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「運用」「原液」「信用」

フェスティナ・レンテ!Ryotaroです!
最近「コンテンツは運用の時代」ということが巷で囁かれており、僕もそのことについて考えない日はありません。

けんすうさんによれば、slothというNFTは完全に「運用」を目指していたらしいです。

NFT界隈がぐわっと盛り上がったときに、キャラクターをNFTで作って、それをグッズ化して、というところまでを設計しているNFTプロジェクトは多かったそうですが、「更にその先」まで設計できていたプロジェクトはあまりなかったようです。

当時は、NFTは「速攻で完売しました!」ということが良いこととされていたようですが、この短期決戦型の勝負の中で勝ち続けるのはかなり難しいことのようです。

そこの勝負に挑むよりも、「運用」を意識して長く売れ続ける、という設計にした方がNFTとしての寿命が長くなる。このことを見越した上でslothというプロジェクトを世に出しているけんすうさん及びアル株式会社はほんとにすごいです。

slothから考える「運用」

具体的に、slothのどんなところが「運用力が高いのか」というと、「体型がフォーマットとなっている」「その体型の上の衣装は自由に作ることができる」「体型が合っていれば衣装が着れる」というところだそうです。

slothやロケスタくんの「体型フォーマット」に合ってさえいれば、どんな衣装であってもその本体に着せることができるわけです。

実際、slothの期間限定イベントで販売された衣装を、先日リリースされた「プリン本体」に着せることができたり、プリンをミントしたときについてくるトッピングを、sloth本体に着用させることができたりするわけですが、これがまさに「運用」ですね。

反対に、同じようなプロジェクトだけれど運用力の低い設計を考えてみます。

例えば、2024年のハロウィンプロジェクトとして、「ハロウィンsloth」を販売するとします。このslothは本体自体がハロウィンカラーで、胸にでっかく「2024」と書かれたTシャツを着ており、左手には金メダルを持っている。特徴的なのは、これらの本体+衣装が「一体化」されており、分解することができない。ハロウィンslothは本体と衣装でワンセット、となっている。

こんな感じのプロジェクトは運用力が低く、おそらく2-3年後にはウォレットを埋めるだけのNFTになってしまいます。なぜならそのキャラクターだけで完結してしまっているからです。

こう考えると、運用力の高いコンテンツというのは、「普遍性」「汎用性」「操作性」あたりのパラメーターが高いということなのかもしれません。

「原液」としてのコンテンツ

また、最近では「原液」としてコンテンツを作ることの必要性も囁かれています。なぜこの観点が必要なのか、これには三つの側面があると個人的には思っています。

一つ、濃い「原液」のコンテンツを作ることでファンやコミュニティのエンゲージメントを高めることができる

一つ、大元のコンテンツを「原液」状態にすることでクリエイターの「希釈シロ」が生まれ、新たなクリエイティブが生まれる

一つ、「原液」を薄めるのをクリエイターに一任することにより、「原液」を作る側は「より濃い原液」を作ることができる。
→結果的にファンやコミュニティのエンゲージメントが高まる

以下で補足説明をしていきます。

エンゲージメントが高まる

けんすうさんと尾原さんがやられている『ハイパー起業ラジオ』はご本人たちも「マニアック」と語るほどかなり濃い内容を扱うコンテンツとなっています。

これがコンテンツとして成り立っているのは、この「濃さ」をリスナーが求めているからに他なりません。この「濃さ」目当てにリスナーがPodcastに集まってくるわけです。

だから、ハイパー起業ラジオは濃い内容を届け続ける必要がある。そのことが結果的にファンのエンゲージメントを高め、そこからの議論や発展が生まれることになるわけです。

反対に、このコンテンツがリスナーの増加に合わせて「薄まって」しまうと濃いもの好きのファンにとっては残念なわけです。

新たなクリエイティブが生まれる

続けてハイパー起業ラジオを例に話を進めると、ハイパー起業ラジオのリスナーの中にはまとめ記事や動画制作等ができるクリエイターもいらっしゃいます。

その方たちがハイパー起業ラジオの二次コンテンツを作ることで「薄味のコンテンツ」が世に出ることになり、より多くの方に情報を提供できることになります。

今は、この二次コンテンツの制作はAIを用いることで誰でも簡単にできるようになりました。「原液」側のクリエイター(この場合はけんすうさんや尾原さんたち)が二次コンテンツの制作をOKとすることで、この流れは加速することになります。

もしかしたら、AIなんて触ったこともなかった方が二次コンテンツを見てみて、「自分にもできるかも」と思ってクリエイティブに取り組むかもしれません。

こうして、原液を薄めるクリエイターが増えることで情報の拡散量が増え、結果的に原液のコンテンツへのアクセスなんかも増えていくことになりそうです。

「より濃い」原液を作ることができる

ファンやクリエイターが原液を薄めてくれるようになれば「原液クリエイター」の方々は希釈を外部発注したも同然となるので、とことん濃い原液作りに邁進することができます。

それにより、より濃いコンテンツを求めているファンの満足度が上がり、更にエンゲージメントの高いコミュニティ作りがなされていくことになります。

ちなみに、本記事を執筆している時点では、ハイパー起業ラジオで新シリーズ「信用スコア編」が始まったばかりなのですが、その第一回目の放送を、SWCのコミュニティメンバーのもっちゃんさんがGeminiを使ってnoteにまとめてくれていました。

これが原液→希釈の第一段階と言えます。

これを受け、僕はもっちゃんさん了承の元、このnote記事をKn1ghtという動画作成アプリを使ってアニメーションにしました。

これが原液→希釈その①→希釈その②ですね。

この動画を、けんすうさんに「こんな感じで作るのありですか?」と確認したところ「最高です!」と返信をもらえたし、無料のブログに二次創作の例的に掲載してももらえたので、どうやらこのアプローチは一つの正解のようです。

希釈コンテンツにこそ「信用」が求められる

さらに、今朝のKaoriさんがスタエフで発信されていたことがまさにそうだな、と思ったのですが(思考が止まらんぜ!)

「そのコンテンツは誰が希釈したものなのか」という視点は、今後かなり重要になってくるな、と思います。

普段からマメで、言葉遣いも丁寧で、解釈が深く、学ぶ意識が高い人、というのはかなり「信用スコア」が高い人、ですよね。

そういう方が作った希釈コンテンツならいい意味の「鵜呑み」をしても問題ないし、そこからさらなる希釈をしても原液との齟齬が生まれにくいと思います。

となると、やっぱり今の世の中は「紳士的な振る舞い」というのがかなり大事になってくるのかな、という前回の記事の内容に立ち戻るわけですね。

紳士的な振る舞いによって信用スコアの高い人が薄めたコンテンツなら鵜呑みにしても大丈夫。そこから自分はさらに薄味のコンテンツを作ろうという風になると、感謝の循環が周り、メンバー間のエンゲージメントも高まることになります。

今後の課題は「インセンティブ設計」ですね。トークンを使ってそのあたりをけんすうさんがどのような施策を打っていくのかがすご楽しみです。

僕からは以上です!
それでは、すろすろ、すろーす!

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