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遠井さんシリーズ「須堂さん編」~ジェルくんからのメッセージと私の感想まとめ~

去る7月28日は、エンタメ・アイドルユニット「すとぷり」のメンバーで、オレンジ色担当、すとぷり最強のエンターテイナーである、ジェルくんの27歳のお誕生日でした。このお誕生日を記念した企画の1つとして、今年4周年を迎えた、ジェルくんのオリジナルアニメ「遠井さんシリーズ」にて、7月24日(月)より1週間、新しいストーリーの動画が、5日連続で投稿されました。(正確には、5日目はエンディング曲の歌の投稿だったので、ストーリーの動画としては4日間)今回のこの動画は、インターネット上での誹謗中傷についてとりあげた、これまでにないシリアスな内容で、反響もとても大きかったそうです。今日は、この遠井さんシリーズ「須堂さん編」の感想を記事としてまとめてみたいと思います。

!!ご注意!!
以下、思いっきり、ネタバレ含みます!
まだ見ていない方は、ぜひ下記の「須堂さん総集編」を先にご覧ください。

「須堂さん編」あらすじ

今回のストーリーは、遠井さんが主人公。仲の良い友達だと思っていた須堂さんが、陰で自分の悪口を言っているのを、偶然聞いてしまったところから物語が始まります。遠井さんは、須堂さんの本音を知るべく、ツイッターで須堂さんのアカウントを見つけますが、なんとそこにも自分の悪口が書かれていました。あまりのショックに、涙が止まらない遠井さん。そんな遠井さんの姿を目にした、ジェルくんとゆりちゃんが、優しく話を聞いてくれます。そして、この問題を解決するために、ジェルくんが、いつもの仲間を巻き込んでとある作戦に打って出ることに! 傷ついている遠井さんだけでなく、傷つけてしまった側の須堂さんをも救ってしまう、ジェルくんの考えた一大作戦とは…!!

私の心に残った2つのポイント

①ただ寄り添うことの難しさと大切さ
今回の動画の中で、私が素晴らしいなと思ったシーンの一つが、ツイッターでも悪口を書かれていたという事実を知り、教室で一人泣いていた遠井さんに気付いた時のジェルくんとゆりちゃんの対応です。二人は、優しく静かに声をかけ、決して無理強いすることなく、ゆっくりと、遠井さんが泣いている理由を聞いてあげました。

最終的に、ジェルくんの考えた作戦を実行することに決まるのですが、それもジェルくんの考えを押し付けるのではなく、「遠井さんはどうしたい?」と聞きながら、あくまでも遠井さんの気持ちに寄り添って一緒に考えていきました。こういうことができるのって、本当に素敵なことだけれど、案外難しいのではないかと思います。ついつい先走って、慰めるつもりでいろいろ言ってしまいがち…ですよね。

ここで思い出した自分の体験談があります。
過去の記事でも書いているとおり、うちは中1の娘が不登校で学校に行けていません。このことを、知人や友人に打ち明けた時の相手の反応は様々なのですが、すぐに意見やアドバイスを言われると、引いてしまって受け入れられないことが多いのですよね…。もちろん相手は善意で、私を励まそうと言ってくれていると分かっていても、むしろ傷ついたことさえありました。

でも、そんな中、高校時代から長年の付き合いである友人に、電話で娘のことを打ち明けた時のことです。彼女はまず、私の話を最後までじっと黙って聞いてくれました。そして、私がひととおり話し終えると、ひと言、こう言ったんです。
「つらかったね…。」
…って。
娘について大丈夫だよとか、不登校に対する意見とか、そういう言葉はいっさい言わず、友人である私自身がつらい思いをしていること、そこにただ寄り添ってくれた…。「つらかったね」シンプルなこの一言が、私の心に響き渡って、スマホを握りしめながら、懸命に泣かないよう堪えました。人が本当につらい時、アドバイスや意見なんて必要なくて、ただただ、つらく傷ついている心に、そっと寄り添ってくれるだけでいいのだなと思い知らされました。

