え〜すて🍁単独を多ステしんどかった話。

これから書く内容は多分大半の人は不快だと思うし、腹が立つと思う。きっとどこかで叩かれるのだろうしその度に私は辛くなるのだと思う。正直まだ覚悟決まってないけど、私なりのけじめのつもりで書きました。お目汚しごめんなさい

2019.3.24。

その日私は千葉の端っこの方の映画館で秋冬公演の千秋楽を見ていました。人生初の2,5次元舞台となった秋冬公演はありがたいことに苦労せず2公演生で観劇することができ、倦厭していた世界の圧倒的な熱量に一瞬で魅了され、ワクワクしながら映画館の硬いシートに座っていました。当時の私はものを知らないオタクだったので、ライビュの内容を知らず、カテコの途中で切り替わった映像に唖然としました。と同時に発表された春組、夏組の単独公演に興奮し、そしてその先に最推しの主演公演が控えていることを察し、ほとんどパニック状態でした。

終演後スマホを見ていると、流れてきた「演者の1人がカーテンコールで涙ぐんでいた」というツイート。ライブビューイングでは配信のなかった、現地で観劇していた人だけが知り得る情報。率直な感想は「めちゃくちゃ悔しい」でした。大好きな組が誕生した大好きな公演。その幕が降りる瞬間のその場の熱を私は知らない。悲しかった。いつか円盤で見られるとしても、その日に共有できるのとそれ以外では全然違う。悔しくて悔しくて、そして思った。「最推しの主演公演、同じように映画館で唇を噛みしめるのか？」と。絶対に嫌だった。直前にあったブルライの神戸公演で涙を飲んだばかりだった私は、その感情を経験したばかりだったから、その瞬間がよりリアルに想像できて、頭が真っ赤になるくらい悔しさで燃え上がった。最推しが主演舞台から降りるその時にどんな顔をするのか、なにを言ってくれるのか。自分の目で、耳で、確かめたいと思った。そしてその日のうちに「チケット相互協力」のツイートをしました。ここが私の秋組単独のスタートです。

では、なぜ「相互協力」という手段を選んだのか。まず、1番大きかったのは「絶対に転売では買いたくない」という理由でした。当時繋がっていた友人の1人に、転売チケットで入った人がいて、今までぼんやりと遠いの話だと思っていた転売問題をすごく身近に感じ、絶対に公式だけにお金が入る方法でチケットを確保しようと誓いました。私は自分の運に全くの信頼を置いておらず、こういった倍率の高いもので努力でどうにもできない類のものは9割負けてきた人生だったため、そうなるともう選択肢は「数を増やす」しか残りませんでした。しかし、私にはチケットの応募を手伝ってくれるような友人の心当たりがほとんどなかった。お願いできる人、かつ応募してくれそうな人を考えた時、自分と家族を含めても10名義も用意できないなと思いました。TwitterやInstagramのオタク仲間はきっと、私なんか手伝わないと思ってた。卑屈で優しくもない上に、なにも返せるものがない無価値な私は、人望の厚いその他大勢の人とかけられる天秤で、勝てる気が微塵もしなかった。それに対してとやかく思ってはいなかった、当たり前だと思ってた。ただただ「友達にお願いする」ということが絶望的だという客観的な事実だけがそこには残った。

その時に見つけたのが「相互協力で名義数を集めて戦った」というあるオタクのブログ。本当にスマホに穴があくんじゃないかというくらい何回も何回もその記事を読んだ。今回この文を書こうと思ったのも、彼女のブログとの出会いが大きいと思う。そのブログは私の心の拠り所だった。そこにはどうやって名義を集めたか、どんな苦労があったか、どんなことに気をつけるべきか、などがかなり細かく書いてあって、とても参考になった。そのブログがあったから、私は大事故には会わずにすんだんだと思う。細かいことはおいおい書いていくけど、とりあえずそれがきっかけで「相互協力」という手段に出ることにした。とにかく友達がいなかったし、自分の存在価値の低さを考えたら「私という人間のために名義を貸してくれる友人」よりもはるかに「利害が一致した見ず知らずの他人」の方が確実に見つけられて手伝ってもらえると思っていました。

