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古巣との一戦を終えて。

何かの偶然か、神様がそうしてくれたのか、奇妙なことに、エリースに移籍して初めて出場する試合が古巣の渋谷と。
この試合は本来8月に行われる予定だったが、コロナの影響で伸びに伸び、ここまで延期していた。

エリースにとっては、リーグ戦無敗優勝の懸かる最終節。渋谷にとっては勝てば1%くらい望みを繋げられる試合。

こんなにも最高なシュチュエーションで、僕の元に舞い降りて来るとは、相変わらず運の良い男だと、自分でも驚く。

僕は渋谷の時に謎にメンバー外が続いていたから、2ヶ月ぶりくらいの公式戦となった。

10月に入ったことで、無観客試合が解け、ファンやスポンサーが多く駆け寄り、この試合を勝てば可能性が残る、と最後の希望を持って集まっている、1番燃えてくる環境。

試合前にふと頭によぎる、、
2年前にこの場所で、都2部リーグ優勝を逃し、お通夜みたくなったレッズランドでの光景を。
あぁ、敵ながら同情してしまうと、90分後にまたあの惨劇が起きてしまうのではないかと。

このトップから遥か下の下、東京都リーグでさえ、サッカーは結果が全て。フットボールは常に無慈悲なほどに現実を突きつけてくる。

今日もどちらかが泣き、どちらかが笑う。
敗者と勝者のコントラストは、重要な試合にほどハッキリとする。

僕たちエリースはもう優勝は決まっているものの、少しの気の緩みもなく、アップから盛り上げて100%の状態で試合に入っていった。
その成果はすぐに現れる。

やりたいことが見えてこない相手に対して一気に襲いかかる。
20分ほどで先制してからはイージーだった。
僕ももっとアツくなるかと思ったが、意外と冷静で、その分集中力が極限まで高くなった。
相手の攻撃の芽を摘み、守備の綻びを狙う、ハードワークし、味方を鼓舞する。相手側からして「嫌な選手」とは最大の褒め言葉だが、そんな選手に成るべく徹底的にプレーしていく。

ずっと前から渋谷を応援しているファン、スポンサーからしたら困惑したのではないか。かつて、チームのために誰よりも戦った男が、突如「嫌な選手」となって目の前に現れているのだから、、、

ビハインドで折り返しても、何も策を講じる訳でもなく変化がないから驚いた。
サッカーは机の上でやるわけじゃない。
本当にいいの?と思ったが
このまま2-0にしてゲームオーバーにしてしまおうと、一気にギアを上げてトドメを刺しにいく。

常に声を掛け合い、自分たちで議論し一体感を持って戦うエリースに対して、どこかチグハグしてしまっている古巣をみるのは心苦しかった。
ただ、僕たちはフットボールをしている。それ以上でも、それ以下でもない。
強いか、弱いか、やるか、やられるか。

勝者か敗者か、、

結果最後まで圧倒し、3-0での完封勝利。
リーグ戦無敗優勝をストップすることはできず、昇格の可能性も残り1節を残して途絶えてしまうことに。

僕はもっと色々と思うことがあるかと思ったが、特に何もなかった。
正確にはこのままでは、関東大会で勝ち上がれないのではないか?と早くも思考が次にいっていた。

5点、6点とるチャンスがあったのにも関わらず、ものにできなかった。チャンスのときに決めきれないチームは一発勝負に負けてしまう。
これからが強敵との厳しい戦いが続く、、
勝ってる時にこそ自分を見つめ直す。
そうすることでまた「運」がまわってくる

今年まだ挑戦権があることに、ワクワクしている。

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