scp紹介第17回scp-1283-jp

皆さんこんにちは
リョータ研究員です。

Twitterで怖いscpが見れないので解説が欲しいとのありがたいリクエストを頂いたので今日から解説していきます。

ただ、怖いのばっかだとあれなのでストーリーが熱いものと交互にやろうかな。

さて、今回はこちら

scp-1283-jp【踏切の向こう】

このscpは東京都八王子市にあるとある踏切である。
見た目は至って普通なのだが、とある手順を踏むことで異常性が表れる。
この手順がちょっとめんどくさいのだが、説明しよう。
前提としてこの踏切から南西に下る方面をα方面・逆の北東に上る方面をβ方面と覚えておいて欲しい。

①過去に親しい人との死別を経験している人がこの区域に通路のα方面から進入する。

②このscpの半径200メートル以内に①で進入した人以外の人がいないこと

③日本時間のAM2:00ちょうどからこのscpの前で20秒以上目を閉じながら、①の故人を強く思い浮かべること。

これを全て満たせば遮断機が降り、電車が来る音が聞こえてくる。
この間も目を閉じていなければならず、途中で目を開けたり映像を撮ろうとすると失敗する。

さて、無事に電車が通過した音を聞き終えて目を開けると…

遮断機の向こうに思い浮かべた故人がいるのである

そう、このscpは死者と再会ができるオブジェクトなのだ。

異常性が発揮されている間はこのscpの半径100メートル以内に進入が不可能になる。
また、異常性を発現させた本人も遮断機を超えて触ろうとしたり、遠距離から攻撃しようとしてもできない。

さて、出現した故人(scp-1283-Aと呼ぶがここでは以下故人とする)だが生前心身ともに安定した状態で出てくる。

さらには自分が死んでいることをわかった上でコミュニケーションをとる事ができるのだ。

その後おおよそ20分程経つと、白い服を着た4歳児くらいと見られる幼児が出てくる。(scp-1823-Bと呼ぶがここでは以下天使とする)

そして、この幼児もとい天使は笑顔で故人を通路の奥へ連れていこうとするのだ。

これに対し故人は別れを惜しむように抵抗するが、最終的には一緒に通路の奥に消えてしまう。

そして遮断機が上がり一連の異常性は収まるのだ。

その後同じ人が同じことをしても異常性は出てこない。
たった1度きりの再開なのだ。

ちなみになんで見つけられたかというと死者と会える踏切として都市伝説になっていたそうな。

都市伝説からでもscpを見つけられる優秀な財団

収容方法としては、この辺りは私有地ということにして人が立ち入らないようにしている。
監視の職員もつけているので、万が一異常性が出そうになっても、半径200メートル以内に入ることで防ぐことができる。

さて、この故人との再開には最初の記録人物の記録ともちろん財団の実験記録がある。

記録1283-JP-1 - 日付20██/██/██

進入者: 10代男性
出現したSCP-1283-JP-A実体: 進入者の元交際相手
記録:この男性は数ヶ月前に事故で恋人を無くしてしまった。故人を天使に呼び戻されるまで最後の別れを口にすることができたと言い、この現象に感謝を述べていた。

この記録が財団が最初に確認した収容以前の記録である。
なんで男性がここに来たかというと、噂を聞きつけてやってきたらしい。
噂の出処は分かってない。

ここからは財団の実験記録である。

実験記録1283-JP-3 - 日付20██/██/██

進入者: 20代男性
出現した1283-JP-A実体: 10歳前後の男児
記録: 男性は故人を病死した弟と証言。問題なくコミュニケーションが行われた。
その後天使が出現し、24分32秒時点で消失。

実験記録1283-JP-4 - 日付20██/██/██

進入者: 30代女性
出現したSCP-1283-JP-A実体: 推定60代前後の男性
記録: 女性は故人を数年前に死去した実父と証言。コミュニケーションの結果、故人の記憶している情報が正しいことが証明された。
なお、故人は女性の近況や健康などを問い、その息災を願う言動をしていた。
その後天使とともに23分50秒時点で消失。

実験記録1283-JP-7 - 日付20██/██/██

進入者: 90代女性
出現した1283-JP-A実体: 旧国民服を着用した推定20代前後の若年男性
記録: 女性は故人を戦没した配偶者と証言。
死後の知識を持たないことが確認された。
故人は女性に対し早世を詫び愛情と再度の別れを告げて、天使とともに去った。
21分58秒時点で消失。

実験記録1283-JP-10 - 日付20██/██/██

進入者: 40代男性、財団勤務職員
出現した1283-JP-A実体: 60代男性
記録: 男性は故人をとあるscpの暴走時に殉職した実験主任と証言。
この交信によってそのscpの正確な情報のサルベージに成功。後に情報の正しさも証明された。天使に連れられ19分18秒時点で消失。

死者と会える奇跡のscp
皆さんも大切な故人がいたら思いを馳せてみては

これで終わると思った?
最初に言ったじゃないですか、今日は怖いscpだって。

先程の実験記録の次から流れが変わってくる。
勘のいい財団職員の方ならお気づきかな?