もちろん、一番正しいのは自名義一本勝負だということは重々承知です。外れたら潔く諦める。それが一番清く美しい在り方。自分がやってきたことを正当化するつもりはないです。それでも、道徳さえ守っていれば、多少強引なやり方であってもやってやろうと思っていた。なりふりなんか構ってられない、と思った。ただ、同時に覚悟は決めました。「毎日どこかで誰かに叩かれるだろうし、私がやってるのは真っ当な勝負ではない」ということだけは最初に言い聞かせた。相互協力をするにあたってこれが犯罪になるのか、ルール違反なのかを知りたかったからかなりTwitterでもサーチをかけたけど、やっぱり結構文句言われてた。でもそれは仕方ない、だって真っ当で潔白な戦い方ではない。誰かに叩かれること、文句を言われること、そしてその全ては正しい言い分であるということ。きちんと全部背負うことを決めた。でも今思うと、これは全部できてた「つもり」だったんだな、って思う。

3月末の段階では、エーステの相互協力は8割が春。残りの1割9分が夏組単独だった。でも秋も0ではなかった。私が募集かけ始めた時点で既に4,5人秋の名義集めてる人がいた。なんなら、冬もいた。すごい冬組。しばらくはその5人との戦いだったので、比較的集まりやすかった。2〜3ヶ月の間に30名義くらい集まったかな？学校の空き時間とか、バイトの休み時間のスマホを触れる時間はずっと相互協力探してた。人気の公演の相互協力は求めてる人がたくさんいるから誰かにとられてもすぐ他の人の同じ枠に入れるけど、募集かけてる人が少ない公演は戦争だった。その1名義が大きな差になる。だからスマホさわれる時間はずっとひたすら相互協力で検索をかけていた。遡って確認しては、最新まで戻って引っ張って更新されてるか確認して。視力激落ちしたの絶対この生活が原因だと思う。

秋組単独開催決定が発表された日から状況は一点。もうこの世の相互協力の求欄の半数くらいはエーステ。ここからはもう同等規模の2,5次元くらいしか枠の交換ができない。発表された日から、選考開始までの間で増えた名義はせいぜい5,6くらいだった気がします。

相互協力ってどういうイメージがありますか？頼まれたチケットに応募して、こっちも応募してもらう。まあ簡単に話せばそれだけだけど。例えば、あなたは1公演だけ申し込んでくださいとお願いしたのに、向こうから8公演分の申し込み依頼が来たらどうですか？全部出しますか？クレジットカードでの決済をお願いされたら？見ず知らずの人間が必ず入金してくれると信じられますか？もし相手の公演がめちゃくちゃ重複当選したら？相手はチケットの支払いができず入金が流れるかもしれない。そしたら、大事な大事な自名義に傷が付きます。逆もまたしかり、自分が協力をお願いする公演の倍率を読み間違えると当選祭りになって、傷をつけるわけにはいかないので全部入金、譲り先も見つからず…ということにもなりかねない。私は秋単と並行して他作品も3公演ほど相互協力で名義を集めたので、累計でいうと100に近い数他の方の公演のお手伝いをしましたがその中でアクシデントも何回かありました。というかなんなら今書いた例は全部私の実体験。入金を飛ばれたことが2回。協力を飛ばれたのが2回。それから、この細かい約束事の取り決めが不十分で意思の疎通が取れず揉めて破談になったのが1回。入金を飛ばれた2回のうち1件は他の方にお譲りできましたが、もう1件は譲り先も見つからずにチケットが流れてしまいました。でも、100回やって入金流れが1回。これはかなり健闘したと思う。この辺がさっき書いた例のブログのおかげだと思うところ。「こういう事件がおこりやすいよ」という内容を知っていたことで予め予防ができたし、入金流しをはじめ様々なトラブルで注意喚起されている人は片っ端から先行ブロック。かなりリスクを減らせたと思っています。それどころか優しい人も多くて、こちらからは一度しか協力していないにも関わらず何回もあるエーステの先行全てに協力してくれた人、作品をまたいで何作品もお手伝いしてくれた人、単発でのお約束だったのに、「今後もよかったらお互い協力しましょう！」とお声かけくださって、今でもやりとりをしている人。当たった時に自分の事のように喜んでくれた人の、「やっとお役に立てて嬉しいです！楽しんできてください！」という言葉は、エーステの期間中ずっと心の中に暖かくともっていました。見ず知らずの誰かの当選を、喜んでくれる人がいる。先行に何回も付き合ってくれるだけで本当にありがたいのに、こんな言葉をかけてくれる人がいる。きっかけは相互協力であっても、これもご縁だな、なんて思っていた。

