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「ハイパー起業ラジオ:ネットワーク効果編」のまとめ⑦ ケーススタディ「Tesla」

フェスティナ・レンテ!Ryotaroです!
今回も「ハイパー起業ラジオ:ネットワーク効果編」のケーススタディを書いていきます!
今回は「Tesla」を取り上げていきます!

Podcastだと大体このあたり↓の内容をメインに扱います!

それではいきます!

Teslaってなんの会社?

皆さんは、「Teslaってなんの会社?」と聞かれたらなんと答えるでしょうか。

おそらく、多くの方が「Teslaは電気自動車の会社だよ」と答えることでしょう。

この答えが正しいかどうかを確かめるために、Teslaの掲げる「テスラミッション」というものを覗いてみたいと思います。

そこにはこう書いてあります。

We believe the world needs to transition to sustainable energy.

日本語にすると、

「私たちは、世界が持続可能なエネルギーへ移行する必要があると信じています。」

つまりTeslaのミッションは「持続可能なエネルギーへの移行を加速させること」であって、「電気自動車で天下を取ること」とか「電気自動車を広く普及させること」などと「電気自動車」をどうこうしていくとかいうことがミッションというわけではないのです。

ここ、とても大事なポイントなので抑えておいてください。Teslaは電気自動車を開発する会社なのではなく、「持続可能なエネルギーを開発する会社」。ここが重要なポイントです。

Teslaの掲げた戦略

TeslaのCEOといえばイーロン・マスクですが、彼がTeslaの経営に入り込んで掲げた戦略は以下の通りです。

①スポーツカーを作るよ。
②①で稼いだお金を使ってお手頃価格の車を作るよ。
③②で稼いだお金を使ってさらにお得な車を作るよ。
④以上のことを行いつつゼロミッション発電(=二酸化炭素を出さない発電)の選択肢を提供するよ。
⑤これはお前と俺との内緒だから絶対に人には言うなよ。

このように、Teslaは「(電気)自動車を作ることによって、二酸化炭素を出さない発電の選択肢を提供する」ことを戦略として掲げています。

なぜ、Teslaは持続可能なエネルギーに移行することを目標としているのでしょうか。

それにはイーロン・マスクが抱えているとある危機感が関係しています。

彼が抱えている危機感とは、世界のエネルギー問題、つまりは、世界がこのままの感じでエネルギーの供給を続けてしまうと、2035年には地球2つ分のエネルギー量がないともたない、という事実です。

この事実をどう回避するのか、というのがイーロンがTeslaを作った原動力なのです。

次に、「なぜ電気自動車なのか」です。

これを理解するにはTeslaが「実現したいこと」から逆算する必要があります。

Teslaの「実現したいこと」はエネルギーの見直しをして持続的な社会をつくることです。

そのために必要なのがバッテリー技術の向上とバッテリーに関するコストを下げることです。(後述します)

なので電気自動車を作ります。なぜなら、電気自動車がたくさん売れれば、安価にバッテリーを生産できるからです。(規模の経済)

じゃあどうやって売るかというと、自動運転、マップ、充電ポートを普及させてネットワーク外部性を回します。(後述します)

これらがTeslaが立てた戦略です。
以下で、それぞれについて詳しく見ていきたいと思います。

なぜバッテリー技術が必要なのか

エネルギーの見直しにはバッテリーの技術が必要、それはなぜ?ということについてですが、これは至ってシンプルです。

今のエネルギー産業の中での持続的なエネルギーといえば太陽光とか風力とかになります。となると、「電気を作れる時」というのは太陽が照っている時とか、風が吹いてる時など限定的です。

でも、電気は一日中、一年中使いたいわけです。となれば、限られた時に作った電気を貯めておく「バッテリー」が超大事になるわけです。「発電」の技術が発展したとしても「蓄電」の技術が発展していなければ意味がないのですね。

ただ、バッテリーにかけるコストが高くなってしまうと技術発展もなかなか進みません。なので、バッテリーにかかるコストを安くするために、バッテリーを大量生産できる環境を整える必要があるわけです。

となれば、バッテリーを内蔵している「電気自動車」の人気を高め、大量生産できるようにすれば、品質のいいバッテリーをコストを抑えて生産できるようになるわけです。

「電気自動車が売れる」ということはすなわち「バッテリーも売れている」ということなので、電気自動車が売れれば、結果的にバッテリー生産のコストが下がるのです。

イノベーションの2段階プラン

持続可能なエネルギー社会を実現させるためにはバッテリー技術の向上が課題で、バッテリーを大量生産するために電気自動車事業にTeslaが参入したのはわかりました。

ただ、最初に着手した事業を「スポーツカー」の生産にしたことの必然性はどこにあるのでしょうか?

