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自然は人間を癒すのか。

自然は人間を癒さない。
決して、自然は人間など癒さない。
自然は人間を癒すほど暇ではない。
自分の命を全うするのに毎日の時間を使っている。

では、”自然の何が、私たちを癒している”と感じさせるのか?

自然の中に身を置いていると、朝の鳥のさえずりから、刻一刻と変化する空模様、軒下にくっきりと影を落とす陽の光、風向きが変わり、凪いだ時、海を見渡すと海岸線はずっと奥まり、先ほどまで隠れていた岩場が連なる。

そういう、自然の何億年も変わらない営みや雄大さに触れると、自分の中にまだ残っている感動する心や自然と繋がっているという絶対感に触れることができる。

だから、自然そのものに癒されるわけではない。

自然の中に身を置くことで、埋もれていた自分の奥底にあるものにつながり、”私にも、まだ自然を愛でる気持ちと力が残っていたこと”を確認できる。その体験が私たちを癒やすのだ。

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