目の前で、傷ついて泣いている遠井さんに、そっと寄り添ってあげたジェルくんとゆりちゃん、本当に素敵な友達だと思いました。お手本にしたいな…と思います。これまで自分自身、寄り添うより先に僭越なアドバイスをしたことも多々あったような気がして反省しきりです。相手の気持ちが落ち着いて、「じゃあ、どうしたい?」という段階なったら、そこで初めて相手の気持ちを尊重しながら一緒に考えてあげればいい。まずは、ただ何も言わずに相手の気持ちに寄り添うのが一番ということを、このシーンを見てあらためて教えられ、今後、肝に銘じていきたいと思いました。

②傷つけた側をも救う、ジェルくんの大作戦
そして、2つ目のポイントはやはり、遠井さんだけでなく、傷つけた側の須堂さんをも救うため、ジェルくんが考え出した作戦です。

お誕生日のカウントダウン配信の中で、ジェルくんが次のように言っていました。陰口や悪口を言う人の大半は、自分がしていることに無自覚であると。ただなんとなく、みんな言ってるから流されて言うとか。なんだかイライラするから言うとか。はたまた、考えて言ってると言いながらも、じつは人を批判したり悪く言ったりすることで、優越感に浸っている人もいる。そして、その人たちはみんな、自分の発信した言葉や文字で、相手がどれだけ傷ついているかということには、意識が向いていない…。

本当にその通りだと思いました。
今回のストーリーの中で須堂さんは、自分が発している言葉がここまで遠井さんを傷つけ追い詰めていることを自覚していません。だから、いきなり須堂さんに、「こんな悪口を書くなんて、ひどいじゃない?」と迫っても、「はい、そうですね、すみません」とは受け入れてもらえず、それどころか余計に頑なになって、心を閉ざしてしまうかもしれません。だからこそジェルくんは、須堂さんが、自分のしている行為がどれほど相手を傷つけているか?ということに、自分で気付くことが必要だと考えたのです。

ジェルくんとももちゃんが、演技とはいえ、遠井さんのことを悪く言い、ノートに悪口を書いていくシーンは、見ていて胸が苦しくなりましたが、その甲斐あって、ようやく須堂さんも、自分がどれだけひどいことをしていたか、気付くことになります。そして、須堂さんもじつは、過去にいじめられた経験があって、そのトラウマから遠井さんを誤解してしまい、陰口を言ったり、悪口をツイートしてしまったと打ち明けます。遠井さんも優しくその謝罪を受け入れて、2人が抱き合うシーンは本当に感動的でした。遠井さんのためならなんでもすると言って協力してくれた、いつものメンバー、ゆりちゃん、サタンくん、尾宅くん、ももちゃんの友情にも、ぐっときました。

ジェルくんからのメッセージを受けて

お叱りを受けることは承知で、あえて辛辣なことを書きますが、もちろん、現実ではこんな風にうまく解決できるとはかぎりません。いや、むしろ、こんなに素敵な友人も仲間もいなくて、心無い陰口や悪口に傷つき、一人孤独に暗闇を彷徨っている人たちのほうが、圧倒的に多いのではないかと思います。

最近、芸能人の方が、インターネットでの誹謗中傷に晒された挙句、自ら命を絶ってしまうという、あまりにも悲しくやりきれないニュースが、たびたび聞かれるようになりました。才能もあり、人生これからという若い命がそのような形でこの世から消えてしまうという事実、本当に痛ましくて、言葉も出てきません…。

だから、そういう事態になる前に、私たち一人一人がちょっと気をつければできること…。ジェルくんが配信の中で、伝えたいことがある、として言っていた言葉ですが、「誰かを批判するようなマイナスな言葉を使う時は考えなければならない」と…。本当にそのとおりだと思います。

インターネットのSNSは、匿名で自由に発言できることが最大の魅力ではありますが、「自由」には必ず「責任」が伴います。何も考えず、何でもしていい、という意味の自由ではないのです。その時、ほんの一瞬イライラしたとか、何となくちょっとムカついたとか、軽い気持ちで発信した言葉であっても。「ネットタトゥー」と言われるように、インターネット上に一度拡散された情報は、半永久的にインターネット上に残されるのです。自分が発したマイナスな言葉は、取り消すことはできません。そしてそれは、いつか必ず自分に返ってきて、自分にマイナスな影響をもたらすものだと私も思います。