この問いを解く鍵が、「イノベーションの2段階プラン」にあります。

Teslaがはじめにつくったのは、スポーツカーの中でも「スーパーカー」と呼ばれる超高級車です。

スーパーカーは鑑賞目的で買われる人がいるくらい、外見やフォルムが抜群にかっこいい車種なのですが、Teslaのスーパーカーは外見のみならず、機能面、特に初速の性能が高いところがセールスポイントでした。

そんな「かっこよくて、速い」という、なんとも男心をくすぐる車が売れないわけはなく、Teslaのスーパーカーはどんどん売れて行きます。

物がたくさん売れるということは「大量生産」のための設備投資にお金を注ぎ込むことができるので、製造や流通のコストが下げられます。これが「規模の経済」です。規模の経済が働けば、販売価格を低く抑えることができるのでますます売れるようになるわけです。

実際、Teslaがスーパーカーをつくり始めた当初は車の販売価格が1000万円で、そのうち「800万円」がバッテリー代だったらしいです。

こんな価格設定では、乗用の一般車にバッテリーを積むのは不可能です。ちなみにトヨタのカローラが一台300万円くらいですから、このときのバッテリーがめちゃくちゃ高いということがお分かりになるかと思います。

だからこそTeslaは何としてでもスーパーカーを「かっこよくて、速い、売れる」商品にする必要がありました。そして見事戦術がハマりスーパーカーを売ることに成功しました。

結果、バッテリーのコストを当初の7分の1ほどにカットすることに成功し、今では同じ性能のバッテリーの価格を「100万円」くらいに収めることができています。

こうなれば、乗用車にもバッテリーを積むことができます。「かつてのスーパーカーと同じ性能のバッテリーが搭載された乗用車」が安く手に入るのなら買わない手はありませんよね。結果、Teslaの『モデル3』という車はカローラを抜いて世界で一番買われている車になりました。

このように、コストが高かったバッテリーを安く生産するために、まずは高級車であるスーパーカーを作ってたくさん売る。

そのスーパーカーがたくさん売れればバッテリーのコストを下げられる。コストが下がればバッテリーを乗用車に積める。すると乗用車が売れる。

この変革が第1のイノベーション。企業の中のイノベーションです。

この第1のイノベーションによりバッテリーのコストが下がれば、電気自動車だけでなく、大規模太陽光パネルや家庭用太陽光パネルの横などに低コストでバッテリーを設置することができます。

これが第2のイノベーションである「産業のイノベーション」です。

このように、「バッテリーのコストを下げるためにスーパーカーを売る」というイノベーションを起こし、そこから派生して「エネルギー産業としてもイノベーションを起こす」といった2段階のイノベーションを起こしているから、イーロン・マスク及びTeslaはすごいわけです。

Teslaの車が売れる理由

さて、世界で一番売れている車を輩出しているTeslaですが、ここまでの説明ではなぜそんなにもTeslaの車が売れているのかの説明が不足しています。

というのも、価格が下がって他社の車と同じくらいの価格になったのなら、返って激しい販売競争に巻き込まれてしまうことになる、という見方もできるわけです。

このとき、Teslaはポジショニング戦略(競合と売り場を分ける)を取るのではなく、競合に真っ向からぶつかっていった。それなのに、結果的に世界で一番車を売ることができた。それはなぜなのでしょうか。

そもそもの話として、今でこそすごく有名なTeslaですが、自動車業界に参入したばかりの頃は無名なはずです。そんな無名なTeslaが、どうしてバッテリーを大量生産することができるようになったのでしょうか。

