【ラジオDJへの道】第83歩:エピソードトーク&曲紹介Vol.74「酒田と最上川のドライブ話」「最上川(山形県民の歌)」
3日目分は一日遅れでの収録となりました。いやあ、色々でした。
というわけで。旅3日目、5/1の模様をお送りする第74回目です。
酒田→遊佐町
・鳥海山大物忌神社 蕨岡口ノ宮
まず向かったのは、出羽国一宮である”鳥海山大物忌神社”の里宮の一つである蕨岡口ノ宮。
鳥海山大物忌神社は、本宮が鳥海山の山頂にあり、参拝しようと思うと片道4時間以上の登山となる、一宮巡りの中でも最も難所とされている場所。
今回実は登山参拝を真剣に検討してたんですが、この時期まではまだ雪も完全に解けてないということで、登山初心者には荷が重い(なにせ高野山でやらかしてるから)と諦めたんですよね。
その代わりに里宮である口ノ宮は両方とも参拝しようと思ったわけです。
何故口ノ宮が二つあるか、はWikiでも見ると分かるんですが、要は江戸時代から互いに「我々側が正当だ!」という争いをずっとやっていたということで。昔からあるんですよね、そういうの。
で、色々な変遷や衰退を経て、本宮の他に二つの里宮も合わせて出羽国一宮です、となったわけです。
この蕨岡口ノ宮というと、江戸時代の論争では勝利して一時はかなりの隆盛を誇っていたものの、明治時代の神仏分離の流れに乗れず、勢いは逆転。今では無人の神社となってしまいました。
とはいえこの日は大雨で参拝客が僕一人ということもあり、逆にかなり神々しいというか荘厳な感じで身が引き締まりましたね。
・鳥海山大物忌神社 吹浦口ノ宮
蕨岡口ノ宮の駐車場でstand.fmの収録を人知れず行った後(笑)、次に向かったのはもう一つの里宮である吹浦口ノ宮。車で20分くらいですかね。
結局この争いというのは、この二つ以外も含めて鳥海山へ登るための道がある場所同士で争っているわけですね。いわゆる”〇〇口”みたいな。
で、その中で最も勢いがあったのが蕨岡と吹浦で、それぞれに信者がついてかなり激しい争いだったみたいですが、江戸時代は蕨岡、そして明治時代以降はこの吹浦が覇権を握った、みたいな感じでしょう。
ここには神主さんが常駐していて、蕨岡の方の御朱印もここでもらえるみたいですね。
参拝客は数組で、蕨岡よりは人気はありましたが、それでも一宮としては少し寂しい。まあ大雨だからということもあるかもですが。
拝殿から階段で繋がる先に本殿があるという造りで、本殿は横から遠目で眺めるしかないのが少し残念。
酒田市内散策
・本間美術館
北前船で財を成し、日本有数の豪商となった本間家。その当主は藩の財政面のサポートも求められるほどだったとか。
それくらいの財力を誇った本間家ですが、地域への尽力も忘れず今でも偉人として尊敬されていたりします。
そんな本間家のコレクションを集めた美術館がこちら。併設で茶室や立派な日本庭園もあります。
正直美術館のコレクションはとても見応えがあったんですよ。武田信玄や徳川家康といった有名武将の直筆文書だったり、後期だと正にいま大河で注目されている北条義時や木曽義仲の書状も展示されるみたいだし。
でも何がしんどかったって、何故か二階に設置されているグランドピアノの調律をずっとやっていて、その音がずっと耳障りだったんです。
僕も10年以上ピアノをやっていましたし、調律の重要性とか理解してるんですけど、何もお客さんがたくさん居る営業時間にやることないでしょう、と。ほんと不快というか全く集中できなかったのが残念過ぎました。
その分、日本庭園は立派でしたね。全国で色々な大名庭園を見て来ましたが、もちろん広さでは劣るもののセンスは勝るとも劣らない感じで。
ほんと、なんでピアノの調律なんかしたのかなあ。しかもゴールデンウィークに・・・。
・舞妓茶屋 相馬楼
酒田の街は江戸時代から北前船で栄えた街。その北前船では日本全国から様々な文化が広がっていったわけですが、酒田にも京の料亭文化が入ってきたようで、酒田の老舗の料亭の一つだったのがこちら。
今では料亭は廃業していますが、地元の有志の支援で観光施設として復活。舞妓さんが舞ってくれる舞子茶屋として営業しています。
今回僕は時間が合わなかったこと、京都の先斗町でお座敷は体験済みということもあって、施設見学のみの予約です。