結局選考が始まった秋頃までに、相互協力とリア友とで集まった名義は50ないかな…？くらいだった。でも、最後に1番の後押しになったのは、1番期待してなかったTwitterやInstagramのオタク仲間だった。ダメ元で協力を呼びかけたら、手伝うよ！と声をかけてくれた人が何人もいた。手伝いいる人言ってね、のツイートにもプライドも世間体も捨て片っ端から声をかけたら、みんな快く受けてくれた。中には、「ずっと頑張ってるの見てたから、絶対にあなたと行きたい。あなたが当たったチケットのどこかで私を連れてってくれるなら、私の名義は全部あなたとの連番に捧げる」と言ってくれた上に20以上名義集めてきてくれた人、「絶対にあなたに見てもらいたい、あなたに勝ち取ってもらいたい、いくらでも手伝う。」って言ってくれて、本当にずっと手伝ってくれた人、「秋はあなたのために名義積むよ」と言った後に、共通の知人と私が初日の連番を狙うと知って「2人のために9名義用意した、私が絶対2人の席用意する。」と言ってくれた人、おなじ秋組推しなのに、「私は今回はいいよ、あなたが行くべきだから、あなたに貸すよ」と言ってくれた人もいた。1個1個全部、誰がなんて声をかけてくれたか、ちゃんと覚えてる。どれもこれも、全部本当に大切な言葉で、本当に嬉しかったから。大事な大事な1席を、わたしに掛けてくれた。その事実が本当に嬉しかった。当たったらそれはもちろんものすごく嬉しいけど、正直当たんなくても良かった。私のためのその1枠が、どれほど嬉しかったか。単純な名義数が増えたことよりもはるかに、その暖かい気持ちが私の力になったし、活力だった。

(しんどい話まだ？て思ってる人ごめん、もう少しです。笑)

いよいよ始まった選考。結構既にロスだった。半年かけて集めてきたので、もう終わりに向かっているという事実が応えた。そして胃が飛び出そうなくらい緊張した。実際この時期はかなり胃薬のお世話になりました。笑 狙うは千秋楽、そして初日。数入りたかったのもあるけど、なによりも千秋楽に入りたかった。 大量に名義があると、連絡回るのも一苦労。全員に送りきったらDM制限がかかってしまった、なんてことしょっちゅうだった。どこにどれだけかけるかの調整も大変だったし、申し込み依頼、申し込んでもらえたかの確認、催促、当落予定日時の報告、当落確認、催促、入金連絡、次回先行予定日の連絡………。これを先行の回数分だけ、名義の数だけやった。中には1,2回の先行のお約束だったり、1,2公演のみの申し込みが条件だったりするので、そういうのも全部確認しながら。スマホの充電が秒速で無くなっていく毎日で、バッテリーが手放せなかった。

