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マーケティングの3M視点で考える「食×web3」

アーティランプスの宮本です。私はこれまでコピーライターやマーケッターとして、様々な企業の広告、戦略立案などに携わってきました。

弊社でもCMOとして、マーケティングやブランディングなどを担当しておりますので、どうぞよろしくお願いします。

アーティランプス株式会社は、「食文化の新たな可能性を創造する」という企業理念のもと、食×web3の実現を目指しています。

一般的にはweb3を食産業に浸透させていくにはまだまだ時間がかかると思われており、実際に「web3でレストラン支援って珍しいね」「実現まで、なかなかハードルが高いんじゃない?」といったご意見をいただくこともしばしば。

しかし、我々はweb3と食産業の親和性は決して低くないと考えています。そこで、今回はマーケティング視点からweb3と食産業について考察していきます。

マーケティング視点や分析の方法として、「4P分析」「3C分析」「SWOT分析」などが挙げられますが、本記事では「マーケティングの3M」の視点から見ていきましょう。

マーケティングの3Mとは?

マーケティングを成功させるための3つの要素「マーケット(Market)」、「メッセージ(Message)」、「メディア(Media)」の頭文字をとって「マーケティングの3M」と呼ばれています。

もう少し具体的に説明すると

  • マーケット(Market)→「誰に」

  • メッセージ(Message)→「何を」

  • メディア(Media)→「どうやって」

伝えるかを考えることが、マーケティングの成功において非常に重要ということです。

3つのMの重要度に差はなく、バランスが大切とされています。逆にいうと3つの内2つの施策がどんなに素晴らしくても残り1つが不十分であれば、そのプロジェクトは失敗する確率が高いというわけです。

次に、各Mと食×web3の今後について見ていきたいと思います。


1つ目のM「マーケット(Market)」

マーケットとは、見込み客(商品やサービスを購入する前の人)のことを指します。「誰に」に相当する部分ですね。マーケティング的には「ターゲット」という言い方をすることもあります。ここでは各レストランのマーケットについて考えていきましょう。

「食」という分野は生きている全ての人に深く関わっている分、見込み客の設定は非常に難しいと考えられています。

具体的にいえば「どんな人に来てほしいですか?」という問いに対して、「できるだけたくさんの人に来てほしい」という答えにならざるを得ない飲食店は案外多いということです。

もちろん高級レストランは「経済力」や「利用シチュエーション」で見込み客をある程度設定しているでしょうし、専門店はその料理好きな人に対するプロモーションを中心に行っているでしょう。

しかし、こういった飲食店も「たまには贅沢したい」「いつもと違う料理を食べてみたい」というような日々変化するニーズに対応できれば一層の繁盛が期待できるのも事実です。

それではweb3は飲食店のマーケットにどう寄与できるのか?

結論から言うと、「リアルタイムで変化する食のニーズに対応したプロモーションが可能になる」ということが期待できます。

例えば、「個人の飲食店の来歴や、今週食べたものなどから思考や行動を予測して、オススメのお店を通知する」「検索履歴から夜景の見えるレストランを探していることを認知してお店が個別に広告を出す」などの精度が上がることは、妄想の世界ではありません。

web3の導入で、飲食店におけるマーケット設定に流動性が出ると予測できます。


2つ目のM「メッセージ(Message)」

メッセージとは見込み客に「何を」伝えるかということです。キャッチコピーということばを聞いたことある人も多いと思いますが、メッセージとは言葉だけでなく「写真」や「イラスト」など、目や耳に入るすべての情報を指します。

実はこのメッセージは先ほどのマーケットと非常に深い関わりがあり、見込み客の願望に沿った情報を伝えなければ、そのプロモーションは失敗します。

例えば「プロポーズのために景色の良いレストランを探している見込み客」に料理の美味しさをアピールしても共感は得られません。

「昨日食べすぎたから、ヘルシーなランチにしたい」と思っている人には、お店の内装のオシャレさよりもサラダへのこだわりを伝えた方が効果的です。

web3によってメッセージはどう変わるのか?

「パーソナライズされた広告の精度が上がる」ということが期待できます。これまで飲食店はどちらかというと、一義的な情報発信が主流でした。食材へのこだわりや、内装の美しさ、立地の良さなど、誰もが同じ広告を目にすることの方が多い環境だったでしょう。

しかし、web3の実装が進めば各人に合ったメッセージの広告配信が可能になり、広告の費用対効果の向上が期待できるでしょう。

また、実際に来店した際に配信したメッセージに合わせてパーソナライズされたサービス提供が実現できれば、飲食店が大きな課題とする「リピート客の確保」にも貢献できる可能性があります。


3つ目のM「メディア(Media)」

メディアとは「どうやって」伝えるか、つまり広告媒体のことです。もっと簡単に言うと「見込み客がどこから情報を得ているか」ということです。

これまで長期間にわたり、飲食店のメディアといえば「口コミ」「テレビ(CM含む)」「雑誌」等でした。

しかしご存じの通り、近年はメディアが「口コミサイト」「SNS投稿」「SNS広告」「Web広告」などのインターネットコンテンツに移行しています。

これに関しては飲食店に限らず、多くの業界・商品・サービスで当てはまる現象でしょう。web3を食業界に実装していくということは、「時代に取り残されないメディア選び」のために必要不可欠なのです。

まとめ

これまで見込み客設定の難しさと、それに起因する広告の一義的なメッセージに悩んでいた飲食店も少なくないと推測できます。

web3の実装によって食歴や検索履歴、嗜好の遍歴などを可視化し、パーソナライズされた広告配信やサービス提供が可能になると考えています。

また、メディア選定においてもテレビの影響力が弱まってきている今、インターネットコンテンツへの進出は避けて通ることはできません。

これまでの飲食店の課題の解決、時代に合った情報配信の2つの観点から、「食×web3の実現」を促進していきたいと私たちは考えています。


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