Feedbackをみよう

はじめに

どうもこんにちは。iGEM Kyoto 2023でTeam Leaderをやりました、石橋です。Jamboree, Meetup(online)ではたくさんの人にお世話になりました。
遅刻してしまいましたが(もうクリスマスイブになってしまいました)、iGEM・Synthetic biology(合成生物学)・Japan Advent Calendar 2023(https://adventar.org/calendars/8876) の12/22日分の枠をいただいたので、ありがたく書こうと思います。


今年やったこと

今年度、iGEM Kyotoチームは「Aviodeer」と題して、シカによる農作物被害という問題に着目してプロジェクトを進めました。
(Wikiリンク)https://2023.igem.wiki/kyoto/

大まかには、「シカに対する忌避剤を生産する大腸菌」をベースに、その大腸菌を野外で長期間培養し、継続的に忌避剤を生産するデバイスをつくる、ということを目標にし、実験を進めました。

実際の実験系は、(先行研究で十分示されていたということ、他の実験に労力を割きたかったことから)忌避物質の生産実験は行わず、大腸菌の長期培養システムの開発と、野外でその大腸菌を培養するためのHardwareデバイスの開発の二つに注力しました。

結果としてGold Medal, Best Agriculture nomination, Best Hardware nomination, Best Wiki nominationを獲得することができました。

ここでは、これらのことを踏まえて、今年度のJudging Feedbackを見ながら、Gold Criteria(+ wiki)の部分について感想を書きたいと思います。来年以降のiGEMチームの参考に少しでもなれば幸いです。

Judging Feedbackの振り返り

Model

Modelでは、Wetの実験系と直結したODEベースの予測パートを4つ、遺伝子回路設計のためのタンパク質構造予測を1つ、Hardwareの動作・効果に関するシミュレーションを1つ行いました。

反省点として、wetとmodelのintegrationが十分にできなかったことが大きいです。wetの系を立て過ぎてしまった、modelingの開始・実験の進捗が遅かったということもあり、modelの結果を利用してwetを改善するというcycleを回すことが難しくなってしまっていました。ほんとうにやるなら、簡単な実験系から始めてmodelingベースでDBTL cycleを回して進めるのが良いのかもしれません

Judging feedback (Model)

Education

Judgeにはあまり触れられていない部分ですが、ギリギリcriteriaを満たすことができました。双方向性の担保はやはり難しいですね。アンケートをとるなどしてなんとか工夫したつもりだったのですが評価は微妙でした(感覚としても、もっとやりようはありそうです。勉強が不十分でした)

他のチームと異なり、一つの学校に絞ってステップ式の実験教室・講義を複数回行うといいう形で今年度のEducationを行ったため、criteriaを満たすか心配でしたがなんとか大丈夫でしたが、(wikiを見て貰えればお分かりですが)プロジェクトの本筋(シカに関する話)とは全く関係ない活動となってしまったことは反省点です

Judging feedback (Education)

Hardware

Judgeからの言及が最も多かった点がここです。好意的なコメントが多く、アイコニックで伝統的なおもちゃをiGEMに統合した点でinnovativeだという評価が多かったです。やはり何かしらギミックがあるものを用いると興味は惹きつけられそうです(Kyoto 2019も、encapsulinのギミックで興味を惹くことができた)

しかし、やはり野外での使用に耐えうる十分な設計・そしてwetとのintegrationをすることができず、結果的に実現可能性の低いものとなってしまったことは否めません。また、usertestも不十分でした(なぜかjudgeからは言及されていませんが)
忌避剤の使用も含め、実際に社会実装する上でのbiosafetyなどの問題を解決することができず、最終的に実現するのが難しいプロジェクトとなってしまったのは、今年度最大の反省点です(Finalistはどのチームも実現可能性の高いプロジェクトになっていると感じました)

Feedback (Hardware)

Wiki

実際wikiが今年度最もうまく行った部分だと感じます。
体制としては、三人をwiki(+video)班におき、(多少実験に回ってもらったものの)figureのデザイン、wikiのコーディングに注力する形となりました。
wiki班のうち一人は2021年度のwikiを構築していたこともあり、webサイト構築に精通していましたが、他の二人は全くの初心者であったため、練習としてiGEM Kyoto の公式HPのリニューアルを行いました。(2-3月)

wikiの実装にあたっては、ガントチャートで進行を管理しました。

ガントチャートの一部(遅延はたくさん発生しました)

良かった点としては、
・デザイン性(今年はあまり意識できませんでしたが、文章ベースよりもFigureベースの方がわかりやすい気もします)
・たどりやすさ(さまざまな場所にページ内リンクを作成することがよかったかもしれません)
があげられそうです。ただ結局最終日23:00を過ぎても編集に追われていたこともあり、間違ったキャプションをつけるなど致命的なミスもありました(反省)。FREEZE1日前には完成しておきたいものです……。

judging feedback (wiki)

さいごに

最後まで見ていただいてありがとうございます。

たくさん反省点を書いてしまいましたが、これらの仕事を実行してくれたメンバーには感謝の意しかありません。圧倒的な仕事量で実験からwiki執筆までおこなってくれた彼らなしにはこのプロジェクトは完成しませんでした。最高のチームでした。ありがとう。

また、このアドカレを計画してくれたtax_freeさん、ありがとうございます。遅刻してごめんなさい。また京都でご飯食べましょう。
iGEM Japan Communityの方々にもJamboree, Meetup, 分生などいろいろな場所でお世話になりました。ありがとうございました。

さいごのさいごに、このカレンダーの存在を失念しており突貫工事で書いたため、読みにくい文章になっていると思います。今回Feedbackの一部しか載せていませんが、全体を見たいなどの場合は@ri_i_sまでご連絡いただけますと幸いです。メリークリスマス。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?