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2024年8月期 1Q決算を発表しました

こんにちは、プログリット(9560)CFOの谷内です。
2024年1月10日に2024年8月期第1四半期の決算発表を行いましたので、私なりの決算のポイントをお伝えしたいと思います。


2024年8月期第1四半期決算概要

決算ハイライト

第1四半期決算は、売上高が1,025百万円、売上総利益が760百万円、営業利益が321百万円と、いずれも四半期単体としては過去最高を記録しました。

東証への上場申請をした2022年8月期が通期で売上高2,252百万円、営業利益326百万円でしたが、今期は第1四半期単体で当時の通期売上高の約46%、通期営業利益の約90%を満たしたことになります。

特に、利益率改善については継続的に取り組んでいる課題であり、大きな利益成長を示せたことを嬉しく思います。

売上高の四半期推移を見てみますと、サブスクサービスだけではなく英語コーチングサービスも前年同期比で+40.5%と高い成長を遂げることが出来ました。

2023年8月期に入社した英語コンサルタントがしっかりとオンボーディングを果たし、お客様に価値提供が出来た証左です。期中2カ月を超える待ち行列が発生する中で採用を加速させてきましたが、当社の強固な研修体制とそれに対応可能な人材獲得力の両輪がそろっていることを示せたのではないでしょうか。

売上総利益率につきましては、2023年9月よりコンサルタント職の年収を一律年50万円引き上げた影響を吸収し、前年同期の72.2%から74.1%へと1.9ptの改善を図ることが出来ました。

様々な要因はありますが、一番の要因は生成AI等の活用を含めコンサルタント職の業務効率向上に継続的に取り組んできた結果、コンサルタント1人当たりが担当可能なお客様上限数を15名から16名に引き上げられたことです。事前に長い時間をかけて業務の見直しを行った上で導入に踏み切りましたが、想定以上に各英語コンサルタントが早期に新しい体制に適応出来ました。そのため、同じ英語コンサルタント数でより多くのお客様に英語コーチングサービスの提供が可能となり売上高の積上げが出来たため、結果として売上高総利益率の改善に寄与しました。

その他、校舎数一定の下での売上高伸長で固定比率が低下したことや、学習アプリへの置き換えや教材選択の適性化を通じた教材費率の低減も売上総利益率の改善の要因となっています。

営業利益は321百万円と、前年同期比+107.7%と倍増し、営業利益率も四半期ベースで初めて30%台となりました。前述の通り、これは上場申請をした2022年8月期の年間営業利益の約90%に相当します。

2020年2月にプログリットに入社してすぐに新型コロナウイルス感染拡大を受けた初めての緊急事態宣言の発令があり、以降約2年間劇的な事業環境の変化に苦しみましたが、新しい環境に対応すべくサブスクサービス「シャドテン」の一般公開による新たな収益の柱の確立や全社的なコスト削減に取り組んできた過去を振り返ると、目頭が熱くなります。

もちろん、まだまだやれることは残されていますので、今後も本質的な収益性の改善には取り組んでいきます。

営業利益率の改善は、何か一つに絞れるものではありません。コロナ禍で初めて赤字を経験した際に抜本的なコスト見直しを実施して以降、継続的なコスト管理意識の向上に務めてきましたことが少しずつ成果として現れていると感じています。

期初に予算を策定したからといって、予算があるから何でも使っていいわけでは当然なく、一つひとつにおいて稟議を通じて使う意義の確認や価格交渉余地の模索をしています。幅広い勘定科目に渡り、各部署で数十万、時には数百万といったコストの削減を徹底していった結果、S&M、G&A、R&D全てにおいて前年同期比で対売上高比率を抑えることが出来ました。

一方で、中長期的な成長のために必要な投資は積極的に実施していきます。
プロダクトの開発・改善活動への投資はもちろんのこと、決算説明資料にも記載していますが第2四半期以降は当社の認知度向上に向けた投資を積極的に行っていきます。

G&Aについては引き続き抑えていく一方で、S&MとR&Dについては中長期的な事業成長のために引き上げていく方針です。

お正月から電車内広告にて本田圭佑さんと目が合った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

第1四半期における営業利益の通期業績予想に対する進捗率が53%であることを鑑みて業績予想の修正要否も社内で議論しましたが、前述の通り第2四半期以降の投資の積極化の計画を考慮した際には、現時点では東証の定める適時開示基準(売上高±10%、利益±30%)を超える見通しとはなっていないために、業績予想の修正はしておりません。

今後、業績予想の修正が必要であると判断した際には速やかに適時開示にてお伝え致します。

主要KPIの推移

英語コーチングサービスの卒業時アンケートの満足度は高水準で横ばい、通常コース卒業生の継続コース入会率は上昇傾向継続、新規契約者数に占める友人紹介割合は下落傾向継続、となりました。

