「ハイパー起業ラジオ:ペルソナ編」のまとめ① ペルソナの基礎

フェスティナ・レンテ!Ryotaroです!
今回は「ハイパー起業ラジオ:ペルソナ編」のまとめを書いていきます!
今回は基礎編でございます!

Podcastだと大体このあたり↓の内容の話しを扱います!

ではいきます!

お客様に選んでもらう必要がある

前回までの「ハイパー起業ラジオのまとめ」では、ネットワーク効果について書いてきました。

ネットワーク効果とはビジネスにおける「戦略」の一つで、ビジネスにおける戦略とは「他社と戦わずして勝つ」ことだよ、という話をしてきました。

ビジネスにおける戦略には二つあり、それが
・顧客選択優位性の確保
・持続的競争優位性の担保
です。

簡単に言うと「お客様が自社を選び続けてくれる仕組みと、競合他社が参入しにくい状況を作れば、戦わずして勝つことができるよね」ということです。

ここで大事になってくるのが、「まずはお客様に自社を選んでもらわなければならない」ということです。

お客様が自社を「選び続けてくれる」ためには、まず初めに自社を「選んでくれる」必要があるのです。

お客様に自社を選んでもらうようにする、お客様に自社製品やサービスを「使いたい」と思ってもらうようにするにはどうしたらいいか。それを考えるために、必要なのが「ペルソナ」です。

ここでよくやってしまいがちなのは、
「自社のAという商品を購入してくれるお客様像、ペルソナをみんなで考えよう。この商品を購入してくれるのはどんなお客様なのか、想像力を最大限に働かせて、このペルソナシートを埋めてみてくれ。年収は?性別は?年齢は?家族構成は?職業は?どんな人がこの商品を買ってくれるのか?できるだけ詳細に思い浮かべるんだ」
という会議を開くことです。

こういった会議は、「ペルソナを考えること」が目的化してしまっています。この会議の仕方だと、2-3時間立てて考えたペルソナはハリボテ化してしまい、最終的にみんな忘れてしまうでしょう。

そして、また半年後から一年後「ペルソナの見直し会議」のようなものを開いて、また同じような会議をしてしまうのです。

「ペルソナ」を正しく理解する

では、どんな風に話し合えば「正しいペルソナ」を立てることができるのでしょうか。これを考えるためにはそもそもの前提として「ペルソナとは何か」をきちんと把握しておく必要があります。

ここでひとつ、思考実験をしてみたいと思います。

Q.あなたは今、家族と旅行に来ています。旅行の最終日、あなたはお土産ショップに行き「職場の同僚」「友人」「旅行に来られなかった家族」のそれぞれに合ったお土産を買おうと思っています。
それぞれ、どんなお土産を選びますか?



さあ、どうでしょう。考えられますか?



この質問にしっかり答えてくれようと思った方の中には「いやいや、どこに旅行に行ったのか不明確だし、季節とかわからないし、お土産を考えるヒントが少なくて考えられないよ」と戸惑った方もおられるかもしれません。

ただ、そんな方でも「職場の同僚」「友人」「旅行に来られなかった家族」の「顔」は浮かんだかと思います。その浮かんだ顔がペルソナなのです。

ここで、条件を
・あなたが来ているのは北海道帯広市
・季節は夏
・お土産ショップには「豚丼のタレ」「六花亭のバターサンド」「じゃがポックル」などがある

とすれば「あの人にはこれ」「この人にはこれ」と想像ができるかと思います。なぜなら、その「思い浮かべた人」というのが誰で、何が好きで、お土産を渡すときのシチュエーションがどうで、ということをあなたはしっかりと把握しているからです。

「〇〇さんは、甘いものよりもしょっぱいものが好きな人だから、バターサンドよりは豚丼のタレのほうが良さそうだな」
「△△さんは、甘いものが好きだからバターサンドにしよう。いやけど、あの人バターサンドは食べ飽きてるかもしれないぞ。だったらこの新発売の商品のほうがいいかな」