いくらスーパーカーを売ることができたとはいえ、さすがにTeslaという新興企業が大規模な工場を作ったりすることは難しいはずです。

それなのにTeslaは大量生産により「規模の経済」を発動させることができた。それはなぜなのでしょうか。

Teslaがバッテリーを大量に生産できるようになった理由、それは「Panasonicと組んだから」に他なりません。一社ではまだまだ発展途上のTeslaがエレクトロ産業界の巨大企業であるPanasonicと組んだからこそ、バッテリーを大量に生産することができたのです。

ただ、ここでも疑問が生じます。なぜ、大手電機メーカーのPanasonicがポッと出のTeslaと組むことになったのか。

これにはTeslaが持つ「ブランド」と「独占的技術」が大いに関係しています。

そもそも、Teslaには電気で動くスーパーカーに搭載できるレベルのバッテリー技術がありました。この技術は唯一無二のもので、この技術があったからこそTeslaのスーパーカーは買われることになったし、確固たるブランド力をつけることができました。

この「ブランド力」と「独占的技術」があるからこそ、TeslaはPanasonicと組むことができたのです。

こうして、元々持っていた独占的技術によってスーパーカーを売り、ブランド力をつけ、それらを強みに大企業と組み、バッテリーを大量生産可能な環境を作り、規模の経済を発動させ、どこよりも安くよい品質のバッテリーを製造することができた。だからこそ、Teslaの車は売れるのです。

ネットワーク効果

Teslaに独占的技術やブランドがあり、規模の経済が働いているからといって、Teslaの車が売れ続けることを担保してくれるわけではありません。

というのも、バッテリーのコストをTeslaが下げてくれたとしたら、その恩恵を受けるのはTeslaだけではないからです。他社もその恩恵に授かって安くて良い電気自動車を作れるようになってしまいます。

その他社がブランドを持っていればきっとその会社が作る電気自動車は売れることでしょう。

しかし結果的にそうはなっておらず、Teslaの車が世界で一番売れている、ということになっています。

ここにはTeslaが仕掛けた「ネットワーク効果」が深く関係しています。ここからようやくTeslaが行ったネットワーク効果の回し方についての説明に入ります。

マスタープランパート2

ネットワーク効果の説明に入ります、と書きましたが、その前に、2016年にTeslaが出したマスタープランパート2を見てみましょう。そこには4つの戦略が書かれています。

①シームレスに統合されたバッテリーストレージを使用して、ソーラールーフを作り上げていく。

②電気自動車の製品ラインを拡大し、全ての主要セグメントに対応する。

③大規模なフリートラーニングにより、マニュアル自動車の10倍の安全性能を持つ自動運転機能を開発する。

④あなたの車を使用してないときに、あなたのためにお金を稼ぐことができるようにする。

この4つが公開された戦略であり、これがいわゆるネットワーク効果なわけです。

Teslaの仕掛けたネットワーク効果1-1「フリートラーニング」

自動車業界はここから自動運転に向かうわけなのですが、自動運転と言ってもそれを制御、構築する完璧なAIはなかなかできません。

となれば、今走ってる車によって車の運転を学んでいくことによって、自動運転性能を上げ、自動運転の車をどんどん増やしていこうという話になるのですが、ここでようやく「ネットワーク効果」の話になるわけです。

Teslaが仕掛けたネットワーク効果には大きくわけて二つあります。

一つは、「自動運転技術の向上」
もう一つは、「電力インフラを整える」
です。

このうち、「自動運転技術の向上」のための学習装置がフリートラーニングと呼ばれるものです。

水族館に行くと、小さな魚が群れをなして泳いでいるところを見かけるかと思いますが、あのように群れで泳ぐことを「フリート」と言います。

魚をはじめ群れで動く動物は群れをなしてものすごい速度で移動しているにも関わらず、接触やつまずくといった「事故」を起こさずに集団で移動することができます。あれを車でもやっちゃおうというのが「フリートラーニング」です。

