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002【校務改善(事例紹介)】"持続可能"をテーマにとにかくやってみた。

0.MIEEの活動報告として

 R3→R4の年度切り替えに伴い、M365ツールを活用した校務改善を今年度のテーマにしました。3月~6月での4か月間で実践した内容をこちらにまとめます。作成したツールやシステムが数年間は使えるよう、また自分の学校以外でも使いまわせるような自由度を持つように意識してます。はやりの言葉を引用して、いわば"持続可能"を意識して作成しました。
 MIEEとして第一線で先進的なことはまだまだ挑戦できていない部分が多々ありますが、実経験として取り組んできたこと、その中で感じた成果と課題については参考にしていただけると考えています。各項目について長文になりますが、興味のある部分だけでもお付き合いください。

1.Teams環境整備(3月~4月)

 R3年度末、COVID-19の第6波に伴い、全校休校オンライン授業の実施があり、事前に用意していたTeamsのチーム設定が功を奏し、スムーズに教員全体に広めることができました。
 チーム作りに際しては「PCに不慣れな教員が分かりやすい制度にする」ことを第一に考えています。同年9月に教員対象の研修会を行い、その時点でこの方針は決まっていました。具体的に行った工夫は以下です。

□ 最小限のチーム数にする。
□ 関係のないチームは表示させないようにする。
□ あえて使う機能を制限して、運営ルールを決める。

 例えば、Teams「課題」機能を使う際、同一チーム内のメンバー全員に同じ課題が配信されます。この機能を使用するのであれば科目ごとにチームを作成する必要がありますが、あえて選択科目の枠はそのままで(チャネルは科目ごとに分けて)作成しました。実際の現場では、教員ごと、科目ごとICT活用に対する関心・技能は大きな差があります。ゆえに、まずは全員に取り組んでほしいことを提示し、その上で教員の技量・アイデアや教科の特性を活かせるように随時相談をしながら派生させていくのが良いと考えました。

 年度が替わるタイミングで、現状のTeamsの運営ルールについて教員にアンケートを実施し、教員側が慣れてきていることや、新年度入学制から始まるBYODの本格実施に向けた対策などを考慮し、R4年度のTeams運営のルールを作成しました。昨年度との大きな変更点は以下です。

□ チームの作成権限について
(旧)担当者のみ作成 → (新)誰でも作成可(担当者(私)をチームに参加させる※)
※年度更新時に不要なチームが残らないようにするため

今後も根幹は変えずに、その時々で運営ルールを教員間で共有しながら進めていきたいと考えています。

2.教員向けOneNote研修(5月~)

 山梨県の公立高等学校では、教員・生徒全員にM365アカウントが配布されています。BYODをはじめとする教育DXに対応するために、(本県では)OneNoteを利活用するのが最適だと考えました。
 一方で、OneNoteを積極的に活用している教員は少ない(ほとんど0)なのが実情です。本校の教員に向けては、実際に触ってもらうために職員会議の後に時間をとる…といった研修は多忙化に直結してしまうので、誰でも好きな時間に見られ、互いに情報共有できるような研修の機会を作りました。
 Teamsの中に教員集団のチームがあります。そこでOneNoteアプリの活用(その他のICT活用も可)についてまとめるページを作成し、気軽に参加できるようにしています。

 立ち上げに当たり、まずは各教科で実践している授業資料をお借りし、「OneNoteだとこのようなことができます!」というような見本を作成しました。仕様書のようなものは読んでもらえない(私が読みたいと思わないので…)と考え、実際に教科で置き換えたものや、授業・校務活用素材ポータル (での実践例を紹介しながら馴染んでもらおうと考えました。様々な先生方から反響をもらい手ごたえを感じています。夏季休業中には教員全体での研修会を予定していますので、充実した内容になるよう、あらかじめ基本事項については共有していきたいと思います。
 また6月には本県で活躍されている他のMIE認定教員と視聴覚部会の場で研修会のお手伝いをさせていただきました。先生方が躓くポイントや実際の操作上の注意点などを深く学ぶ機会となりました。経験を自校に持ち帰り、実践し、広く広めていきたいです。

3.三者懇談日程希望調査Form(5月~)

 本校での探究活動はSDGsを主軸とした活動が行われています。その一方で、学校内のいたるところで教員からの資料や保護者宛て文書が飛び交っています。昨年度から個人的には様々な文書をデータで配信していますが、今年度は学校全体で使えるように書式を作成し共有しています。その1つとして三者懇談の日程希望調査フォームを作成しました。


昨年度からの取り組みの1つとして以下が課題に挙げられました。
□ Web形式を避ける保護者が一定数いる。(紙を好む?)
□ 慣れるまでは従来の紙面でのやり取りのほうが早い(?)。

 これらに対して私の結論は「慣れてもらうしかない」です。やや暴論かもしれませんが、人間は環境に慣れる生き物ですから、こちら(学校側)のスタンスを変えないことが重要だと考えました。今年度は2学年の担任をしておりますが、昨年度から担任をしていた生徒の保護者については対応していただけています。保護者向けのフォームを作成する際は以下に注意しています。
□ 回答必須項目は選択式にする。(自由記述にしない) 
□ 平均回答時間を3分以内にする。
□ 回答困難者へは紙面での提出を個別対応する旨を載せる。

他にも様々な書式について、年間を通してデータ化していきたいと考えています。

4.PowerAutomateによる校務自動化(6月)

 毎年、学校説明会やオープンスクールをはじめとした校外の方に向けた行事があります。昨年度よりオープンスクールの参加申し込みをFormsで行ったところ、中学校教員や保護者から「申し込みが簡単でとてもありがたい。」との声が多くありました。ただ、このような行事については周辺学校でも同様に開催されていることが多く、県下同じ形式に統一できれば中学生に対して親切ではないか、と考えます。視聴覚の教員を中心に情報を広めつつ、MIEの活動の一環として共有を進めていきたいです。
 今年度のオープンスクールの参加募集の担当が私になりました。よい機会ですから、以前から注目していた「PowerAutomate」を活用できないかと考えました。具体的にやりたいこととしては以下の2点が挙げられます。

□ 申し込み時にメールアドレスを任意に回収し、
   回収できたものについてはリマインダーを送信する。
□ 入力データについて本校で使う様式に自動で変形させる。

 メールアドレスを「任意回収」にした理由としては、メールアドレスを持たない(使用しない)生徒・保護者が多くいるためです。担当主任からは「全員から回収して、直接連絡を届くようにしたい」という要望があったものの、これが理由で参加しないとなったら本末転倒です。この折衷案としてこのような仕様を目指しました。

 私自身初めて使用しましたが、非常にわかりやすく、使いやすいものでした。さらに様々な場面で活用できそうな自由度の高さを実感しました。まだ使用したことがない方にこちらのアプリを紹介するとすれば
M365アプリ同士を組み合わせて、色々なことが自動化できるアプリ
という一言に尽きます。教員全員が使えるようになる必要はないとしても、各学校で使用できれば多忙化改善に一役を買うことになると信じています。

5.最後に

 今回の実践報告は「ぜひこの方法で!」とオススメできるものばかりではありません。ただ、実際に現場で様々な声を聴き、実践して得られた経験は少なからず意味のあるものであると考えています。これからも積極的に勉強し、それらを還元できるように活動をしていきたいと思います。

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