ここからは記録ではあるが分かりやすく噛み砕いて説明しよう。

実験記録1283-JP-11 - 日付20██/██/██(incident-1283-JP-01)

進入者: 30代女性、財団勤務職員
出現した1283-JP-A実体: 30代男性
記録: 女性職員の志願による実験。女性は故人を事故死した婚約者と証言。

しかし、これまでの平均時間を大きく縮めて天使が出現した。

しかも2体も

なぜか増えている。

この天使たちは故人の衣服を引っ張り、β方面へ連れていこうとしている。
コミュニケーションもこれまでで最短の12分20秒で終了。13分08秒時点で消失。

…何があった?

そして、繰り返されること112回目の実験。

記録1283-JP-112

incident-1283-JP-02-A:この段階では実験のリハーサルの為に前日の23:00から準備が行われていたのだが、0:14に一切の異常性の出現条件が満たされていないにも関わらず天使が出現した。

しかも8体

この事態を受けて担当職員がインタビューを試みるが、彼らは無言で笑顔を向けるだけであった。
やむを得ずこのまま実験が行われた。

進入者: 40代女性
出現した1283-JP-A実体: 20代男性
記録: —-

incident-1283-JP-02-B: ここからは実験中の出来事である。問題なく手順が進行し、故人が現れたところで観測機器も再稼働させた。(確認だが、あくまで手順の途中で目を開けたり映像を撮ろうとするのがダメであって、故人が出たあとなら問題ない、録音記録はノイズになる。)

さて、この出現した故人に天使が殺到。
ものの数秒で故人が転倒してしまった。

なおも天使たちは故人の衣服、手足、頭髪を掴み引きずるように移動開始。

こんな状況にありながら引っ張っている天使も、引っ張っられている故人も終始満面の笑顔なのである。なんなら故人は談笑してるっぽい。

そのまま活性化から2分40秒時点で消失。

一体何が起こっているのか?

それは、その後の財団の調査で重大な事実が判明している。

それはこの踏切の噂についてなのだが、元々は【故人が鉄道に乗って帰る】というものだったらしい、どこで変化したかは分からない。

もうお気づきかな?

この天使たちはscp-1283とは別物の可能性がある。

ここまで同じscpオブジェクトであり、この異常性の一部だと思われていた。

しかし、付記を読むとそうでは無い可能性が一層高まる。

1度全文を載せよう。

付記: incident-1283-JP-02以後の実験は現在延期されています。しかし、この事案以降SCP-1283-JP区域内に上記実験に携わった担当班職員 および関係者が立ち入る事で、実験の有無や時間帯に関わらず数十分以内にSCP-1283-JP-B群がβ方面より出現する事が確認されるようになりました。SCP-1283-JP-B群との意思疎通は依然として成されておらず、観察される行動は一律に、接近した職員に対する満面の笑顔のみです。区域内の職員が外部へと退出することで、SCP-1283-JP-B群は数分以内に自発的に移動・消失します。SCP-1283-JP-B群の出現個体数は実験後複数回に分けて増加しており、現時点で15体までが確認されています。

完全に学習している。

この天使たちは、財団職員を見ただけでエサが貰えると思っているのだ。

さらには仲間もどんどん増えている。

時間?そんなの関係ない
いつでも財団職員が踏切の範囲内に入ればいいのだ。

一体故人はどこに連れていかれているのだろうか?

ちなみに、どこかでscp-1283の異常性が変化したという推論もあるが、どちらの推測も裏付けまでは至っていない。

最後に、財団が録音のノイズに一定のパターンがあることに気づき、それを解析した本文を載せてお別れ致しましょう。

それではまた次回

復元された音声データは現時点確認される限り その全てが、███に類似した未知の音響と、実験当時出現していた故人のものと一致する絶え間ない絶叫でした。

CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-1283-JP - 踏切のむこう
by rkondo_001
http://ja.scp-wiki.net/scp-1283-jp