量子関係の補正予算案をざっくりまとめてみた

令和4年度の政府補正予算案(第2号)の資料が公表されているので、各府省の公表資料で「量子」というキーワードで引っかかったものをまとめてみました。

キーワードで拾ってきただけで、中身がどれだけ量子に関わりがあるかまでは分かりませんので、その点、ご了承ください。

また、画像は各省のウェブページをスクショで貼っているだけなので画質が悪いです。
きれいな資料を見たい方は直接ウェブページを見ていただくことをおすすめします。

経済産業省

経産省全体の補正予算案はこちらのページに載っています。
このうち、PR資料内で検索をかけました。

グリーンイノベーション基金事業

PR資料 P.43より

例のGI基金の積み増しですね。「量子コンピュータ等の先端技術を活用」とあるので、実機(ハードウェア)そのものの開発ではなく、利用側の観点での何らかの予算かと思います。

量子・AI・バイオ融合技術ビジネス開発グローバル拠点の創設等

PR資料 P.56より

これは今年4月に策定した「量子未来社会ビジョン」の産総研拠点の強化(グローバル産業支援拠点を形成)を踏まえたものですね。

上記2つのほかに経済安全保障重要技術育成プログラムもありましたが、これは後述いたします。

文部科学省

文科省全体の補正予算案はこちらのページに載っています。
このうち、事業別資料集内で検索をかけました。

文科省はヒット数が多かったため、単なる施設設備費等は適当に間引いています。

光・量子、材料等の先端技術を支える基盤整備の加速

事業別資料集 P.21より

JST「未来社会創造事業」のうち光格子時計のプロジェクト(研究開発代表者:東大・香取先生)での設備整備費が措置されたようです。

量子機能創製拠点の基盤強化のための施設・設備整備

事業別資料集 P.23より

これも産総研と同様、「量子未来社会ビジョン」を踏まえたものです。「量子機能創製拠点」をQST高崎研に設置しましたので、その機能強化のための予算です。

Transformative Research Innovation Platform of RIKEN platforms(TRIP)

事業別資料集 P.25より

理化学研究所の新理事長が打ち出している「TRIP」構想実現のための設備整備等ですね。「量子古典ハイブリッドコンピューティング」の早期実現を謳っています。

総務省

総務省全体の補正予算案はこちらに載っています。
総務省はポンチ絵ではなく文字だけのシンプルな公表資料です。

グローバル量子暗号通信網構築のための研究開発

公表資料 P.2より(画像下部)

画像下部にあります。Beyond 5Gの額が大きくて霞みますが、量子もまあまあ大きい額ついてますね。

経済産業省・文部科学省

経済安全保障重要技術育成プログラム(Kプログラム)は、内閣府か全体総括ですが、執行は両省の所管する資金配分機関が担います。

このため、両省の補正予算案の資料にそれぞれ登場しています。

経済安全保障重要技術育成プログラム

経産省PR資料はP.55より
文科省事業別資料集 P.47より

Kプログラムの基金の2500億円積み増しです。量子だけに限るものではありませんので、全額量子関係予算というわけではないです。

おわりに

各省の補正予算案をざっくりまとめてみました。昨年も量子関係は巨額の補正予算を獲得しましたが、今年もかなりの金額になっていそうです。

「量子未来社会ビジョン」を踏まえた取組がこれからどんどん活性化しそうな雰囲気です。

なお、以上の補正予算案は国会で審議中であり、決定事項ではありません。国会で承認されてはじめて政府として執行可能な状態になりますのでご留意ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?