車同士が互いの車間距離を認識し合い、車と車でコミュニケーションを取ることができたとしたら、たとえ猛スピードで走行したとしても接触することはありません。

反対に、車同士でなく「人間同士」でコミュニケーションを取ってしまうから事故が発生するわけです。「このまま真っ直ぐ進み続けるだろう」と思いきや、急に停止された→追突。このように、車の事故の7割近くが「人間同士のコミュニケーションミス」で生じているのです。

それが、Teslaの車に乗れば、Teslaの車同士でコミュニケーションを取れてしまうわけです。
そうすると事故の原因の7割を占める人間同士のコミュニケーションミスが生じにくくなるわけなので、事故の発生率がガクンと下がります。

みんなが乗っているTeslaの車に乗っていれば、事故を起こすリスクが減る。なぜならTeslaはフリートラーニングをしているし、Teslaの車同士でコミュニケーションを取ることができるから。となればTeslaの車に乗っているのが一番安心で安全なわけです。これはネットワーク効果の2つの流派の一つ「ネットワーク外部性」にあたります。

ネットワーク外部性とは「みんながLINEを使っているから、自分もLINEを使わなきゃ」とか「みんながMicrosoft Office使っているから自分も使わなきゃ」とか思うアレです。

この、ネットワーク外部性があるからこそTeslaの車にみんなが乗りたがるわけです。

勝ち確定のTeslaの保険事業

このネットワーク外部性によってTeslaの車が増え続ければ、街中がTeslaの車だらけになるので、その分事故の発生率はさらに下がります。

自分の乗っている車が事故を起こしにくい、事故に巻き込まれにくい、のであればもしもの時のための保険料を安く済ませたくなりますよね。

Teslaは自社の車を買ってくれる人に対して安価な保険を提供しています。

事故率の低いTeslaの車を買えば、自動車保険を安く抑えることができる。こうなればいよいよTeslaの車を買わない理由が見当たりません。

さらにTeslaはこの自動運転機能を他社にも開放しました。Teslaの持ってる自動運転機能を作ろうと思っても、どうやったって追いつけないですからね。他社としてもそれはありがたいことです。

その代わりとして、Teslaの自動車保険を契約することを条件としました。Teslaの自動運転機能を使いたいのなら、Teslaの自動車保険を必ず契約させてください。ということです。こうすることで、他社の車のユーザーの保険料も徴収することができます。結果的にTeslaの自動車保険はTeslaにとっての大きな収益源となっています。

車を使わない間は、車に稼がせる

Teslaは、自社の車の売上に拍車をかけるように、ユーザーが車に乗っていない時間に車でお金を稼ぐことができるよう、自動運転タクシーの整備も進めています。

自家用車を買って、自分が乗らない時間はその車をタクシーとして活用させることができ、車がお金を稼いでくれるのなら、車にかけるコストをうんと下げられます。

なんならTeslaの車を買うことで、買った額より多くの額を稼ぐことができるようになるのかもしれません。

これはもう、買わない理由はありませんよね。絶対買うレベルです。このように、Teslaは「Teslaを買わない理由がない」という状況を作る=「ネットワーク効果を生む」ことで、車が売れ続ける仕組みを作っているのです。

Teslaの仕掛けたネットワーク効果1-2「バーチャルマップとクラウドラーニング」

ここまでの説明は、Teslaの自動運転機能の中でも「フリートラーニング」に関することでした。

Teslaの車は車同士でコミュニケーションを取れるから、自動車事故原因の7割を占める人間同士のコミュニケーションミスを防げるし、事故が少ないから保険事業で儲けられるし、乗ってなくてもタクシーとして使えるかもよ、というのがここまでのお話です。

とはいえ「事故」というのはコミュニケーションミス以外の理由でも起こるわけです。例えば、赤信号なのに渡っちゃったとか、工事現場があると気づかずに突っ込んでしまった、とかがそれです。

Teslaはこういった理由での事故も防ぐためにバーチャルマップとクラウドラーニングという仕組みも作っています。

これが何かというと、Teslaは自動車の一台一台が走っている最中に事故につながりそうなものを発見すると、後でネットにその情報を上げて、事故が起きそうなところをアップデートできるというバーチャルな地図を持っているのです。