結論から言うと、最終的に初日ソワレ、大楽含めて複数公演入ることができた。ご縁あって東京楽にも入れたし、チケットの中には通路席が2回と、かなりの前方席もあった。神戸にも遠征した。めちゃくちゃ贅沢させてもらったと思う。もう大満足だった。そして本当にありがたかったのは、当選を自分の事のように喜んでくれるフォロワーたちだった。私との連番に大量の名義をかき集めてきてくれた友人はあなたの努力の力だよと私を肯定してくれたし、私と友人との初日連番の野望にベットしてくれた友人はなんと本当に初日のソワレを当ててくれて、2人の写真と投稿を待ってるで、って言ってくれた。「自分の分はもう十分だから、重複分あげるよ、楽しんどいで」とチケットを譲ってくれた人もいた。千秋楽が取れた日、沢山の友人が「おめでとう！よく頑張ったな！報われて本当によかった！」と祝ってくれた。その日私はとあるイベントで1人関西に遠征していて、物販の待機列に並んでいて。涙が止まらなくて、1人で抱えられなくて、勝手に電話をかけたフォロワーはすぐにでてくれて、泣きながら千秋楽が当たったと伝えた私に「おめでとう！すごい！そして私に1番に報告してくれたのが嬉しい！」と言ってくれた。自分も秋組推しなのに。心が広い。私みたいな狭量で卑屈で魅力もなにもない人間なんかに、こんな心の広い優しい友達がたくさん出来た事。その事実に毎日幸せだった。こうして大勝利で全ての先行を終えた。幸せでいっぱいだった。でも、辛いなってここからだったんだよね。私なんか全然覚悟足りてなかった。

当落が出るたびに、当たり前だけど沢山の「落ちた」「ダメだった」を見た。最初は次こそ、と燃えていた人も次第にやつれて、絶望ややりばのない怒りになる。相互協力でチケットを取ると決めた時に、私は自分の中でいくつかルールを決めた。そのうちの1つが、「連番で取れたチケットはバラして交換には出さずに、1枚は友達に譲る」だった。誠実な方法で戦ってない私の、誠実な友人たちへの、唯一できる誠意の見せ方はこれしかないと思ったから。みんなの協力のおかげで取れたチケットだから、みんなに還元する。もちろんそれで許されるなんてこれっぽっちも思ってないけど、私にできることはしたかった。私との連番にすべてをかけてくれた子には、2列目の席を用意できた。友人が譲ってくれたチケットの隣には、どうしてもあの日電話を取ってくれた彼女を呼びたくて、声を掛けた。神戸のチケットは立ち見になってしまったけど、友達と入れて本当に楽しかった。全部当然私の自己満でしかないけど、ちょっとでもお返しできたかな、なんて思っていた。

でも、フォロワーの「取れない」ってツイートを見る度に、譲渡ツイートへの大量のリプライを見る度に、罪悪感でいっぱいになった。私のこのチケットは、それだけの人数の犠牲の上に立ってるんだ、って思ったら、毎日鬱で、こんな状態で見るのは失礼じゃないか、とか、でもここまでしてこんだけ手伝ってもらって他の誰かに渡してしまうのってそれはそれで卑怯者なんじゃないか？とか、世間体とかそういうの捨ててでもと思って始めたはずなのに、ここにきて世間体を気にしてるのか？とか。初日観たらもっと辛くなった。夢にまで観た推しの主演公演はすごくすごく良くて、全人類にこれが私の推しだよ！と見せつけて回りたくなったと同時に、その見る機会を奪っているのは私自身だと思い出して吐き気がした。この人が大好きで、公演が素晴らしいからこそ、私はチケットを譲るべきなんじゃないか。でも、血の涙を飲んだ友人たちに対してあまりにも不誠実なんじゃないか、応援してくれた人たちの気持ちはどうなるんだ、とか。私が沢山入りたかったのは、本当に単純な「沢山観たい」という気持ちだけが原動力だったのに、今の私は数を積んだことに悦を覚えているんじゃないか？とか。それだけは絶対嫌だった。いくつか決めたルールの１つが、「数でマウントを取りたいだけになったらそのチケットは純粋に公演として楽しんでくれる人のもとに行くべきなので自分が楽しめる数を残して譲る」ことだったから、何回も何回も手持ちのチケットとにらめっこした。精神的にずっと沈んでいて、でもこの悩み自体が贅沢すぎるとも思って、それで余計に気落ちした。サーチをかけるとやっぱり相互協力に対する批判は時々目に入って、私がしたことは悪だったのかな、と毎日苦しかった。

