未だ言葉にできないことについて

 何を書けばいいんだろう。そもそも何でこんな気持ち悪いことを書こうと思ったんだろう。自分でもまだ気持ちがぐちゃぐちゃで整理できていないのに。生きるか死ぬかも曖昧で、動くことすら危うい状態のくせに。
いやでも、たぶん、だから? 整理したくて、そしてできれば誰かに聞いてほしいと思ったから書いている。
こんな自己語りで、ただ聞いてほしい、自分を見てほしい、認めてほしいなんていう自己陶酔と自己顕示のためだけの本当に気持ち悪いもの。
心底情けなくて軽蔑する。
それでも、どうしても、今は誰かに話を聞いて欲しかった。
 だから書く。

 この記事は完全に僕個人の話であり、気持ちの整理と僕という人間を見て欲しいという欲だけで書いた気色悪いものです。
 お目汚しすることのお詫びと、それでもなお、少しでもこの記事を読んでくれたあなたに感謝を申し上げます。
 ありがとうございます。



 まず最初に改めて自己紹介させてください。
 自分は高広亮と言います。
 普段は小説を書いていて、主にライトノベル新人賞に投稿しています。
 またボカロも好きで、リスナーとしてレビューを書いている内に縁あって ※「ぼかれびゅ部員」の仲間入りをさせて頂きました。
(※ニコニコ半公式企画であるレビュー企画のメンバー総称。詳しくは→https://vocareview.jp/recommendation/ )

 お声がけ頂いた時のことは今でもハッキリ覚えています。こんなに嬉しくてありがたいお誘いがあるのだと初めて知りました。

 特に部員なりたての頃、ニコニコ生放送で定期的に放送している「ぼかれびゅ通信」に呼ばれた時は心臓が高鳴ってしばらく落ち着くことができませんでした。
( https://www.nicovideo.jp/watch/sm43107168?playlist=eyJ0eXBlIjoic2VhcmNoIiwiY29udGV4dCI6eyJ0YWciOiJcdTMwN2NcdTMwNGJcdTMwOGNcdTMwNzNcdTMwODUiLCJzb3J0S2V5IjoiaG90Iiwic29ydE9yZGVyIjoibm9uZSIsInBhZ2UiOjEsInBhZ2VTaXplIjozMn19&ss_pos=18&ss_id=1329dfe6-116c-443c-acc7-0a4dd5cd2c05 )

 もちろん一般的な目線で言えば話題になるような大きな出来事ではありません。それでも僕にとってはとても光栄で嬉しい出来事の連続でした。
 だから、というわけではありませんが、この生放送という場を借りて一つの宣言をさせて頂きました。

「次の小説新人賞で必ず受賞してデビューする」

 というものです。
 具体的には、第31回目の「電撃大賞」という新人賞でした。毎年の応募数が3500〜4500ほどの小説新人賞で、ボカロに馴染みのある方であれば「ボカコレ」をイメージして頂けると理解しやすいと思います。
 規模という点だけを見れば、あの大イベントと類似した新人賞に僕も毎年挑戦していました。
 そこで必ず受賞するという旨を、生放送という後戻りできない場所だからこそ宣言したい。見てくださっている方の前で約束し、ちゃんと成し遂げたい。そういう思いでした。

 でも落選しました。
 馬鹿みたいですよね。

 このことを報告することが、本記事を書くにあたっての理由の一つでした。
 生放送という場を借りての宣言だったからこそ、どこかで報告しないと不誠実だという考えが自分の中にあったのでこれを書きました。


 改めてお詫びさせてください。
 自分勝手に生放送の場で宣言しておいて、結局成し遂げられなかったこと。
 そしてこのお詫び自体、読んでくださっているあなたからすれば、言われても困るだろうに、それでも止められない身勝手。
 本当に申し訳ありませんでした。

 自分でもまだぐちゃぐちゃで、何を言っているのか分からない節があります。
 意味不明で混乱させてしまったらすみません。


 ただこの宣言――「小説家としてデビューする」という目標は、僕の中では大好きなボカロと関係のあることでした。

 その理由として、去年の2023年7月21日、僕は自殺しようとしました。

 理由としては、先の電撃大賞とは違う、また別の小説新人賞で落選したからです。
 それまでも落選が続き、自殺が頭にチラついていましたが、その度なんとか持ち直すことはできていました。