まずネガティブなところから触れていきます。引き続き一定割合が紹介経由での流入であることには変わりない一方で、当社としては安定的に20%超えの水準を目指しているために大きな課題意識を持っています。受講生向け、卒業生向けのイベントを開催するなど取り組んでいるものの、目に見える成果には変えられていないという事実には正面から向き合わなければなりません。比較的高単価なサービスではありますが、経験した方々がその金額だとしても勧めたくなるような感動体験をもっと創り出していけるように務めていきます。

次に、ポジティブな点としては継続コース入会率が右肩上がりの傾向を続けているということです。これは少し深堀りすると見た目以上に良い傾向であることが分かりますのでご説明します。「通常コース」とはすなわち「初めてプログリットを受講する方のコース」を指しています。もちろん継続コースの卒業から更に継続される方々の数値も社内では見ていますが、ここでは新規の方々の継続率を見ています。ベテランコンサルタントになると固定ファンのお客様もつきますので、長く継続コースをご受講いただく方も出てきます。そうすると、新入社員に比べてベテランコンサルタントの方が継続コースのお客様の割合が高く、逆に新入社員は新規の通常コースのお客様の割合が高くなる傾向があります。つまり、2023年8月期に当社に入社した英語コンサルタントが担当した多くのお客様がサービスにご満足いただき、高単価であるにも関わらず継続したいと感じて下さったことを意味します。ベテランコンサルタントのみならず、歴の浅い英語コンサルタントでも価値提供が可能なのは、当社が強みとしている組織力によるものです。

シンプルですが、当社は「良い人を採用」し、「スキルの向上」を支援し、「エンゲージメントの向上」を図ることに注力してきました。100人を超える英語コンサルタント全員が正社員採用であり、一緒にミッションの実現に向けて切磋琢磨していく環境を構築することで、新入社員の英語コンサルタントが担当するお客様の課題に対してはチーム総力戦で向き合います。従って、個人事業主的に動くサービスとは異なり、所謂当たりはずれのようなものを極力抑え、マンツーマンであるにもかかわらず均一なサービス提供が可能となっています。

当社では創業初期からモチベーションクラウドを活用して組織エンゲージメントの見える化をしています。コロナ禍で2回だけAAとなりましたが、それ以外は常にAAAのスコアを獲得し、過去3回「ベストモチベ―ションカンパニーアワード」を受賞しています。足許では特に校舎マネージャーのエンゲージメントスコアが高い状態で推移しており、組織の拡大フェーズにおけるサービス品質の維持・向上の要となっています。

次回からはサブスクサービスのラインナップが拡充されますので、本スライドの記載も「シャドテンの有料会員数」と変更していく必要がありますが、本四半期期間においては新サービスのローンチ前ですので、従前どおりの表記としています。

毎日人にシャドーイング添削をしてもらえるサブスクサービスの「シャドテン」は前年同期比+76.6%のハイペースで有料会員数が伸びています。前四半期が729名の純増だったところからすると、本四半期の437名の純増が物足りなく見えます。前四半期は大口の法人企業様への導入が底上げしたこともあり、そことの比較においてはご認識の通りですが、400~500名程度の純増ペースであれば特段問題視する必要はなく、四半期ごとのある程度のぶれは出るものとしてご理解いただければ幸いです。

今後の成長戦略

今後の成長戦略は、オーガニック成長とインオーガニック成長(M&A)に分けて見ていきます。

まずオーガニック成長です。英語コーチングサービスは一人当たりの英語コンサルタントが担当可能なお客様数が決まっており、事業成長のためには採用による組織拡大が不可欠です。2023年9月からの待遇改善をはじめとした人的資本投資を継続していき、魅力的な人材の確保を通じたサービス供給力の増強を図っていきます。

当社はそのサービス単価から法人向けビジネスが中心と思われることが多いですが、現状売上のほとんどが個人のお客様からとなっています。大手英会話スクール各社が数千社の法人取引先を有する中で、まだ250社とのお取引に留まる当社の法人向けビジネスは大きな成長余地を残していると考えています。これまでは英語コーチングサービスを選抜者向けにご導入いただくケースが多かったですが、今後はAIを活用した安価な新サービスを用いてより多くの企業様、そしてより多くの社員様にご活用いただけるように推進していきます。

2024年8月期にローンチ予定の2つの新サービスのうちの一つ「スピフル」は2023年12月19日に無事ローンチいたしました。スピフルは、2,000以上の実践的なビジネス例文を即座に英訳することで瞬発力を身に着ける口頭英作文と、300以上の豊富なテーマでスピーチを吹き込むと文字起こしをした上でAIが表現や文法について添削してくれる1分間スピーチの大きく2つの機能から成っています。12か月プランは税込みで45,980円、月々3,831円で利用可能であり、より多くの英語学習に取り組む方々が活用して下さることを期待しています。

通期決算発表時には仮で「プログリットAI英会話」としていた2つ目の新サービスの開発も佳境に入ってきており、サービス名は「ディアトーク」とすることにしました。名前の由来や込めた想いについては、またサービスローンチの際にお伝え出来ればと思います。ディアトークはローンチ時点では機能を絞り込んで使いやすさに特化させていく予定です。下記の3つの特徴により、ハンズフリーで自分の臨む英会話がいつでもどこでも可能となります。次の第2四半期決算発表のタイミングでは、ディアトークについてお披露目出来ることを楽しみにしています。
※開発状況によりローンチ時期は前後する可能性があります。

