「先生の机には引き出しがない」第2話
※目安:約4300文字
第二話 初日 いよいよ今日が初勤務日。これからのことも詰めたりするし、引継ぎや説明もあるから夕方よりも昼間がいいねということになった。それで土曜日の今日、十二時半に新宿駅で余丁さんと待ち合わせだ。
朝は曇っていたのにどんどん天気が良くなって、てっぺんに昇ったばかりの太陽が二月とは思えないほどの熱を送ってくる。地上からも地下からもいろんな音や気配、景色などの情報が、次々と畳みかけるようにして僕の感覚を刺激し続けている。高い建物がそこだけ切り抜かれ