 でも、その日だけは違ってた。
 どうしても日常に帰ってこれなかった。
 何度も経験した痛みで、特別大きな違いがあるわけじゃないのに。
 たぶん、コップに溜まった水滴がついにあふれてしまったのでしょう。
 だからその時は本気で、自殺を選ぼうとした。

 でも笑えるんですよね。「自殺 やり方」なんて検索しても、出てくる検索結果って全部自殺を止めようとしてくるものなんです。
 生きようとしても世界が殺そうとしてくるとしか思えないのに、死のうと思ったら今度は簡単に死なせてくれない。
 ふざけんなって、誰もいない公園の駐車場でうずくまることが僕のできた唯一の抵抗でした。
 本当に、笑えるほど情けない。

 それでも、なんとか、動く力を取り戻せた。
 とあるボカロ曲のおかげです。

 ただ、具体的な曲名は避けさせて頂きます。こんなどうしようもない記事にその方の曲を載せるのは、上手く言えませんが、曲に向かって泥水を跳ねさせるように思えるからです。
 泥水程度で汚されるほどその方の曲は弱くないけど、それでも。

 一つ言えるのは、その曲はとてつもない「積み重ね」が描かれています。
 そして積み重ねによって獲得した「自分」をさらけ出し、かつて先人から受け取った思いすら背負っていくという覚悟が見える。
 動画が、流れる音の数々が、雄弁に語っていました。

 初めて触れた時は衝撃と共に「お前はこれだけやったのか」と叱られているように感じましたが、自殺しようとした時にふと思い出したその曲は、励ましてくれているように感じました。

「俺はここまでやったから、お前だってできる」

 もちろん僕が勝手にそう感じただけで、都合のいい解釈に違いありません。
 それでもその時、本気で自殺を選ぼうとした僕の手を引いてくれたのは、間違いなくそのボカロPの覚悟の曲でした。
 今でも感謝しています。
 ありがとうございます。

 だからその日、僕の中で新しく夢ができました。

「小説家としてデビューする」
 から、
「小説家としてデビューして、そのボカロPにデビュー作の曲を作ってもらう」というものへ。

 受けて頂けるかはさておいて、絶対に依頼はしたい。
 そう願ってまた歩き出すことができました。
 自分でも嫌気がさすくらい怠け者で情けない僕ですが、それまでよりも努力を積み重ねることができたのは確かです。
 今回落選したら、その時は今度こそ自殺するとわざわざ初詣で神様に誓って、だから死なないように頑張れと追い込んで。
 一から自分を見直して、向き合って、こだわって、突き詰めて、執筆する。
 小説を書き始めて当時七年。おかげで、初めて自分に胸を張れる作品になりました。
 それまでも作品は必死に作り上げてきましたが、どれも「下手くそ」という思いが拭えなかった中で、初めて「まともになった」と素直に感じることができました。

 しかし前述の通り、結果は落選です。
「まとも」程度じゃ駄目に決まっています。当たり前ですよね。
 本当に馬鹿みたいだ。

 だけど初めて自分の中で、一つラインを超えることができた作品だった。
 情けない自分でもようやくまともになれたと思えた作品だった。
 今でも気持ちがぐちゃぐちゃで追いつかない。
 なんで。なんでだよ。ふざけんな。くそ。なんで

 これも自分の身勝手だけど、でもどうしてもそのボカロPの方に申し訳なさが浮かんでしまう。その方からすれば自分なんて数ある中の一人で、まず覚えてもらっているはずがないからお門違いの気持ちだけど。
 それでも、本当に、申し訳ありませんでした。
 何も成し遂げられませんでした。


 だけど客観的に見れば落ちた理由なんて明白です。

 努力不足。

 それだけです。
 ボカコレで度々上がる話題と同じく、小説新人賞でも運の要素が重要だと言われています。
 だけど僕個人に関しては、運で割り切れない。
 何を言われても、自分の気持ちがぐちゃぐちゃの今でも、「努力が足りなかった」という結論しか出すことができない。

 少なくとも、運を引き寄せるほどの努力が足りなかったと、どうしても思ってしまう。
 だからきっとそういうことなのでしょう。

 僕はあのボカロPほど、積み重ねられていなかった。

 努力して、何かを成し遂げた方が僕を見ればきっと鼻で笑うか、その通りだと頷くと思います。
 僕は未だ、僕のことを客観視して納得できるほどの実力がないのですから。


 本当は今回の新人賞も七月中旬に一次選考、八月中旬に二次選考の結果が発表されていましたが、結果を知ることが怖くて確認できていませんでした。
 そのせいか精神的にも肉体的にも限界が来ていて、最近は酷い有様でした。
 さっさと確認すればいいのに、怖くて結果発表のページを見れない。なのに気になってしょうがない。
 中途半端でカッコ悪くて本当にダサくてダサくて嫌になる。