それから、フォロワーから「運が強くていいね、」と言われる機会が増えた。自分のチケットが確保できて以降名義を貸した友人に、相互協力は悪だと言われたこともあった。やってることは同じで、ただ知人かそうじゃないか、そこに利害関係があるかどうかだけの差のはずなのに、手伝った人にそんな風に言われるとは思わずに、結構家で泣いたりした。わかってる、私だって多分逆の立場なら当たりたくなる。私のことが嫌いとかじゃなくて、やるせなくて怒りの矛先が私に向いたんだって、そこで私に向くのだってごく自然だって今はわかる。わかるけど、覚悟が足りてなかった私はかなり傷ついた。勝手だと思う、めっちゃ。向こうは悪くないし、何言われてもしかたないのに。運があってよかったね、と嫌味を混ぜて言われる度、最後は運かもしれないけど、それに伴う努力はしてきたつもりだと、でもそういうのは一切認められないよな、と思って奥歯を噛み締めたりもした。名義を集めるのも大変だったけど、春単独からずっと先行の研究をして、秋単の先行が始まってからも毎日毎日検索かけて、ちょっとでも当たりやすい方法、先行の癖みたいなものを必死に調べた。かけた労力と時間にはそれなりの自信がある。僻みや妬みを浴びる度に、その分頑張ったんだけどな、と寂しくなった。そして何より、こうやって全部、「取れたのにわがままを言ってる」になってしまうのがキツかった。いや当然なんだけど。沢山観られるのはとてもありがたい。本当に。それだけでもちろん十分だ。でも、何回入っても推しが通らなかったり、推しのアナウンスに当たれなかったりとか、それはそれでしんどいものがあって、たった1回の公演で推しとハイタッチできたり、何回も入っているうえに推しのアナウンスに高確率で当たったり、そういう人を見るたびに切なくなって、でもそれは望みすぎだってわかってるから誰にも愚痴れなくて、たまにちょっと溢れると、「通路近かっただけでいいじゃん」「入れただけいいじゃん」と返される。もちろんその通りだ。ただ誰にも嘆けずに消化できない悲しみはどんどん蓄積されていった。先行中も、例えば私が必死に半年かけて集めた名義数を、ストーリーの「手伝って欲しい〜！」の一声だけで軽々と集めてしまう人を見て、やるせなくなったりもした。秋組のあの字すらなくても人望があれば、私の半年の血の滲む努力は人気者の30分にも勝てないんだ、と虚しかったりした。わかってんだけどね、推し出てりゃ見たいし好きな人手伝いたいのもわかる。私がものすごく性格が悪いだけなのもわかってたからなおさら差を感じてキツかった。もともと卑屈でごちゃごちゃ考える私の頭は更に加速してって、でもそのたびに救ってくれたのもやっぱりフォロワーだった。

