薄い年末、ぼやける冬

破り捨てる日めくりカレンダーのように、1人、また1人と通勤列車の乗客が減っていく。

隙間の空いた生温い車内に、冷たい風がよく通る。

また14日後に会うのに、1人、また1人と肌に合わない年末の挨拶を済ませていく。

箱に詰めて崩れたあのケーキじゃないんだから。

届けて、開けて、丁寧な心が伝われば。

はなから翌日の安くなったケーキを狙って強かに生きる人には他人事だけど。

緑が白に移り変わるこの隙間に日常と本性が顔を見せる。

12月27日ってそんな気分。

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