こんな風に、思い浮かんだ人に対して頭の中で「壁打ち」をして何を買ったら喜んでくれるかをイメージするかと思います。これが、ペルソナを立てて考える、ということです。

つまり、ビジネスにおける「ペルソナ」とは自社製品やサービスを選んでくれる仮想の「壁打ち相手」のことを指します。そのペルソナに対して、「何をしたら喜んでくれるか」を考えることが大事なのです。

「ペルソナ」をどう考えればいいのか

ペルソナが「壁打ち相手」であることはわかりましたが、肝心なのはそのペルソナをどう考えればいいのか、ということです。

ここで、重要になってくるのが「自社の製品やサービスの価値はどこにあるのか」を深掘っていくことです。

現代は「足りてないところを埋める」ためにお客様が製品やサービスを購入するのではなく、「足りている状態からさらなる成長や憧れのために製品やサービスを購入する」状態にあると言えます。

一昔前は、日本中が「足りていない」状態だったので、「お客様が何に困っているのか」を分析し、「自社はあなたの困りごとを解決できますよ」と言えばお客様に製品やサービスを購入してもらうことができました。

ただ現代はそうはなっていません。お客様はみんな基本的に足りている状態です。そんな中で自社の製品やサービスを選んでもらうためにはお客様が「何に対して価値を感じているのか」を突き詰めることが必要です。

例えば、掃除機にしたって「吸引力」に価値を感じる人もいれば「音が静かだ」ということに価値を感じる人もいれば、反対に「豪快な吸引音」に価値を感じる人もいるはずです。

そして、これらの価値というのは製品やサービスの考案段階では狙って打ち出せるものでもないのです。

例えば、あなたが「吸引力」にこだわった掃除機を販売するとしましょう。このとき多くの人が「自社の掃除機の売りは吸引力だから、お客様もそこに価値を感じてくれているはず」そう思ってしまいがちです。しかし、これは思い込みかもしれません。

そう考えるのも無理はありません。なにせ「吸引力」を売りにした製品を作ったのですから、そこにお客様も価値を感じてくれるはず、価値を感じて欲しい、と思うのは自然なことです。

ただ、実際に自社の製品を買ってくれた方にインタビューをしたら
「吸引音に惹かれて購入しました!いやー、あの掃除機、他社には出せない吸引音がして最高ですよね!僕、吸引音マニアなんです!」
なんて声が返ってくることもあります。

-え、吸引音ですか?自社の掃除機は吸引力が売りなのですが。

そうあなたが質問すると

「いや、掃除は自動掃除ロボがしてくれるので、掃除のために掃除機は使わないんすよ!僕はただこの吸引音が聞きたくてこの掃除機を購入しました!」

なんて風に答えが返ってくるかもしれませんね。

これをあなたが自社に持ち帰ったとしたら、

-掃除機を購入してくれたAさんに話を聞いたところ、Aさんはうちの掃除機の吸引音に魅力を感じているとのことでした。

「えーー?そうなの?なんで??」

-実は、Aさんは生粋の吸引音マニアらしく、、吸引音マニア界隈ではうちの掃除機の評価は高いのだそうです。。もちろん、音の評価が、、。

「吸引音マニア界隈、、。そんな世界があったとは」


こんな会議が開かれるかもしれませんね。

お客様が感じる「価値」を把握する

お客様が基本的に足りている状態で、お客様の求める価値が多様化している現代では「お客様が何に対して価値を感じるのか」を把握することが大事になってきます。

ここを把握する姿勢がないと、お客様に対して「機能」を売り続ける姿勢を崩すことができず、安値競争に巻き込まれるだけになってしまいます。

価値が多様化した現代を生き抜いていくためには、お客様が何に対して価値を感じるかを把握することが大事。そのために、仮想の壁打ち相手になってくれるのが「ペルソナ」なのです。

先ほどの、吸引音マニアのAさんですが、インタビューで明かされた

・部屋は自動掃除ロボに掃除してもらっている
・吸引音を聞くために掃除機を買った
・吸引音好きコミュニティとの接点がある

という情報からでも

・機械好き
・男性
・そこそこ経済力のある年代(30-40代?)
・独身?
・インターネットに明るそう
・社交的
・こだわりがある
・ミニマリストでありコレクター?
・音響とかサウンドエフェクトとかが好きで、もしかしたらそれを仕事にしてるかも?
・音を聞くために空港とかサーキットとかに出向くかも?