この1ヶ月半、というかなんなら名義集め始めたあの日からの1年弱、本当に気持ちの浮き沈みが激しくて、上がるとその分どん底まで落ちた。人の気持ちを考えずに浮かれてる自分が嫌すぎて。恨まれてでも行きたかったくせに嫌われないよう必死な自分が気持ち悪くて。でも始まったらやっぱり幸せで、毎公演本当に純粋に楽しみだった。「その日その瞬間は今しかない。」毎公演噛み締めてた、初めて見るアドリブ、その日だけのアクシデント、どんどんよくなっていく推しのダンス、昨日は気づかなかった演出の意図に涙したり、そういうかけがえのない一瞬一瞬に、そのたびにチケットが入ったカバンを抱きしめた。アニメイトに朝から並ばなくてもブロマイドが買えるとか、ライビュの先行に申し込む必要がないとか、そういうの全部本当にどんだけすごいことなんだろうと思ってそのたびに楽しむことが何よりの正義だと信じることができた。たまに、すごい数のチケットを並べて「中には直前でだるくなっちゃって干しちゃった日もあったけど笑」とか書いてる投稿とか見かけるけど、信じられない。毎日、ドキドキして同じくらい緊張して、ブザーが鳴るたびに背筋を伸ばして深呼吸してた。この1回を見たかった誰かに、「そんな風に見るなら私が座りたかった」なんて言わせないように。いや、こんな風に見たからって恨みが晴れたりとかじゃあ許すよなんてならないし、それとは関係なく純粋に楽しかったけど、いつもその瞬間、そこに誰かの恨みを宿して、その誰かと一緒に見てる気分だった。あなたの分も、誠心誠意楽しむよ、って。実際、始まるまでごちゃごちゃ考えてても、始まるともう夢中で、終わる頃にはいつも本当に楽しかったと心がホクホクしてた。何時間か経つとまた鬱にはなるけど。ちょっと吹っ切れ始めていた時だった。私の隣に座るはずだった子から、電話が来たのは。

彼女の固い決意と、そのあと鼻をすすりながら「ちゃんと伝えたかったんだ」と言ったその声に、私も泣いて、でも1番悲しいのも辛いのも本人だなって思ってすぐ辞めた。ここにも、あんまり書くのは辞めておく。ただ、その状況でフォロワーさんにチケットを譲ることを選んだ彼女に対して、なるべくいつも通り振る舞えるようにしたこと、隣に、本当は自分が座るはずだった席に知り合いが座るってきっと悔しいからと、当日たまたま同じ公演にいた友人にチケットを交換してもらってその子の知らない人を座らせたことは、ずっと後悔してる。結局私の個人的な考えで本人を深く傷つけた。一緒に見たかったなあ。終わったあと、どんな顔で「楽しかった！」って言ってくれるのか、とても楽しみだった。ごめんね。あなたが満開の笑顔で迎えられる舞台を、今一番祈っています。

千秋楽の日。何度も何度も取り出してはそっと撫でてきたチケットの半券が切られてしまうことが、寂しくて仕方なかった。夢にまで見た千秋楽の舞台は、怖くて寂しくて、そしてやっぱり罪悪感と「今日私は何人に恨まれてるんだろう。」という気持ちでいっぱいだった。恨み辛み妬み嫉みで生きてきた私にはよくわかる気持ちだった。全身にいろんな視線が突き刺さってる気がして、考えないようにしてたけど気をぬくと吐きそうだった。千秋楽の日の早朝、久しぶりにパニックになって大暴れしながら泣き叫んだ。溜まってた色んなしんどいことが親の一言で爆発して、柱に頭ガンガンぶつけて。朝の4時とか。でも親になんか色々言われて目が覚めたというか、変なスイッチ入って最終的に「ゼッテーこんな目腫らしたぶっすい顔なんかじゃ会いに行かない、」ってアイスノン持ち出して目冷やしながら寝た。二階席だし客降りもなくなったから関係ないっちゃないけど、私の人生最良の日だし。死んでも負けねぇ、って思って。何と戦ってんの？って感じなんだけど、その朝の私はとにかく戦に行くくらいの気持ちでいて、で、やっぱりその反動で死んでたんだけど。

