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【ロックマンエグゼ6】チップ選びの考え方

りょうたくです。今回の記事は友人の木枯らしさんに寄稿していただきました。

0.前置き

アドコレ発売にあたって、様々な方が構築、チップやクロスの性能比較、細かいテクニックみたいな記事を書いています。ですが、肝心のプレイングの基礎のようなものを簡潔にまとめた記事は無いという認識です。
特にアドコレでカスタム時間に20秒制限がついてしまったので、初心者の人は時間が足りずに困っているのではないでしょうか?
ということで対戦指南的な内容を書いてみます。(好評なら続きます。)

1.書いた人の自己紹介

「その対戦指南、信用できるの?」ってごもっともな疑問が出るかと思うので簡単に自己紹介します。

当時の大会には出ていませんが、2014年ごろからこちらのオフで遊んでいる木枯らしと申します。
このゲームで起源主張みたいなことをしてもしょうがないけど、いわゆる2100スラッシュというテンプレ構築を作った人です。
得意ルールはエグゼ6の改造なしですが、エグゼ6の改造ありでも1敗でSランクに挙げるくらいにはアドコレでも今のところは勝てています。

あと前回のバグデスの記事を読んでくれた人は感謝です。こちらの記事でも半分ゴーストライターのようなことをしていました。
管理をさぼりすぎた結果自分のブログが消滅しているため、今回りょうたく君のnoteを借りて寄稿のような形で記事を書きます。

2.前提となるカットインのシステムについて

最初に、4以降のエグゼで追加されたカットインというシステムの説明です。
カットインのシステムが導入される以前のエグゼ1~3の説明書を明らかに使いまわしているためなぜかアドコレ公式の説明書に記載がなく、ゲーム内で説明もあったか怪しいので下記に記載します。
通信対戦時限定で時間が止まるチップ(以後暗転チップと呼びます)を相手に使用され、チップの名前が表示されている間に、Aボタンを押すことで相手の暗転チップに割り込んでチップを発動できます。

1Pの使用したダブルビーストに対し、2PがブルースSPをカットインしているため、
先にブルースSPが発動しています

補足をすると
・時間が止まらないチップ(以後非暗転チップと呼びます)ではカットイン不可
・カットインにカットインを重ねることも可能だが、効果が発動するのは各プレイヤー最後に使った1枚のみ

1Pエリアスチール→2PブルースSP→1Pインビジブル→2PブラストマンSP
という流れで、各プレイヤーが最後に使ったチップである
ブラストマンSP→インビジブルが発動しています

遊戯王がわかる人はお互いに最後の1枚しか使えないチェーンシステムと考えていただくのが早いかもしれません。僕は遊戯王エアプですが・・・

このカットインの駆け引きが後期エグゼシリーズの醍醐味ですので、それに勝てるようなチップ選択の考え方を今回は紹介します。
なお、対戦人気の高いエグゼ6を例として説明します。改造あり/なしのルールを問わず、考え方は共通です。
さらにエグゼ4、エグゼ5でもチップの種類が異なるだけで基本的な考え方は共通です。


3.後出し有利の法則と試合の流れ

3-1.カットインの代表例

まず、最も基本的なカットインの例を紹介します。
自分がインビジブル(6秒間インビジ状態となり、ほぼ全ての攻撃を防ぐ)のみ、相手がブラストマンSP(250ダメージの実質必中攻撃)のみをそれぞれ持っているとします。

①自分が先に仕掛けた場合(=インビジブルに対し、ブラストマンSPでカットイン)

相手のブラストマンSP→自分のインビジブル という発動順番なので
250ダメージを被弾した上で6秒間インビジ状態となります。

②相手が先に仕掛けた場合(=ブラントマンSPに対し、インビジブルでカットイン)

自分のインビジブル→相手のブラストマンSP という発動順番なので
250ダメージを回避した上で6秒間インビジ状態となります。

上記①、②の例を比較したとき、
カットインの存在により処理順が入れ替わるため、先に暗転チップを使用した場合が損をしています。
暗転チップが絡む駆け引きの場合は後出し側が有利(カットイン狙いで待つ側が有利)という原則が成り立ちます。
そして、非暗転チップはカットインができないという不遇な仕様により、エグゼのいわゆるガチ対戦においてはフォルダの大半を暗転チップが占めることになります。そのため、カットインによる駆け引きが対戦の軸になります。

