与えない。

遊びに行っても出費や労力に見合った楽しさが期待できるから参加する。
楽しさ＜交通費だったらいかないよね。

EVの説明は書いてて前にも書いたなって思ったので古い記事を掘り起こしてきた。世の中に説明が溢れているので適当に調べてね。

ポーカーにおけるEV

単純にどのくらい期待していいのか？過度な期待をするからオーバープレイになるし悲しみが大きくなる。

UTGでAAを貰っても計算上の期待値は9.323bbである。100bb取れることもあるし、1.5bbのスチールもある。当然負けて全部取られる事もある。
ポストフロップで降ろされる事だってある。
これを毎回100bb取ろうとするからオーバープレイになる気がする。
これは計算上の数値だから実際にはもう少し高いと思う。
自分のAAの期待値を知りたければハンド履歴からAAだけ絞って一回あたりいくら稼いでいるかを見ればいい。AKとか他のハンドを調べても面白いと思う。それが一回あたり期待できる利益である。

COのオープンにBTNがColdcallをしたところにSBで54sを持っている。
降りても‐0.5bbである。12.5bbのスクーズしても-0.0083bb実質ゼロである。
これはこのレンジでスクイーズを打った場合の期待値である。毎回やったらだめだけど時々はやっても許される。
54sや65sが選ばれるのは相手の降りるところをブロックしていないから降ろせる頻度が少し高い。コールされた時にプレイもしやすくEVもそれなりにある。4betされても未練が小さい。

スクイーズ成功してプリフロップでポットを取れる確率x得られるポット
callされてポストフロップを戦って得られるポット×それが起きる確率
得られるポットにはマイナスで吐き出す場合もある。
4betにおろされて失うチップxそれが起きる確率
これらの和が期待値であり計算上はほぼゼロである。

相手が降り過ぎてくれたらプラスになったりもする。
callしてミスしてくれやすいならプラスになることもある。
ポストフロップでミスをしやすいならマイナスになる。
期待値の中身がどのようになっているのか理解することで相手に合わせて戦略を変える事が出来る。

計算上は53sよりATo,QJoの方がEVのマイナスは大きい。
それらのハンドでスクイズするのは53sより大きなミスになる。
簡単に説明すると「降りる所をブロックしている。コールされてもドミネイトされている場合も多くヒットしたところでEVが高くもない。」といった感じだろうか。

一般的に降り過ぎる相手には広く攻める事ができる。
降りな過ぎの相手には狭く攻める事になる。狭い部分のEVが上がっているのでレンジ全体のEVが損なわれている訳ではない。

↓これはそういう相手がいるというだけで常に正しいわけではない。
相手によってエクスプロイトする考え方の一例である。

では広く3betしてくる相手にはどうしたらいいのか？
これは間違えている人が多い。3betを広くしているって弱い部分が広がっているだけで強い部分のcombosは同じである。強い部分を広げる事は出来ない。
降ろせる頻度が高いのだから高頻度で4betを返してあげればいい。
相手の3betが多いので広くコールする派閥の人を見かけるけどこれって相手の思う壺じゃないかなぁ。さらにポストフロップに重大なリークが必要そう。
もちろん相手も人間で考えてくるのでやり過ぎたら3betレンジを狭くするとか5betを増やすとか対応してくると思うのでやり過ぎ注意。

狭い3betに対しては？
計算上は狭ーくコールしてせまーーーく4betになる。
でも3betが狭いプレイヤーってプリフロップで強いハンドをオーバープレイする傾向もあるので一概には言えないが広くコールして慎重にポストフロップをすればEVがプラスになる事もある。これは相手次第だが。
どんなプレイヤーが3betレンジを狭すぎに間違えるのか？
プリフロップだけ間違えているけどポストフロップが完璧な人なんて多分いない。プリフロップの方が簡単に修正できるからね。

ポストフロップでも同じように考えられる。

BTNvsBBの2betpot。フロップQ74rで44のEVは17.8bbである。
potに7.315bbあるのでここから期待していいのは+10bbくらいである。
時々全部取れるし、稀に全部持っていかれる。
チェックレイズして降ろしちゃうからってチェックコールを選択する人は相手のお手伝いを期待して毎回全部取ろうとする。結果的にはEVを実現できない事が多い。
別にすべてを覚える必要はないと思うし無理だ。せっかく計算したのならチラッと見ておいてを積み重ねれば知識が増えて財産になる。
全く見ないのと少し見るのとでは大きな違いである。

期待値EVについて文章で説明するのは大変だしわかりにくい。
書いている人の理解が浅いという問題もある。
期待値の高いプレイをするには期待値を理解する必要がある。
期待値を把握しておけばオーバープレイをする事も減ると思う。
ここで難しいのはハンド単体のEVでなくレンジ全体、つまりプレイ全体のEVを考える必要がある。

EV=Σ(利益・損失)×(それが起こる頻度)
相手によってそれが起こる頻度が違えばエクスプロイトできます。
EVの中身を考えて観察していたら何か発見があるかもしれません。
なんとなく相手がこうだからこうしようを分解して考えてみましょう。

以上。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

宣伝

計算したEVも確認できるプリフロップsolutionを販売しています。$150
お問い合わせください。レンジをソルバーにコピペすることもできます。