だから、インターネット上で、何か自分が言葉を発信する時。自分が何気なく発したその一言が、この世界の片隅で、自分と同じように、笑って泣いて頑張って毎日を生きている誰かを傷つけ、追い込むことにならないか? 「投稿する」という青色のボタンを、ポチッとする前に、ほんの一瞬でいいから、そのことに思いを馳せることができれば、誹謗中傷により奪われる命は、きっとなくなるはずだと信じています。

そしてまた、悪口や陰口を言われ、誹謗中傷に晒されて、傷つき苦しんでいる方がいたら、どうか一人で抱え込まないでほしいと思います。「気にするな」とよく言うけれど、気にしないなんて無理です。それほどまでに、言葉の威力は強いものだと私は思います。一度、見てしまったら。読んでしまったら。心の中に深く刺さり、生涯残ります。私自身、ネット上でのトラブルを幾度か経験し、若かりしころに親しい友人からキツイ言葉を浴びせられたことがあるのですが、すでに20年以上経過した今も、その言葉ははっきりと覚えていて、思い出すと胸が痛むのです…。

だから、「こんなことぐらいで」とは思わずに、一人で抱え込まずに、誰でもいいから打ち明けて、相談してみてほしいと強く思います。あなたを理解してくれる味方は、必ずどこかにいるから。あなたの居場所は、必ずどこかにあるから。だから、どうかどうか、死なないでほしい。それだけを、心の底から、強く強く、願っています。

ジェルくんのとてつもない努力に尊敬と感謝!

最後に、この動画の作成に当たり、ジェルくんが費やしたであろう多大なる時間と労力に、心からの敬意と感謝の意を伝えたいと思います。この動画を仕上げるに当たり、約半月の間、自宅でほぼ缶詰め状態で作業をし、毎日投稿する時間のギリギリまで調整を重ねていたとのこと。

遠井さんシリーズでは、すべてのキャラクターの声をジェルくんが一人で演じ分けているので、このシリアスな作品で、特に後半、遠井さん、須堂さんが、涙ながらに真剣に語らうシーンの収録がいかに大変であったかは、ド素人の私でも容易に想像がつきます。また、アニメーションの細かな表情の動きと変化。こういったすべての細かな要素がすべて完璧に交じり合って、見ている人たちの心に真に迫る、リアリティーのある作品に仕上がるものなのだろうなぁと思いました。実際、見ている間は、ジェルくんが演じているということはすっかり意識から外れ、完全にこの動画の世界に入り込んで見入ってしまいました。

また、こういったシリアスなテーマを扱うこと自体が、そもそも勇気が要ることなのではないか?と想像します。SNSでの誹謗中傷という、タイムリーでありながら難しい問題を敢えて取り上げて、わかりやすいアニメ動画という形を通して、ご自身のメッセージを伝えてくれたジェルくんに、心から感謝します。ジェルくんの動画のお陰で、たくさんの気づきをもらい、また、一人の母親として、ネット時代を生きていく子供たちに伝えていかなければならない大切なことも、今一度、確認できました。実際のところ、親や先生という立場では、なかなか伝えきれないこともあります。特に思春期の子供達、周囲の大人の言うことにはなかなか素直に聞いてはくれないけれど、ジェルくんの遠井さんシリーズの動画なら。ジェルくんからの言葉だったら。耳を傾けてくれるかもしれないし、心に届くかもしれません。たくさんの子供達が、この遠井さんシリーズ「須堂さん編」を見てくれるように、私も願っています。

最後に、連続投稿の最終日に投稿された、遠井さんシリーズ初のオリジナル曲となる「遠い未来まで恋をして」にて、この記事を締めくくりたいと思います。ジェルくん曰く、9人分のレコーディングが本当に大変だったそうです。でも、「須堂さん編」のエンディングにふさわしい、メロディーも歌も歌詞も、最高に素敵な一曲です!

毎度ながらの長い記事…。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!