見出し画像

「ハイパー起業ラジオ:ネットワーク効果編」のまとめ③ ケーススタディ「メルカリ」

フェスティナ・レンテ!Ryotaroです!
今回は「ハイパー起業ラジオ:ネットワーク効果編」のケーススタディを書いていきます!今回は泣く子も黙る「メルカリ」を取り上げていきます!

Podcastだと大体このあたり↓の内容の話しを扱います!

ではいきます!

メルカリvsヤフオクからまなぶ「ポジショニング戦略」と「ティッピングポイント」

ポジショニング戦略

メルカリとヤフオクと聞くと、「ユーザーが売り手にもなれるし、買い手にもなれる」という共通点があることから、どこか似たようなサービスでは?という印象を持たれている方も多いかと思います。

ただ、その実態と本質は大きく異なります。
ヤフオクが「時間がかかってもいいから高く売る」という性質があるのに対し、メルカリは「手軽に出品できて早く買ってもらえる」という性質があります。

もう少し具体的に見ていくと、ヤフオクではメルカリと違って出品した商品がすぐに売れることは期待されていません。だからこそ「中古品のパーツ」のような広くニーズはないけれど、どこかの誰かが買ってくれたらいいな、という商品であっても売りに出すことができます。

もしも、出品した商品がその筋のマニアックな方々に見つかって、買い手が何人か集まったとしたら、期待よりも高い額で落札される可能性があります。

対してメルカリは、「今年流行しているパーティードレス」のような即売れることに意味がある商品が並ぶ傾向があります。今の季節の服をパーティーで1回着たから、このシーズン中に他にも使いたい人がいたらその人に使ってもらえたらいいな、という形で出品され、そこに買い手がつく、というのがメルカリです。

このように「誰もが出品できるし、誰もが買うこともできる」という一見似たようなジャンルのサービスではありますが、実態は全く異なっております。

メルカリは、ヤフオクを競合にすることはせず、うまいこと戦うポジションを分けることができたからこそ、ヤフオクとお客さんを奪うことをせずに済みました。こういった戦略を「ポジショニング戦略」と言います。

ティッピングポイント

メルカリの登場前にも、メルカリと同じようなフリマサイトというのはありましたが、メルカリほどの成功を収めたサービスはありませんでした。

そこには閾値といって、その点を超えたら爆発的に状態が変わるよ、という点である「ティッピングポイント」が深くかかわっています。

スマホが出る前、パソコン版でヤフオクではないフリマサイトはありましたが、スマホが普及してみんなが写真を撮ってすぐに商品写真をアップすることができるようになり、買い手もスマホで商品を閲覧できるようになりました。

この「スマホの普及」がティッピングポイントであり、そこを超えられたからこそ、明確にヤフオクとメルカリはポジションを分けることができたのです。

メルカリvsフリルからまなぶ「ネットワーク効果の作り方」

スマホが普及し始めてから、フリマサイトがメルカリ以外になかったわけではありません。「フリル」というフリマサイトは東京圏のちょっとおしゃれなフリマサイトというところを狙って展開されていました。

フリルがターゲットにしていたのは、感度の高い女性たちでした。そういった層の方々はスマホが一般に普及される前にスマホを使っていました。だからその層をターゲットにしたのです。

メルカリは、フリルよりも半年ほど遅れてフリマ業界に参入してきました。その頃には、スマホの普及率が上がり、一般の人たちでもフリマ的なところでの売買ができるようになったタイミングでした。メルカリはここぞとばかりにリソースを集中投下しました。

