主任試験を終えて、今年受けた人も受けてない人も、来年受ける予定の方へ

今年も主任試験が終わりましたね。受験された方はお疲れさまでした。今日はゆっくり休んでください。NOTEを使い始めたのは2021年4月からですが、以前、質問箱で主任試験に落ちてしまった方から「受かり方がわからない」とご質問を受けて回答したことがありますので、改めてNOTEにも残しておきたいと思います。

ご質問
主任試験について、産休育休を経て2度目の本試験でしたがまたダメでした。論文もそれなりの手答えを感じましたが受かり方が本当にわかりません・・・

回答
まずは育児大変な中、試験お疲れさまでした。まずはお体ご自愛ください。しかし、合格したければ下を向いている場合ではありません。厳しいことを言うようですが、試験に受かりたければすぐにでも意識を変えて対策を始めましょう。その理由は後ほど記述します。
長くなりますが、読んでいただければ幸いです。

さて、2回目の受験も不合格だったとのこと。だとすれば、おそらくこれまでのように「論文を書いて管理職に見てもらって、直して、また見てもらって…を単純に繰り返す」だけではダメだと思います。これでは過去の二の舞になる可能性が高いと思います。
しっかりと自分で合格への道筋を戦略的に立てた上で、進めていく必要があると感じます。

まず試験の最終合格は「論文」と「勤務評定」なのは言うまでもありませんよね。しかし、この2つについて、どこまでご理解をされているでしょうか?

まず論文ですが、当然、採点者がなんとなく良い悪いの印象を基に点数を付けている訳ではなく、全受験者に共通する「採点項目」があります。それが実施要綱にもある「問題意識」「問題解決力」「論理性」「表現力」の4つです。
要は採点者に論文を読んでもらって「この受験者はこの4つの能力を身に付けているな」と思わせれば良い論文ということになります。
不合格者には論文の評価が還元されると思いますので、再現論文を作成してこの4つのポイントがきちんと押さえられていたかどうかを見直してみると良いと思います。
4つのポイントについては、ポータルサイトの人事委員会掲示板に更なる詳細な説明がありますので、ぜひそれを読んでいただいて自分なりに4つのポイントを理解した上で、論文を書くようにしてください。

次に勤務評定です。
これは実施要綱によると業績評価を参考にするとあるように、日々の業務の人事評価のことですね。
言うまでもありませんが、勤務評定が合格要素の一つということは、論文試験の日には既に受験者のスタートラインは各々違っており、もうすぐ目の前にゴールがある人(=勤務評定が良く、論文の評価が低くても総合合格ラインに近い人)もいれば、ゴールが遠い人(=前述の逆の人)もいるわけです。
主任試験というとどうしても論文対策ばかりがクローズアップされがちですが、スタートラインの時点で他の人よりも前のポジションにいる方が有利なのは言うまでもありません。
加味されるのは過去3年分という噂もありますが、真偽はわかりません。一度下されてしまった過去の評価は覆りません。
しかし、これからの評価はあなたの勤務態度や実績次第でいくらでも変えられます。
冒頭に下を向いている場合ではないと書きましたが、既に来年度の主任試験はスタートしているのです。
少し休んでもいいです。でも少しでも早く前を向いて立ち上がって頑張ってください。

では本題ですが、業績評価ってどうやったら上がるの?という話です。
試験の実施要綱に論文の採点ポイントが書かれていたように、業績評価についてもどのようなことに対して良い評価を与えるかということが自己申告の実施要領に書かれていますので、ぜひ一度しっかりと見直してください。

ざっくりいうと、与えられた分掌をほとんど上司や同僚の助言を受けることなく遂行できればB評価です。
しかし、主任試験は30%しか受からない試験ですから、当然A評価を狙いたいところです。
ではA評価はどうやったら付けてもらえるか、それはやはり「能動的に業務改善を取り組み、結果が出たかどうか」ということにつきます。

そのためには、今の職場で、起きている問題は何か、それはなぜ起きているのか、どうしたらその問題を解決できるか、ということを理解する必要があります。

ここでハッと気づいてほしいのですが、これって、論文で問われていることと同じなのです。
すなわち、何が問題なのか見つけられるのが問題意識、問題解決に向けて分析を行い、背景に応じた説得力のある解決策が提案できるかというのが問題解決力と論理性です。
あとはそれを対外的に説明するときにしっかり理解してもらえるかという表現力です。

何が言いたいかというと、主任試験(実は管理職試験も同じですが)は普段から与えられた仕事をしているだけではなく、積極的に組織の課題を解決しようとして行動している職員にとってはいつもやっていることを文章にさえ書き起こせれば、採点ポイントなど意識しなくても良い論文となるような評価基準になっているのです。

ここまで読んで、あなたの今年度の日々の仕事ぶりはどうだったでしょうか?
もし与えられた仕事を粛々としていただけだな(それが過去においても)というのであれば、ある意味で今年の不合格は必然だったのかもしれません。

都では自己申告制度の下に年2回管理職と面談する機会がありますが、個人的には面談でも仕事ぶりに対する評価のフィードバックなどをしっかり行っている管理職は少ない気がします。
個人的には不合格となった方は成績開示をすべきと考えています。1次評定と最終評定は別物ではありますが、1次評定が参考にされるのは間違いないことです。

成績開示をすると管理職の方も「評価に文句を言われるのか?」という気持ちになるかとは思いますが、その点についてはしっかりと「今年試験に落ちた、日々の業務で足りなかったところは何か、評価してもらった課長にしっかりと指摘してもらい、改善につなげたい」と伝えることで警戒は解かれると思います。

合格にどこまで執念を燃やすかは人によりますが、合格のためにできることはたくさんあると思います。

長くなりましたが、参考になれば幸いです。
あなたの来年の合格を心よりお祈りしています。
また何か質問があったらお寄せください