3-2.カットインを制するために

ではどのようにして後出し有利の状況を作ればよいでしょうか?
答えは「『もしも互いにチップを使わないなら自分が勝てる状況』を作れば相手は先に動かざるを得ない」となります。

最もわかりやすい例がスラッシュクロスが1列エリアを奪って3×4にすることです。
この時、スラッシュクロス側は必中&高回転率&160ダメージのチャージショット(以後CSと表記します。)を連発でき、本ゲーム屈指のDPS※1 で攻撃ができます。
この状況下では、HPが互角であれば相手のHPが先に0になるため相手は対応せざるを得なくなります。

この場合、相手目線では不利状況を脱出するために
・スチールパニシュ、エリアスチール等のエリア操作で、スラッシュクロスのCSが当たらないエリア状況にする
・グランドマン等により、弱点を突いてスラッシュクロスを解除する
という対処法が考えられます。

逆にスラッシュ側は
・カワリミやドリームオーラを最初に持ち、スチールパニシュの吹き飛ばしやグランドマンによるスラッシュクロスの解除を防ぐ
・後続にエリアスチールやパネルスチールを選び、相手の後続のエリアスチールでエリアを取り返されるのを防ぐ
とすることで上記の対処法への対応が可能になります。

このように
互いにチップを使わないなら勝てる状況(≒HPが互角であればDPSで有利な状況)を作る
→不利側はその状況を脱出できるようにチップを使う
→有利側はその状況を維持できるように対応する
(状況を維持できない場合は、高火力の攻撃チップでカットインすることで有利な状況を解消される代わりに相手のHPを削る)
というのが大まかな試合展開となります。

ここまで、最も重要な要素であるDPSを中心に説明しましたが、あくまで勝利条件は先にHPを0にした方が勝ちであり、DPSはその手段にすぎません。
相手のHPが少なくなればなるほど継続火力であるDPSの重要度は落ち、チップによる瞬間火力の重要度が増します。

よって正確には「DPS」「残りHP」「チップのリソース」の3つの要素が総合的な有利/不利を決定します。※2

※1 DPS(=Damege Per Second、秒間火力)は通常「1秒間に与えられるダメージ」を指すゲーム用語ですが、エグゼの場合は「1秒間」ではなく「ヘビーゲージ下における1ターン当たりのダメージ」が基準になることが多いです。
そのため、用語の意味としては正確ではないですが、ゲーム用語として慣習的な表現ですので、本記事においてはDPSという表現を用います。
また、本記事においてのDPSは有限リソースであるバトルチップによる火力は考慮しません。
・Bボタンため撃ち(=CS、チャージショットと同義)、
・Bボタン(バスター、改造カードによるBボタンクラックシュートなど)
上記のようなリソースを消費しない攻撃を前提とします。

※2 「逃げ」と呼ばれる判定勝ちを積極的に狙う戦法の場合は、この3点に加えて「時間」という第4の要素が発生します。煩雑になるため、今回は説明を割愛します。

4.チップの具体的な選び方について

さて、ここから本題となるチップの選び方について詳細に説明します。
最初にそのターン使うコードを考え、次にそのターンの開始時にカットイン狙いで待ちから入るか先出しから入るかを考えて1枚目を決めるというのが、初心者、中級者の方にお勧めのやり方です。※3

なお、非暗転チップについてはカットインができない仕様上、抱えている時間がそのまま隙になります。そのため基本的には即座に使えるように選び、先出しと同じ性質を持ちます。

※3 慣れたプレイヤーはそのターン使うすべてのチップについてカットイン狙いで待って使うか先出しするかを無意識のうちに判断しながらチップを選んでいます。

4-1.待ち

先ほどのスラッシュクロスの例など、一番基本的かつ出現頻度の多い動きです。
"互いにチップを使わないなら勝てる状況"を作った後、相手が先出しすることを利用して防御チップで相手の攻撃チップを防いだり、相手がエリアを取り返そうとしてきたところに高火力の攻撃チップを差し込んだりすることを想定した選び方です。

特にスラッシュクロスなどのエリアを詰めてCSで殴る戦法の場合、
カワリミやドリームオーラはスチールパニシュ/リベンジの吹き飛ばし効果をキャンセルできるため ※4、単なる防御チップとしての用途だけでなく、エリア維持にも使えます。
逆にスチールパニシュ/リベンジは対インビジブル性能を持っている※5 ため、インビジブルは防御チップとしては優秀ですが、吹き飛ばし効果を防げずエリア維持には適しません。

