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テンポ・ルバートについて
演奏でよくルバートをやるのですが、これについて結構前から思ってる事があります。
「ルバートは自由なテンポなので、思うようにやれば良い」
とか
「シンガーの呼吸に合わせて、次のタイミングを出す」
とか色々と考える方も多いと思います。
でも果たしてルバートは自由なテンポでしょうか?
僕は根本が違うと思います。
そもそも「テンポ・ルバート」は「盗まれた時間」という意味で、本来そこにある音符の音価を奪って他の所に移動させるという意味で、テンポは変わらないそうで、それが現在では変化して柔軟なテンポで演奏するという意味になっているそうです。
色々なミュージシャンのルバート演奏を聞きますが、一定のパルスやテンポは定まらないけど、ある種のリズムの動きは感じます。
1人でルバートをやるときも、何らかのリズムを感じていますし、シンガーや管楽器とのデュオでのルバートも僕はリズムを感じます。
1人の時は何の問題もないのですが、デュオの時困るのは、ルバートのリズムを感じていない人と演奏すると合わせに行かないといけないという事。体の動きなどを見て次のタイミングに行くか、ステイするか判断をしますが、リズムを感じている人との演奏はその人を見なくてもタイミングは合います。というより「合わせないといけない」という事がなくなります。
要は、音楽を聴いていれば分かる!
度々僕が言っているメロディとハーモニーの引力や重力がリズムを生み出しているという事です。
人の動きに合わせるのではなく、音楽の動きに合わせる。
クラシック音楽はそれを自然にやっているんです。
ジャズは一定のパルスで動いていてその中で演奏をしますが、クラシックはメロディやハーモニーによってタメたり早くなったり空間が伸び縮みします。
恐らくクラシックのミュージシャンの方がルバートに関しては理解が早いのではないでしょうか?
「ルバート=自由な動きができる」
ではないです。
メロディの流れやハーモニーの響きの引力や重力によってプレイヤーの「気持ちが動く」
これじゃないでしょうか??
音楽的なものが先にあってテンポが動くんだと思います。恣意的であってはいけないと思います。
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