無用の用
無用の用。
これは、無用に思えるものも用をなしているという趣旨の老子の言葉である。
例えば器は、中に空洞があるからこそ用をなしている。
最近はこの言葉が頭にこびりついて離れない。
というのも、会社に属してから有用の用を意識することが増えたからだろう。
これは決して悪いことではないと認識している。
だれも無用に思えるものにお金は払いたくない。
あからさまに有用なもののほうが経済価値が高いのは自然なことで、有用なものを生産しているから、生活ができている。
ただ、最近は有用なものに触れすぎているとも感じる。
仕事以外にも、SNSでは生活tipsや、お金の稼ぎ方に関する投稿が流れてくる。
電車の中には仕事術に関する広告がある。
人と話していても、有用なものにしか価値がないと考えているような返事をされることもある。
有用の用にしか興味がない人が多い。
有用の用がなせるのは、無用の用があるからだ。
広告だって、芸術だって、音楽だって無用(に思えるもの)のおかげで成り立っている。
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