この待ちを成立させるためには、自分と相手のどっちが有利かを見極められないとどうしようもないので、初心者の人はまずはそこを意識するとよいと思います。

※4 吹き飛ばしを防いだ場合もスチールパニシュ/リベンジのエリア返し効果自体は残ります。
そのため安易に後ろに下がったり、フウジンラケットで吹き飛ばされたりするとエリアを取り返されます。

※5 スチールパニシュ/リベンジの効果は作品によって異なります。例えばエグゼ5ではエリア返しの効果はあるものの対インビジブル性能はないため、インビジブルで防げます。

4-2.先出し

後出し側が有利(カットイン狙いで待つ側が有利)という原則が成り立つと書きましたが、不利状況では先出しせざるを得ないですし、例外的に"互いにチップを使わないなら勝てる状況"でも先出しをする場合があります。

①奇襲狙い
暗転チップのカットイン狙いで待っている相手に対して、CSの撃ち合いに大幅有利に立てるアンインストールを付与したマシンガンを当てたり、相手のドリームオーラをフウジンラケットで吹き飛ばしたりなどで、しれっとDPSの有利不利を入れ替える動きです。
フォルダの大半を暗転チップで占めるからこそ、非暗転チップによる奇襲が成立します。

対戦のレベルが上がると、この奇襲を読んで逆に暗転を先出しして狙うみたいな動きもありますが、最初のうちは意識しなくてよいと思います。

②防御チップを纏っている状態でターンを終える
先出し暗転の最大のリスクは攻撃チップでカットインされた場合に損することなので、前ターン終了直前に防御チップを使うなど、ターン開始時に防御チップを纏った状態であれば低リスク※6 で先出しが可能です。

また、相手のCSで無敵(ショートインビジ)が発生するタイプの場合、ターン開始時に防御チップを纏っていない状況でも、CS被弾直後のタイミングを利用して疑似的に似た状況を作り出すことが可能です。

※6 カワリミに対するマグナムやキラーマン、インビジブルに対するジャッジマンやキラーマンなど防御チップを貫通できる攻撃チップがあるためノーリスクではなく、低リスクとしています。

4-3.チップを2枚使った先出しと待ちの両対応

チップを2枚使うことで先出しによるリスクを減らします。
先出しと待ちの両方の性質を併せ持つ、重要テクニックです。

相手にカットインされることを想定し、2枚目に本当に使いたいチップを選んで1枚目を最速で使います。
1枚目に対して不利なチップでカットインされた場合はさらに2枚目でカットインして、1枚目は捨てるというやり方です。

要するに1枚目を囮のように使います。
メリットは相手が防御チップで待っていても、攻撃チップで待っていてもどちらでも対応できることが多く、かなり安全に試合運びができることです。
デメリットは2枚目を使うことになった場合、後出しができる代わりに2:1交換となり、チップの消費が激しいことです。

これは具体例を紹介したほうが早いかと思いますので、3つ紹介します。
①エリアスチール→防御チップ(またはエリアスチール→攻撃チップ)
解説)エリアスチールを使った基本となる並びです。
グレイガ版の戦法、特にスラッシュが初心者向けに推奨されるのはこの動きを自然に学べる点が大きいです。
中でもエリアスチールが通ることでこちらの"互いにチップを使わないなら勝てる状況"を作れる場合、相手目線では一方的にエリアが奪われるか、囮だとわかりつつもカットインせざるを得ないため、こちらに有利な2択を迫れます。

②カワリミ→インビジブル→+α
解説)防御チップを2枚使った基本となる並びです。
カワリミで攻撃チップのカットインを誘発し、それをインビジブルで防ぐことで相手の1枚目の攻撃チップを防いだ上で6秒間の行動保証が得られます。
その間、エリア操作等を行うことで安全に"互いにチップを使わないなら勝てる状況"の形成が可能です。
仮にカワリミに攻撃チップでカットインされなかった場合、カワリミを貼っていることで安全にインビジブルを先出しでき、続く3枚目以降も安全に先出しできます。
最大のデメリットとしては防御チップの消費が激しいことです。