個人的に料亭文化というか、より直接的な表現をすると遊郭の文化は興味があって、吉原はもちろんのこと、長崎の丸山遊郭跡地だったりも見学してきたわけなので、この相馬楼も非常に興味深く見学しました。
あとJRの「大人の休日倶楽部」のポスターになった場所っていうのも満足度高いというか、行きたくなりますね。
合わせて酒田に長い間滞在していた竹久夢二の美術館も併設されていて、ここでは夢二の女性画と共にモデルとなった実在の女性たちの写真をセットで展示していてとても分かりやすいというか、こういう見方もあるのかと感心したのでした。
・山王くらぶ
酒田市にあるもう一つの料亭建築。
こちらの見所はなんといっても”傘福”。もう見事な展示ですね。インスタ映え(もう死語?)する場所です。
いわゆるつるし飾りで、福岡県柳川市の”さげもん”、静岡県稲取の”雛のつるし飾り”と共に「三大つるし飾り」と言われてます。
何故全国でこの三か所かというと、やはり北前船の寄港地だったから、ということのようで。やはりそこでの文化貢献はだいぶありそうですね。
一つ一つの細工も良くできていて、それを見るだけでも十分楽しめます。いやあ、見事。
あとは竹久夢二がよく使っていたという「夢二の間」もあります。
・山居倉庫
酒田といえば、の観光スポット。米穀の保管庫で、白壁土蔵が目立ちますね。「おしん」のロケでも使われたようです。
今も貯蔵庫として使われているんですが、一部は「庄内米歴史資料館」や物産館もあり、人気の観光スポットですね。
僕が到着した時間が遅かったんで、資料館は閉館時間ギリギリ。周りを散歩してお土産買って後にしました。
秋とかはまた風情がありそうですな~。
・土門拳記念館
20年も前、大学時代に行った山形旅行でも思い出に残っている場所に再訪です。
世界的な写真家である土門拳の作品が展示されている施設で、今回の企画展はなんと木村伊兵衛生誕120年記念ということで、土門拳と木村伊兵衛の両方の作品が楽しめるという夢のような内容。
どちらも好きな僕にとってはたまらない展示で、かつ同じテーマ、例えば「沖縄」とか「こども」とか、そういうテーマでそれぞれの写真を展示してあるので、両氏の表現の違いが分かるんですよね。とても興味深く鑑賞しました。
あと作品の接写以外の写真撮影もOKだったのも良かったなと。
最上川
・最上川芭蕉ライン
道中、酒田から少し離れまして、一時間ほど車を飛ばしてこちらへ。
「プロが選ぶ水上観光船ランキング第一位」が売りの観光船に乗ります。
最上川は、「五月雨を集めて早し最上川」という有名な松尾芭蕉の句でも知られていますが、この日は大雨だったもののまだ水流はそこまでではなく、ゆったりとした船旅を楽しめました。
ちょうどこの時期は知床の事故のことが連日報道されていることもあって、安全面の説明は入念にしていましたね。
川船は船底が真っ平になっていますし、波もほとんどないわけでほとんど危険はないわけですが、やはり心配にはなるわけで。
船の中では、他のお客さんは注文した弁当を食べているわけですが、僕はというと名物の餅とノンアルビール。船頭さんの唄う山形の歌が心地よい船旅でした。
酒田→秋田
酒田から秋田へはJR羽越本線で2時間弱の電車旅。途中は海外線を通るんですけど、ちょうど夕暮れ時で綺麗な夕日を眺めながらの旅となりました。これぞ旅!という感じ。
・秋田川反
秋田一の繁華街が、川反(かわばた)エリア。かつて花街があったこともあり、昔から栄えた場所ということで。
ここには多くの名店がひしめき合っていて、今回の旅で行きたいと思っているお店も多いわけですが、この日は鶏を食べたい気分だったので、向かったのが「一の酉」。繁盛してますね~。
stand.fmでも話してますが、お店側の期待に沿うべくだいぶ食べましたよ。あー、お腹いっぱい。でも美味しかったです、比内地鶏。
というわけで、この日は秋田の夜を楽しく過ごしたのでした。
さて曲です。今回は最上川の川下りのインパクトが強くて選んだ曲というのが山形県民の歌「最上川」です。
サムネイルで分かりますが、昭和天皇が作詞されたんですかね?
ということで調べてみたら、昭和天皇の詩が先にあってそれを許可をもらって歌にした、という経緯のようです。
聞いてみると非常に威厳のある曲で、良いですよね。山形県の学校では合唱で歌ったりするところもあったようです。
MV(という表現じゃないかもですが)の最上川の風景ともマッチしている感じです。
というわけで、また次回!