メルカリがやったことは大きく分けて3つです。

一つは、泥臭い営業活動
一つは、革新的なUXデザイン
一つは、圧倒的資金力による広告戦略

泥臭い営業活動

メルカリの創業者山田進太郎さんは、リアルのフリーマーケットに行って「どうせだったらこのままメルカリに出品しませんか」という営業活動を盛んにしていました。

直接売り手に声をかけ、ここに出品すれば商品が売れるんだ、と思ってもらえるまでかなりの時間をかけて仕組み作りをしました。

仕組みさえ作れれば、出品した人は、次は買う側になってメルカリを訪れるし、反対にはじめは買う側だった人も次は自分も出品しようと思うようになる。

このぐるぐるができあがれば、もうリアルのフリマに勧誘に行かなくても勝手にユーザーが増えていく、ほっといても出品数が増えていく。ユーザーと出品数が増えればユーザーへの魅力が仕組みによって増していく。という状態ができあがります。

革新的なUXデザイン

ユーザーにメルカリの魅力を知ってもらうために、山田進太郎さんが努力したのは営業活動だけではありません。彼はサイトのUXデザインをより良いものにする努力を怠りませんでした。

具体的にどんなUXデザインにしたのかというと、「SOLD OUT」の商品をわざと画面に残すことにしたのです。

本来「何が売り切れているのか」というのは表示されていない方がユーザーにとってはありがたいはずです。買える商品だけが画面に並ぶことになりますからね。実際に他のECサイトでは売り切れた商品は表示しないことが当たり前となっていました。

でもあえて売り切れの商品を画面に残すことによって、「こんなものが売れるんだ」というのをユーザーが気づくことになります。こうすることで、出品する側は安心して商品を売りに出すことができます。

買う側の視点に立てば、ユーザーにとって買えないものが表示されるのは使い勝手が悪くなるから表示できないようにしましょうとなるのが自然です。

メルカリが革新的だったのは、買う側の気持ちだけでなく、売る側の気持ちも考えたUXデザインを作ったことでした。お客さんの「ここで買いたい」の気持ちだけでなく「ここで出品したい」という気持ちを増すために、あえて「SOLD OUT」も表示するという選択をした。こうした仕組み作りにメルカリの勝利の秘訣があるのです。

圧倒的資金力によるテレビCM放映

フリマサイトにおいては、売り手も買い手もたくさんいた方がいいに決まっています。そのために、メルカリは「お金」というパワーを使ってテレビCMをバンバン作っていきました。

フリマサイトにおいては、売り手は自分の商品を一つのサイトで売っておいた方が安全です。なぜなら、複数のサイトで売りに出してしまうと、注文が被ったときにどちらかのサイトでは欠品扱いとなってしまいトラブルにつながってしまうからです。

仮に、一つの販売サイトに人がたくさん集まっているのならユーザーはそこだけで出品した方が楽だし安全です。メルカリはそこのポジションを確固たるものにするために大がかりなCM戦略を打ちました。

売り手も買い手も集められるCMというのは買い手にのみアプローチする他のサービスに比べると効率は倍になります。大量のCMを打つことによって、売り手と買い手を両方集めてしまえばサイトの魅力はどんどん増すことになります。

当時、スマホを購入した人のリテラシーはそんなに高くなかったので、「テレビCMもやってるし、フリマアプリはメルカリかな」というくらいの理解で人がわんさか集まるようになりました。

これは、フリルが「まずは感度の高い女性の層からアトミックネットワークを作って、そこからどんどんアトミックネットワークを大きくしていって、、」という計画をお金の力で越えていった事例でもあります。

メルカリの成功にまなぶ

このようにして、競合よりもメルカリの方が買い手にとっても売り手にとっても魅力的な場所ですよ、というのをリソースを集中投下して作っていった。ここに2回目起業家のすごさがあります。

・ヤフオクとは「ポジショニング戦略」をとって戦わない。
・「ティッピングポイント」がどこにあるのかを見極める。
・「泥臭い営業」と「革新的なUXデザイン」により人が集まる仕組みを作る。
・「圧倒的な資金力」によって大量のCM打ち、競合のアトミックネットワーク計画を越えていく。

これらがメルカリ成功の背景にあるわけです。

こういったことを理解しておくだけで、世の中のサービスを見る目が変わってくるかと思いますし、こんなことを学べるハイパー起業ラジオは最高ですね!

今回は以上です!
それでは、すろすろ、すろーす!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?