③攻撃チップ→防御チップ→スチールパニシュ
解説)エリア状況が負けているときに行う、応用編の並びです。
スチールパニシュのコードの都合上、攻撃チップはグランドマン*、ブルースSP、ブラストマンSPのいずれかの場合が多いです。細かい話になるため場合分けします。

(1)相手が1枚目攻撃チップで待っている場合
攻撃チップで相手の攻撃を誘発した後に、それを防御し、攻撃チップを切らせたのちにスチールパニシュを先出しすることで、相手が2連続で攻撃チップを選んでいない限り安全にエリアを取り返すという動きが可能です。

(2)相手が1枚目防御チップで待っている場合は攻撃チップで相手の防御チップを誘発した後に、スチールパニシュを使いエリアを取り戻せます。

具体的には
(2-1)相手の1枚目がインビジブルの場合
攻撃チップで相手のインビジブルを誘発し、その直後にスチールパニシュを撃つことで、スチールパニシュが対インビジブル性能を持っているため、即座にインビジブルを解除しつつエリアを取り返せます。
(2-2)相手の1枚目がカワリミの場合
攻撃チップで相手のカワリミを誘発し、その直後にスチールパニシュを撃つことで、スチールパニシュの吹き飛ばしをカワリミで防ぐことができなくなります。
さらに、上述のカワリミ→インビジブルの並びの場合もカワリミを切らせた後に自分の1枚目スチールパニシュvs相手の1枚目インビジブルという状況を作れます。スチールパニシュには対インビジブルがついているためインビジブルで防げないためエリアを取り返せます。

この選択の欠点として相手がバリア系統→カワリミとしていた場合とカワリミ→攻撃チップとしていた場合は裏目になります。
ただ後者のカワリミ→攻撃チップの並びは選び方の基本となるエリアスチール→防御チップ(またはエリアスチール→攻撃チップ)の並びが裏目になるため相手目線で選びにくいところではあります。

5.選び方クイズ

上記を踏まえたクイズです。

下記画像の状況でターンが終了し、次のカスタムで
ノイズストーム
ノイズストーム
グランドマンSP
アンインストール
インビジブル
の計5枚を選択するとします。
相手のフォルダ内に、グレイガとインビジブルが残っていると仮定した場合の最適な選び順は?


















答え
ノイズストーム→アンインストール→グランドマンSP→インビジブル→ノイズストーム

解説
真っ先に考えるべきことはアンインストールを付与したノイズストームがヒットすれば、アーマー解除付きの多段攻撃により、たとえアンダーシャツがあろうと貫通してそこで試合が終わることです。(→先出しによる奇襲狙い)

こちらのノイズストームの最速使用と同時に、相手のインビジブルやグレイガを発動した場合、グランドマンSPをカットインすることにより130×3の多段攻撃が先に発動し、この場合もアンダーシャツを貫通してとどめとなります。(→チップを2枚使った先出しと待ちの両対応)
このノイズストーム→グランドマンSPによる隙を生じぬ2段構えのリーサル手順は頻出なので覚えておくとお得です。飛天御剣流。

残りのインビジブル→ノイズストームの順番ですが、
自分:ノイズストーム最速使用
相手:ノイズストームと同時にインビジブル先出し
自分:インビジブルに対し、カットイングランドマンSP
相手:グランドマンSPに対し、カットイングレイガ
となった場合に、
自分:グレイガに対し、カットインインビジブル
とできるようにすることで、相手がインビジ→グレイガと選択していた場合の負け筋を回避できます。

この場合、グレイガはXコードのみ存在するチップで、強力な攻撃チップとセットで選べません。そのため、相手の後続の攻撃チップでこちらが一気に削り切られることはありません。
その後は相手のチップリカバリーで回復された分をCSやバスターで削り、HPを141以下にしたらノイズストームを使いアンダーシャツを貫通してとどめです。

6.宣伝

戻りました。りょうたくです。
前の記事にもありましたが、またDiscordサーバーについて載せておきます。
定期的にオフ会を開催しているフリスビー研究会の友人がアドコレスクエアというサーバーを作ってました。エグゼ関係の雑談や対戦募集ができます。現状ランクマがあるのでそれで十分という方もいるとは思いますが、より強い人と戦いたい! という方は入るといいと思います。

※エグゼオフの会場を押さえる際に、なんとなくフリスビー研究会を名乗ったことがきっかけで、当エグゼオフ=フリスビー研究会の呼称が定着しました 実際は誰もフリスビーの事は何一つ分かりません。


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