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横断歩道を渡る人たち

Mr.Childrenの楽曲で、僕が大好きな曲だ。この曲の歌詞には桜井さんのものの見方が如実に表れていてとても面白い。中でも僕の大好きな部分がこれ。

「イライラした母親は物分かりの悪い息子の手を引っ張って もう何個も持ってるでしょとおもちゃの前で声をあげている 欲しがってるのはおもちゃじゃなく愛情で 拒んでるのも我慢を教えるための愛情で 人目も気にせず泣いて怒って その親子は愛し合っている」

どうだろう。一見すれば何でもない風景。これを桜井さんは愛し合っていると解釈している。この些細な日常を多角的に見ると、母親と息子お互いが求め、与えてあって、そこには愛情があるのだ。

他にもたくさんの日常の場面が登場して、その度かなり深く考察というか解釈がなされている。そして最後に 「横断歩道を渡る人たち 僕は信号が変わるのを待っている 昨日の僕が 明日の僕が 今目の前を通り過ぎていく」といって曲は終わる。

感じ方は色々あると思うが、日常の些細な出来事にも目を向けて、すごい速さで流れる時なかを一歩ずつ丁寧に歩いていこうよといったような意味かなと僕は感じた。桜井さんはよく、小さくて僕らもよく経験するような事柄から段々と大きな、普遍的なテーマに広げていくように歌詞を書く。これが僕は大好きで、この広がりこそ人がものを考える時の視点なんじゃないかと思う。

僕のここまでの人格を形成したのは桜井さんの書く詩だと言っても過言ではない。


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