といった像を思い浮かべることができます。こういった像を思い浮かべたら、その相手に対して壁打ちができます。

「Aさんは吸引音以外にも起動音とかモーター音とかも好きなのかもしれない。だったら静音性能を目指すのではなく、心躍る音を吸引音以外にも仕込めたら、より価値を感じてくれるのではないか」

「となれば、掃除機以外にも、音にこだわったドライヤーや音にこだわった扇風機といった製品も開発したら、それも買ってくれるかもしれない」

といったプロダクト開発にペルソナを用いることができますし、オペレーションやカスタマーサービスを設計するときや広告を打ち出すときにもペルソナは有用です。

Aさんにとっては、カスタマーサービスは人の温もりを感じるものよりは機械的で無機質なもののほうが良さそうですし、広告を打ち出すタイミングも、Aさんの生活動線を考えることでコストを削減することもできます。(例えばバイクのレースが行われるサーキットに広告を出すとか)

競合は誰だ

そんな、お客様の価値が多様化している現代においては、製品やサービスはその「価値」に到達するまでの「手段」だと言えます。

例えば、「遠くへ行って誰かと繋がる」ということに価値を感じている人がどんな製品やサービスを手段として利用するかというと、「飛行機」や「スマホ」「Zoom」とかになるわけです。

ということは、飛行機の競合はスマホやZoomになるということなんですね。

また、「ぐっすり眠りたい」ということに価値を感じている人に「ベッド」を買ってもらおうと思ったら「睡眠薬」や「アイマスク」などが競合になります。

また、ベッドの価値を「腰痛を軽くすること」に置いている人の場合は「腰への負荷が少ないソファ」とか「立ち仕事もできるデスク」が競合になるわけです。

このように、お客さんが製品やサービスを手段として用いた先の「価値」に目を向けないと、競合を履き違え、有効な手立てを打つことができません。

反対に、お客様の価値を把握することができれば、そこから製品やサービスに価値を感じるお客様像を思い浮かべることができるので、そのお客様像相手に壁打ちをすることができるわけですね。

「数字の罠」に気をつけろ

とはいえ、現代のインターネット社会では「お客様の顔」が浮かばないまま製品やサービスを提供している場合が多々あります。

自社の製品やサービスをどんな人が利用してくれたのか、顔を見れないからわからない、という状況です。

そんなときに頼りになるのが「データ」です。うちの製品やサービスを利用してくれたお客様はどの広告からうちの製品やサービスに辿りついたのか、どのように検索してくれたのかなどを分析することでお客様像を思い浮かべます。

今ではそういった分析をAIがやってくれて、「データ上の」最適な広告戦略をAIが考えてくれれば分析に費やす時間が減るので、すごく助かるわけです。

ただ、数字を追っていくデータ分析に傾倒してしまうとお客様の顔を思い浮かべるプロセスには辿りつくことができません。

データはあくまで数字です。もちろん、人間は数字ではありません。一人一人のお客様には、それぞれの趣味嗜好や価値観があり、それぞれに生活があります。

そういった、実在するお客様の像をありありと思い浮かべるということをやっていかないと、どの企業も同じような数字を追っているわけですから、他社と差を生むことはできません。

なので大事なことは数字だけを追って、数字の上で最適化された人物像を想起するのではなく、実際のお客様のことを深掘っていってありありとお客様像を思い浮かべ、そのお客様像に対して壁打ちをしていくことが重要なわけです。

もし、まだ自分の会社にお客様がいない、これから新規事業を立ち上げる、という場合には、競合他社のお客様がその他社の製品やサービスのどこに価値を感じているかを調査することから始めてみるとよいでしょう。

今回は以上です!
それでは、すろすろ、すろーす!

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