  1. ネイティブスピーカーとの本物の英会話体験を追求
    自由なテーマでの会話はもちろんのこと、AI の自動発話終了検知機能により、ハンズフリーで自然な英会話体験が可能。

  2. レベルに合わせて話すスピードが変化
    学習者の英語レベルに応じて話すスピードや単語レベルを調整し、効率的なアウトプット練習が可能。

  3. 複数のアクセントに対応
    アメリカンアクセントだけではなく、イギリス・オーストラリア・インドなど自身の状況に合わせて選択が可能。

リスニング力向上を支援する「シャドテン」に、スピーキング力向上を支援する「スピフル」とアウトプット練習を支援する「ディアトーク」の2つの新サービスが加わることで、リアルタイムコミュニケーションを鍛えるために必要な要素をカバーするサービスポートフォリオが出来上がります。

サービス価格帯も幅広くなり、法人・個人を問わず様々なニーズに対応可能となります。

サブスクサービスのポートフォリオの拡充には2つの意味合いがあります。
1つは、英語コーチングサービスプログリットを卒業された方々の継続学習の受け皿の充実化。

そしてもう1つは、より広い英語学習ニーズや価格許容度に対応出来るようになることを通じた、当社サービスの認知度の向上。

この2つが回っていくことで、顧客生涯価値の拡大を目指していきます。

M&Aに関しては、手元流動性もさることながら、純資産の積み上がりにより一定規模ののれんにも耐えられる財務体質が構築されてきました。スライドの左手に挙げた領域を中心に、関心のある先に対して少しずつコミュニケーションを取っている状況です。M&Aはお相手あってのことですのでその実現の可能性や時期について述べることは出来ませんが、当社として成長戦略上の一つの大事な鍵であるとの認識の下推進していきます。

その他当社の決算を見る上での留意点

当社の英語コーチングサービスの売上は、役務提供ベースで計上しています。どういうことかと言いますと、60万円のご契約を頂いた際に契約と同時に60万円を売上として計上するのではなく、その60万円は契約負債としてバランスシートに計上した上で、プログラムが進むにつれて日割りで取り崩しながら取り崩した分を売上に振り替えていくことになります。日割り計上をする関係上、営業日数の多い四半期の方がより売上高を多く計上出来ることになるため、会計上の観点から四半期ごとの季節性が存在しています。

当社では第2四半期(12-2月)は年末年始休業、第3四半期(3-5月) はゴールデンウィーク休業、第4四半期(6-8月) はお盆休業の休業期間をそれぞれ7日間取っていることから、そのような休業期間のない第1四半期が最も営業日数が多く、英語コーチングサービスにおける売上を計上しやすくなっています。

コストについては日割り計上をすることはありませんので営業日数の影響をうけません。従って、英語コーチングサービスの利益についても第1四半期が計上されやすい特徴を有することとなっています。
これらはあくまで会計上の影響ですので、英語コーチングサービスの売上に寄与する英語コンサルタントの増員ペースがそれを上回る場合には、営業日数が少なくなっても売上が四半期で増加することもあります。

各種開示資料はこちら

2024年8月期1Q決算に関連する開示資料および同時期の開示資料につきましては下記の通りとなります。合わせてご確認いただけましたら幸いです。

※関連して後日開示した場合には本noteの加筆・修正を致します。

上記は当社IRサイト内、「IRライブラリー」にてもご確認いただけます。

https://about.progrit.co.jp/ir/results/

今後のIRスケジュール

今後以下の通り個人投資家向け説明会に登壇予定です。
会社概要・事業概要といった基本情報から今後の成長戦略までご説明させていただく予定ですので、ぜひご参加ください。

  • 2024年1月16日(火)19:00-20:00 大和証券

    • 開催形式:オンライン開催

    • 登壇者:代表取締役 岡田 祥吾

  • 2024年1月19日(金)11:10-11:40 資産運用EXPO

    • 開催形式:会場開催

    • 登壇者:代表取締役 岡田 祥吾

IRに関するお問い合わせ先

決算に関するご質問やIRの取り組みに関するご意見・ご感想等、IRに関するお問い合わせは、下記の問い合わせフォームよりお願いいたします。

https://about.progrit.co.jp/contact?option=ir

最後に

今回初めてnoteを書きました。
読みづらい点も多々あったかと思いますが、最後までお読み頂いて本当にありがとうございます。

今後、今回のような決算ポイント説明に加え、IR情報を中心に、経営企画観点での気付き・学びや趣味の本の紹介などの内容でnoteを更新していこうと思います。
昨年末からX (Twitter)もはじめましたので、良ければフォローお願いいたします。

https://twitter.com/Ryota_Taniuchi

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