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「ハイパー起業ラジオ:リクルート編」のまとめ① リクルートはどこから始まったのか

こんにちは!Ryotaroです!
今回は「ハイパー起業ラジオ:リクルート編」のまとめを書いていきます!

Podcastだと大体このあたり↓の内容の話しを扱います!

ではいきます!


リクルートの興り

1960年創業のリクルート。
その興(おこ)りは創業者の江副浩正さんが学生時代、東大の学生新聞の中に広告を売るというところから始まります。

東大生当時、江副さんはとてもお金に困っていました。そんな江副さんは東大新聞の広告営業がとても給料が良いと聞き、公益財団法人東京大学新聞社に入ります。

しかし、入ってみたら東大新聞の広告営業部は歩合制だったのです。要するに、自分が広告をたくさん取ってくればその分儲かるし、反対に広告をあまり取れなければ儲からないということ。

当時の学生新聞は、学生相手の新聞なので東大近くのレストランとかクリーニング屋さんとかが、チラシ的に広告を出してくれるだけでした。

そういう東大近くに店舗を構えるお店は、そのお店自体がそんなに儲かっているわけでもないので、みんながみんな広告を出せるわけではありません。だから、新聞の広告枠は売りたくても売れないという現状でした。

江副さんは、そんな現状の中で色々と試行錯誤します。そして、そうやって動いていく中でとある革新的なことに気づくことができました。

この気づきが、その後の広告業界のあり方を決めることになるのです。

江副さんの「気づき」の革新性

江副さんは、「お金を出してでも東大生の認知を獲得したい人は誰か?」ということを考えました。

そして導き出したのが、「東大生を新卒社員として欲しい企業だ」という答えでした。

当時、「自社に優秀な学生が集まって欲しい」と思ったら、求人を出すのは日経新聞や朝日新聞、読売新聞といった大新聞や、中日新聞のような地方新聞の「求人欄」でした。

ただ、そういった大新聞や地方新聞の購読者の学生の占める割合はほんの数%です。高度経済成長期まっ只中の日本において、優秀な学生を集めるというのが企業の大きなミッションとしてある中で、「求人欄」を使っての求人は非効率とも言えました。

「であれば、東大生しか読まない新聞に求人広告を出すというのはどうだろう?」

と考えたのが江副さんです。

こうして、江副さんは東大新聞の広告枠を、東大卒の新入社員に入ってきてほしい企業に売ることで営業成績を上げ、お金を稼ぐことができました。

株式会社大学新聞広告の設立

江副さんは、この「学生新聞に企業の求人広告を載せる」というのをいっそのこと会社としてやってしまえと思い立ち、卒業後に株式会社大学新聞広告を設立しました。

この会社を作ることで、東大新聞のみならず、他の大学の新聞の広告も取ってくることをビジネスとして進めることにしました。これが、リクルートの全ての始まりです。

この、学生新聞の広告枠を企業に売り付ける、という発想は、それまでの商売の基本と全く異なるものでした。

それまでの商売では、「いい商品を仕入れる」というのが基本中の基本でした。八百屋さんなら、よその店よりも「いい野菜」を仕入れた店の勝ち、家電メーカーなら「いい家電」を作って仕入れれば勝ち、というのが基本でした。

ただ、段々とラジオや新聞、テレビといった「メディア」が台頭してくる時代においては、いい商品よりも「いいユーザー」を仕入れた店や企業が勝つ、という構造に変わってきていました。

その変化に誰よりも早く気づいたのが江副さんだったのです。

「いい商品」より「いいユーザー」を仕入れる

「いい商品」が高い値段で売れるように、「いいユーザー」も高く売ることができます。

東大の学生新聞で言えば、「いいユーザー」というのが新聞の読者にあたります。

東大学生新聞からすると

「うちのユーザーは東大生という優秀な学生たちですよ、そんなユーザー向けに広告出したいですよね。であればこんだけの額で広告を出してください」

と仕入れたユーザーに見合う対価を企業側に要求することができるわけです。

江副さんが、公益財団法人東京大学新聞社から出て、株式会社大学新聞広告を設立したことで「東大生」だけでなく他の大学の学生も仕入れることができるようになりました。

そして、もはや「新聞に広告を出す」のではなくて「広告だけがたくさん載っている本」を出版することになりました。これが日本初の『企業への招待』という求人広告本であり、リクルートの最初の商品となるわけです。

そして凄まじいのが、例えば「新潟大学工学部を来春卒業される方へ」のように、〇〇大学の〇〇学部という超ピンポイントの求人広告を集めてそれを対象の学生に直接届けるということをやってのけたのです。

確かに、「東大卒」というのはハイブランドであるし、東京にある一流企業はみなこぞって求める人材ではあるのですが、「新潟にあるメーカー」とかは東大生よりも新潟大学の工学部卒の人材の方がほしかったりします。

そういった企業に対して、「うちは新潟大学工学部の卒業生に配る雑誌を作っています。貴社もこの雑誌に求人広告を出しませんか?」と営業をかければ、そこの学部卒の人材を喉から手が出るほど求めている企業は広告枠を買ってくれるわけです。

江副さんの驚くべき先見性

こうして、「〇〇大学〇〇学部の学生が欲しい」と思っている企業と、「〇〇大学〇〇学部の自分を欲しがっている企業を探している学生」のマッチングを成立させることが成功すれば、広告枠を買う企業も、その雑誌の読者も自動的に集まってくるわけです。

つまり、ネットワーク効果の一つ「相互ネットワーク効果」が生まれているわけですね。

買い手が売り手を呼び、売り手が買い手を呼ぶという相互ネットワーク効果ぎうまく回り出したら、次は買い手の顧客体験を向上させるフェーズに移ります。

『企業への招待』について言えば、読者が広告を見て気になる企業を見つけたら、そのまま採用募集に応募できるようにエントリーシートを添えて、興味から応募までをフリクションレス(摩擦レス)にするというのが顧客体験の向上にあたります。

またインターネットがない世の中で、このような広告ビジネスや顧客体験の向上に努めた江副さんは本当にすごいビジネスマンです。

結局、この江副さんと同じアプローチをインターネットでやったのがGoogleですし、結果この広告ビジネスが世界的なビジネスになってるわけですから、筆舌に尽くしがたい凄さがあります。


そんな、東大の学生新聞から興ったリクルートですが、その儲かる秘術に「ツメ」というものがあります。

次回はその「ツメ」についてです。
お楽しみに!

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