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全てのインフルエンサーを傷付けたい : 絢寧「フェイク」MV監督&レーザー演出を担当しました。

先日、自身2本目となるミュージックビデオ監督&レーザー演出を担当したタレント絢寧さんの歌手デビュー曲「フェイク」のMVが公開となりました。

絢寧 - フェイク
https://youtu.be/WYfeLEzVibA

制作の経緯および自分の心境は公開と同時にTwitter投稿した文章を見てもらえたらと思います。

https://twitter.com/rk_wing_naiff/status/1223258554296987649

MV収録は都内の某ハウススタジオおよび近辺の外ロケで早朝から深夜近くにまで及びました。

本作のプロデューサーであるアパレルブランド、#ootd by KINGLYMASKの衣装の華やかな世界観とあえて相反する、どことなく冷たくかつ生活感のあるロケーションをぶつけることを特に意識しました。

まさにSNS世代のシンデレラガールと呼ぶに相応しい絢寧さんの存在を取り巻く、清濁入り混じったSNSありきの現代社会の実生活との関係性を描くことが狙いでした。

上記文言でも触れていますが、「有名人のそっくりさん」というきっかけで世に出た絢寧さんに「偽」という言葉を突きつける今回の物語は、あえて彼女を「傷付ける」ものであり、自分としても勇気と覚悟のいることでした。

拙いながらも必死に音楽を作り、ステージで全力で演奏し、写真の撮り方やメディア掲載でのアイデアに心を砕いてきてやっと、どうにかかつてバンド時代に最初に世に出ることの出来た世代の自分にとって、「プロではない人々」のSNSでの発信が数字の上では自分が成し遂げてきたものを軽々と超えていく今の世代のエンターテインメントの在り方は、やはり苦々しく忌むべき存在で、なかなか認められるものではありませんでした。

上記にあるように、絢寧さんがそんな世代の代弁者として「私のような存在は偽物だと思う」と言った時に、確かに溜飲の下がる思いのした自分の黒い感情を誤魔化してはならないと思いました。

「必死に物を作ってきたはずの自分よりも今多くの人の支持を得ている全てのインフルエンサーと呼ばれる存在を傷付ける」

これが「フェイク」の自分なりの裏テーマです。

美味しい料理、美しい景色、流行りの音楽に乗せたダンス、すべてあなたが作ったものなんかじゃない。

あなたは二次創作をタップひとつで褒められているだけの偽物だ。

それでいいのか?

かつての自分に強く強く渦巻いていた、そんな問いを「フェイク」には込めたつもりです。

旧世代に一度光を見て、今の世代に今一度光を掴もうとする者からのメッセージです。

そして作品内において、絢寧さんは本当に演者として終始強い目をしていました。
きっかけはどうあれ、彼女は間違いなく「本物」でした。
少なくとも、「本物であろう」とする姿勢が彼女を事実「本物」たらしめていたように監督目線として断言出来ます。

自分の問いの答えは彼女の歌と芝居と歌詞の最後の1行に集約されているように思います。

どうか今の世代を生きる人の多くの心に届いて欲しいと思います。

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