例えば、信号が昨日までは綺麗に見えてたのに、木が成長して緑がかぶさってしまい信号が見えにくくなるとか、道路のレーンの中央線が削れて中央帯が見えにくくなる、みたいなことってありますよね。

こういうものを他のTeslaの車が通った時に、これ分かりにくくなってる場所だよっていうことをネットにアップすると、バーチャル地図がアップデートされるのです。

そうするとTeslaの車は目の前の情報を見るだけじゃなくて、バーチャル地図でその情報があれば、そこを特に注視すれば事故を未然に防ぐことができるわけです。これがバーチャルマップを用いたクラウドラーニングです。

これのすごいのは、Teslaの車が増えれば増えより情報が集まり、より事故を起こしにくくなるということです。

それを分かっているからユーザーはTeslaを優先的に買おうと思いますし、地域においてTeslaの量が増えると、Teslaが一番安全な車になって、Tesla以外の車を買うという選択肢がなくなります。すると、他社は永遠にそのマップを更新する量が少ないという状態になります。これがまさにネットワーク効果、ネットワーク外部性なわけです。

Teslaの仕掛けたネットワーク効果2「電力インフラ」

ここまでは、Teslaが仕掛けたネットワーク効果を大きく分けたうちの一つめ、「自動運転技術の向上」について話してきましたが、ここからは「電力インフラを整える」についての話です。

電気自動車は、なんとなくガソリン車よりも走行距離が短そうな印象がありますが、バッテリー技術がどんどん進んで、今ではガソリン車並みに走行距離が伸びてきました。

ガソリン車並みに走行距離が伸びた、ということはガソリン車がガソリンスタンドで給油をするように、電気自動車も充電ポートで給電をする必要があるわけです。

ガソリンスタンドは、ガソリンを満タンにするまでに10分そこらしかかかりませんので、電気自動車も給電の時間はより短くしたいところです。

そういった高速充電の技術も持ち合わせているのが、Teslaです。Teslaは、自動車の売上や保険で稼いだお金を使って高速充電できる充電ポートをどこよりもたくさん置いていっています。

すると、電気自動車を買うなら充電ポートがたくさん設置されているTeslaが一番いいよね、ということになってTeslaが買われるようになる。

すると、Teslaはまた売上が上がるのでさらに充電ポートを増やすことができる。こういったループが作れてしまうと、もう他社は充電ポート産業に参入できなくなるわけです。

そこで起きてしまったのが、GMやFordといった他社までもが「Teslaの充電ポートを使わせてください」と、自社で充電ポートを設置していくことよりも、Teslaの充電ポートを使わせてもらうことを選んだという現象です。

こうなってしまったらもうTeslaは他社と「戦わずして勝つ」という状況になります。Tesla一強ということですね。ただ、「国」からすると、あらゆる産業において一つの会社が力を持ちすぎてしまうことは避けたいことなので、Teslaがこのまま一強状態にならないために色々な施策を講じようとしている、というのがアメリカの現状です。

Teslaの今後

このように、電気自動車業界(のみならず自動車業界)でもはや「一強」状態になったTeslaですが、忘れてはならないのはTeslaが「電気自動車の会社ではない」ということです。

初めに書いた通り、Teslaは「持続可能なエネルギー社会」を作ることを目標としており、そのための「方法」の一つが電気自動車だっただけなのです。

最近出されたTeslaのマスタープランパート3には、電気自動車に関する記述は6分の1程度しかなく、残りの6分の5はエネルギー変革に関することが書かれています。

このように、自社の壮大な目標を達成するために、まずは着手可能な産業でしっかりと結果を出す。そのために「ネットワーク効果」を最大限回してその産業で勝つ。こういった戦略が事業計画には必要なのです。

Teslaの事例からは、「ネットワーク効果」が自身の大きな夢を実現させるためには欠かせない要素であるということが学べたかと思います。

Teslaほど大きな事業でなくとも、何かしらの事業を起こす際や新しい企画を立ち上げる際には、この「ネットワーク効果」を回すことに注力することが大事なのですね。

それでは今回はこの辺で。
すろすろ、すろーす!

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