マネジメントレビューの改善点

普段の記事はまがりなりにも若手のみなさんのためにと思って書いているものですが、今回は完全に皆さんのためというよりかは一職員として都庁組織に対する意見となってます。
読んでも得るものはないので、そのあたり予めご了解ください。

主任試験で職場モノを廃止するという大きな変更がされたことで、受験を検討していた方たちは少なからず動揺を受けていることでしょう。
今回の主任試験の改定についても色々と思うことがありますので、それはまた後日書くとして、本日のお題は「マネジメントレビュー」です。
普段のポストから私がマネジメントレビューにダメ出ししまくっているというのはご覧になればわかるのですが、今回フォロワーの方にアンケートをとって、改めて現在のレビューの問題点についてつづりたいと思います。

今回も散々締め切りを散々引き延ばして、最後の方にはとにかく回答しろ回答しろの大合唱でしたね。回答率が上がらないのは理由があるのに、それを無視して期限を延ばして、回答しろと同調圧力をかけてくるとは正直いかがなものかと思います。
仕事が忙しくて時間がとれないという理由で回答できていないのであれば、期限を延ばすことは効果があるかもしれませんが、少なくともアンケート上ではそうした方は少数派です。
主な原因になっていないことにフォーカスして、それに対する解決策を実施しても課題は解決できません。主任試験論文の典型的な悪い見本なので、みなさん、絶対に真似しないようにしましょう。

さて、そのマネジメントレビューですが、私はもちろん今年も回答しませんでした。理由としては、今の課長に特段の不満がなかったこと、回答率を上げてしまうと人事部がそれを盾に来年度以降も何もマネジメントレビューの見直しを行わない理由にされてしまうからです。
マネジメントレビューはしょうもない管理職がそれなりに存在する都庁において、確かに人事部が主張するような「管理職に気づきを与える」いい機会であることは否定はしません。
むしろ私が最も都庁管理職に最も欠けていると思う能力であるマネジメント力を管理職に身に付けさせるにはマネジメントレビューくらいしか方法がないと思っているくらいです。そう言った意味でマネジメントレビューには非常に期待をしているし、頑張ってもらいたいところなのですが、現実は、実際に悪い評価が大半である結果を突き付けられても開き直る管理職や、場合によっては逆恨みして犯人捜しまがいのことをする管理職がいるのが現状です。
こうした管理職に反省を促し、マネジメント力のある管理職を育て、職員のエンゲージメントを上げ、ひいては自由闊達な議論を促しボトムアップから都民の役に立つ施策を企画立案していくというのが私の願いです。

前置きが長くなりましたが、今回フォロワーの皆さんにご協力いただいたアンケートをもとに、レビューの改善点を上げていきたいと思います。

まず最多の回答を集めた「回答してもどうせ変わらず無駄だから」について。
これはもうそのまんまですね。レビューが始まってもう数年経ちますし、回答率が低いと言ってもそれなりの人数が回答はしているから、パワハラまがいの管理職やマネジメント力のない管理職にはそれなりにレビューの結果が突き付けられているはずなのです。
しかし、いかに人事部が管理職にアンケートをとって「『気づきになった』という管理職が多くいます!」と言っても、現場の人間からすると「全く変わってないよ」という思いが反映されたのだろうなと感じています。
だとすれば結局、レビューの結果を伝えるだけでは部下が体感できるほどの改善は見込めないということで、それなりにレビューの結果に力を持たせることが必要になってくるだろうという結論になってきます。

次に、「その他」を除いた第2位である「バレるのが怖くて回答できないから」です。
この選択肢を選んだ人の気持ちを考えてみたのですが、5択から選ぶところだったら無記名であれば絶対にバレないのは間違いないわけです。それなのにバレるのが怖いということは、それは「『自由記述で書きたいことがあるのに』バレるのが怖くて回答できない」という気持ちが隠れているのではないかと思うのです。人に対して直してほしいというところがあれば、具体的にどこを改めてほしいと指摘したいところですが、ごく一部の人しか知らない事実について記述すれば当然自分がそれを書いたのではないかと疑われ、報復を恐れるのは普通のことだと思います。従って、自由記述欄についても現状のままでは記述することが少なくなり、ひいては対象の管理職に部下からの意見が伝わらないことになります。

よって、今後のマネジメントレビューの改善点は以下のとおり。
①     レビューの結果を知らせるだけではなく、一定割合で悪評価をつけられた管理職には
「マネジメントとは何なのか」を理解させる徹底した研修への強制参加、そして、担当からライン、ラインから統括などの昇格・昇任の停止を行うこと。
悪評価を付けられたことに対して何のペナルティがなければ「部下にどういう評価をされてもこういうやり方でいいんだ」と勘違いを増長させ、レビューを全く無意味どころか余計にパワハラなどをひどいものにしてしまうからです。
②    自由記述欄は一律にレビュー対象の管理職に見せるのではなく、「見せても良い」と「見せないでほしい」の2つを選択させること。
直してほしいことに対しては具体的に言わないと伝わらない。でも具体的にいうと報復が怖いという一般職員を守るには、自由意見を全て対象管理職に見せるのではなくて、対象管理職の上司が具体的な事情を理解した上で、対象管理職にアドバイスを送るようにしないと対象管理職も具体的に何をしたらいいかよくわからないと思われるからです。対象管理職も択一で悪評価ばかりつけられて自由意見に何もなければ「じゃあ具体的にどうすればいいんだよ」ということになるでしょう。

もちろん上記の案にも問題がないとは言いません。所詮人事の素人が考えたものですが、これもまた一職員の意見ではあります。
現状はレビューの意味も感じられない、回答率も低いといいことが全然ない状況です。それこそアジャイルで効果を測りながら少しづつ改善していくしかないのだろうなと思います。
この案じゃなくてもマネジメントレビューを管理職のマネジメント力向上の切り札にするために人事部には期待したいところです。