あの日から、ちょっとギクシャクしてた友人が、「今日はあんたと手を繋いで見てるよ、遠いけど。手繋いでるから、」って言ってくれて。品川の駅前で始まる前に号泣してた人がいたらそれは私です。なんかさ、本当に色々あったんだよ。特にその子のこと、1番いっぱい考えてて。こんなことなら手伝わなきゃよかったのかなとか、どうすればよかったのかなとか、気持ちはわかるし、逆なら私も絶対言ってるし、きっと今日にたどり着くまでその子も沢山辛くて悩んで、私のこと嫌になったり腹立ったり悲しかったり、いっぱいして、いやわからんけど、紆余曲折を経て、最後の日に私に選んでくれた言葉がそれだったこと。この長くてあっという間だった1ヶ月半の、色んなものがぎゅっとそこに凝縮された瞬間だった。その瞬間に、私の秋組単独への色んな気持ちや出来事や悩みや喜びの全てが、完結した感じがした。ここにたどり着くための道だった気がした。行ってきます、って言ったら、いってらっしゃいって言ってくれた。終わったら、お疲れ様って言ってくれた。もらってばっかりだったから、冬は沢山返すつもりでいたのにな。返せるようなシステムじゃなくなってしまって、また大事な人を傷つけた。ごめん。

長い長い秋が終わってしまった。今私に残ったのは、この素晴らしい友人達だけだ。千秋楽の夜、会ってくれた友人に掛けられた「あなたはとても人に愛されてる人なんだね」という言葉にハッとした。ずっと愛されてないと思って生きてきて、みんなは私が好きじゃない、私なんかに良くしてくれる人は本当にごく少数のものすごくいい人と私なんかを好意的に思ってくれる変わり者だけ、て思ってた。でも、この親切は私に向けられた私のためのものだったのかも、とふと思った。あの日私に「強運だね」と言った人が言いたかったことがわかった。私に運があったとしたら、それはいい友人に恵まれたことだ。この秋は、私が1人で見たものじゃなかった。終わってやっと気づいたんだよね。本当に、そういうところだよ、と思います。

「これを受け取った人の今日が、楽しい日であるように」と勝手な願掛けをして、スリーブに貼っていた黄色いシールは、いつからか自分を励ますおまじないになってた。大丈夫、今日も黄色だよね、楽しめたね、次も黄色が貼れるよ、って自分の気持ちを鼓舞してた。受け取ってくれた人が「黄色いシール…！」って言ってくれるたびに、嬉しくて、ちょっと辛かった。なんでだろうね。

夢にまで見た千秋楽のカーテンコール、立ち上がって拍手して見た滲んだ景色は、気が抜けるほどいつも通りだった。なんなら終わってからDMMで見た映像のスパエモ前の例のセリフのがグッとはきた。二階席って顔なんかほぼ見えないからね、視力良くないと。でも、これが秋の出した答えなんだなって思った。日常の延長にあるちょっとだけ特別なその瞬間が、たまらなく愛しくて、そしてその瞬間に私は死んだ。生きてる意味が燃え尽きた。

私はこれから普通の就活生に戻る、というかエーステのために丸投げしてきてしまったので気合い入れて頑張らないといけない。こんな文章書いたからって許されるわけでも理解してもらえるわけでもない、罵ってもらおうとか言って多分、理解されたいのかなとか思ってまたちょっと自分にがっかりしているけど、思ってること全部書くことが、私の贖罪になるかなって。これ書いて、許される気になってる私に罵詈雑言を浴びせることが、罪を罪として自覚して償うために必要な過程なのかなって。

なんだか結局結論のない文章になってしまったし今私は私が何を言いたいのかわからないけど、楽しい思い出、嬉しい気持ち、辛い記憶、悲しい出来事も、全てが大切な1ページに、なったと思うんだ。結局そういう話かよって思われるかな。この歌、回を重ねるほど刺さったんだ。今、私の長い秋が終わって、次の季節へ向けて頑張ってる人がいる。その人達も、色んな苦労、苦悩があって、沢山行ってる人もまぁそこそこ大変なんだよって、これから次の季節を生きる人たちが少しでも生きやすく、悩むことなく舞台を楽しめるように。次に金木犀が咲く頃がまた私の戦なので、その時まで。眠たくなってきたので、ここで終わり。おやすみ。