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お米の年間購入について

こんにちは!禾の新米の販売を始めてから数日がたちました。昨年よりもずっと早いペースでご注文をいただいていて、私自身びっくりしています。「楽しみに待ってました!」とコメントをくれる方もいてほんとうに感謝の気持ちでいっぱいです。

私たちは大きなメディアに掲載されるわけでも広告を出せるわけでもない小さな農家です。だから、みなさんの口コミがすべてです。食べてくれた方、誰かに話してくれた方、SNSでいいね!をしてくれた方、気にかけてくれていた方、リピートしてくれた方。100%、そういったみなさまのおかげで成り立っています。ほんとうにありがとうございます。


今回はタイトルのとおり、年間購入について考えていることを書いてみました。気になっている方はぜひ読んでみていただけるとうれしいです。



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2020年の禾では、お届けできるお米の品種はササニシキのみです。他の品種も準備中ですが、何をするにも数年かかるのが農業・自然のリズムです。このササニシキを玄米か白米で、5キロ袋につめてお届けするのが通常便です。そして、この5キロ袋を1年間毎月8日(米の日と呼んでいます)に発送するのが年間購入です。お米代と送料のお支払い方法は2種類あって、一括もしくは各月か、お好みにあわせてお選びいただけます。


私は煽られるのが苦手なので、あまり煽るようなことは言いたくありません。ただどうしても、お米は一年に一度の収穫なのでお届けできる量が秋に決まってしまいます。2019年は年内に完売してしまいました。2020年も売り切れるのか、売り切れるならそれはいつなのか、私にも正直わかりません。ただお米は毎日の食卓に並ぶようなものなので、年明けにはお米がないでは困ってしまいます。もちろんお米が大量にあり余るこの時代、スーパーやコンビニにいけばいつでも「お米」そのものは買えますが、禾のお米を気に入っていただいている方には申し訳ありません。


そこで1年分を事前予約していただき、私たちが管理をして毎月お届けする仕組みがあったら、喜んでいただける方がいるんじゃないかというわけです。中には30キロ・60キロをまとめてご注文される方もいますが、大きな保冷庫をお持ちの方も少ないと思いますし、白米をご希望の方はどうしても時間とともに味が落ちてしまいます。私たちにとってもまとめてご購入いただけることはありがたいので、お互い幸せになれるケースがあるのかなという仕組みです。ただ2019年の最後の年間購入分の発送をしてから、それだけではないなと思うようになってきました。



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この年間購入・定期便でみなさまと1年間まるっとご一緒して、こういった人とのつながりで生かされているんだなあと改めて思いました。以前ご紹介した私が大好きな広島・宮島の山本さんの言葉ですが、私たちのこの農業や暮らしは、お米を買って支えてくださるみなさまとの共同作業です。だからこそ、その感謝の気持ちと一緒に、この仕事のこと、農業のこと、その魅力や面白さや奥深さ。良いことも辛いこともみんな含めて、自然との接点にいる農家の役割として、もっともっとお届けしていけるようになりたいと改めて思いました。


2019年は毎月お便りを書いてお米と一緒にお送りしました。毎月だいたい2,000〜3,000文字ほど、農業のことから家族のこと、たくさんのことをお話しました。上の文章は最後のお便りで書いたことです。


田畑に立つ上で、農家としてはもちろん今を生きる一個人としても、日々いろいろなことを感じ考えます。でもずっと、それは私個人の考えだし、話すと込み入っていて長くもなるし、声高に表現するものではないと思っていました。


それが、年間購入で1年間ずっと同じお米を食べてくださる方々とご一緒してきた最後のとき、改めて、自分が農家を営んでいることが自分だけのものではないんだと思うようになりました。農業は自分自身が意義を感じて選んだ仕事・生き方ではあるけれど、たくさんの人に支えられて初めて成り立つんだということ。食べてくださっている方々との共同作業なんだと、より強く感じるようになりました。


それから自分が田畑で見つけたことや経験したことも、もしかしたらもっともっと表現していかないといけないんじゃないかって思いました。楽しいことも、辛いことも、興味深いことも、自然との対話で生まれるあらゆるものを自分だけで味わっている場合じゃないんじゃないかって。


だからこれからはもっと素直に、たくさんのことを書きたいと思っています。ただ不特定多数の目に触れるオープンな場だと、どうしても人の目を気にしてしまいます。よく見られたいと思ってしまうし、どこまで正直に本音を書いていいのか不安にもなります。これからも努力は続けたいけれど、自分にすごく向いているとはあまり思えていません。それと比べて毎月のお手紙はとても居心地のいい場です。限られた空間と人数、1年間続いていく安心感。そして小さくてささやかだけど主食であるお米を分かち合っているこの感覚が、私にはとてもありがたいです。



それと、これからは売る買うだけの関係性ではなく、少しずつでもいいからもっと双方向のコミュニケーションが取れたり、なにか交流できるような場所ができたらいいなって思っています。私が実践している無農薬無肥料の自然栽培は、自然との対話でうまれる農業です。大きくて小さな自然はわからないことだらけですが、確かな何かがそこにあるような気がしてなりません。私もできる限り包み隠さず言葉にしていきます。一緒になって自然に向き合ってみて、その奥深さを味わっていただけるような関係性を少しずつでも築いていけたら、農家としてこれ以上うれしいことはありません。



と言いつつも、既に数件新しくご参加いただける方々がいて、もうとってもうれしい気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。あともう数件は受けれるかなと思っているので、よかったらご検討くださいね。

https://kokumono.stores.jp/

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