 笑えることに、結果を確認できたのは昨日見に行ったマジミラのおかげです。
 ミクさんたちボカロが届けてくれた歌のおかげで勇気が出せた。
 いつまでも目を逸らし続けていた自分の視線を、ちゃんと現実に向かわせてくれた。

 大きな痛みが伴うものだったけど、それでも、感謝が浮かんでいます。
 ありがとう、ミクさん。


 正直、これからどうすればいいかまだ掴めていません。
 また努力するのか、諦めるのか、いっそ死んでしまうか。

 客観的に分相応に判断するのなら、今すぐ諦めてしまった方が良いに決まっている。
 同世代は結婚、子供も生まれたという報告がある中、自分はアルバイトでギリギリ生計を立てて彼女なんているはずがない。
 もっと言えばありがたいことに、アルバイトの方では実力を認められ重宝され、社員へのお誘いも頂いたこともある。

 さっさと夢なんて捨てて現実を生きるべきだ。
 絶望してばかりの夢なんて何の意味があるんだろう。

 分かってる。
 分かってるよ。
 でも思考が止まってくれない。どうしても考えてしまう。
 何かに触れる度、他の作品を見る度、今でも呪いみたいに頭が勝手に動いてしまう。
「これは作品に活かせる」とか、「こういう演出はどうだろう」とか、「こうしたら面白くなるかも」とか、自分の小説に関する考えが捨てきれない。
 夢が離れてくれない。違う、そうじゃない。
 どうしても、離したくない。
 諦めたくない。
 叶えたい。
 もっと努力したい。
 積み重ねたい。
 上手くなりたい。
 強くなりたい。
 認めさせたい。
 小説家になりたい。
 なって、感謝を言いたい。
 汚いエゴだらけの思いだとしても、自分がかつてそうしてもらったように誰かに届けたい。

 高校の頃、「とある魔術の禁書目録」や「カゲプロ」で辛い日々を乗り越えられたように。
 小説を書き始めてからは、一つの曲だけじゃなく、本当に色んなボカロ曲に奮い立たせてもらったように。

 小説家になって、物語を紡ぐことを仕事にして、死ぬまで誰かに「問いかけ」たい。
 それで誰かを救いたいなんて大仰なことは言わないけど、ちょっとでもその人の背を押したり勇気になったり、手を引くことができたらと願わずにいられない。

 そうすれば自分も誰かに繋ぐことができたと感じられて、救われるから。

 駄目だ、またよく分からなくなってきた。
 だけどやっぱり、まだ、書きたい。
 ここまで書いてきて、読んできてもらって、ぐちゃぐちゃな僕の気持ちに付き合って頂いて本当に申し訳ないけど、自分でももうよく分かりません。

 その中で一つだけ浮かぶのが、書きたいという気持ちです。


 もしかしたら僕という人間は、一生何も成し遂げられず、惨めに誰にも知られず死ぬ存在なのかもしれません。
 少なくとも、世界からすればどうでもいい存在なことに間違いはないでしょう。

 けれど、やっぱり、僕は僕のことをどうでもいいと思えない。思いたくない。
 みっともない、子供じみていると分かってても、自分の中から湧き上がる声に耳を塞げない。
 世界をねじ伏せて認めさせてやれって、無責任に笑う馬鹿なガキの自分が死んでくれない。

 だから、だから、ああくそ本当にカッコ悪い。なんなんだよ。
 初詣で「落選したら自殺する」なんて神様に誓っておいて。
 でも、本当にごめんなさい。
 やっぱり諦められないです。まだ死ねないです。頑張りたいです。
 だから、まだ挑戦させてください。

 僕は絶対に、小説家としてデビューします。

 本当に、ここまでぐちゃぐちゃな僕の気持ちの整理に付き合って頂いてありがとうございました。
 もしかしたら読んで頂いたあなたも、何かを目指している人なのでしょうか。
 だとしたら誠に勝手で、上から目線だということは重々承知の上なのですが、それでも言わせてください。

 僕はまだ、書きます。
 もっと頑張ります。


 そして自分でもみっともなくて心底ダサいと思いますが、今回落選した作品をここに置いておきます。
 どうしても読んでほしい。このままただ消え去るのは悲しい。その気持ちが捨てきれず、こんな僕の作品をここに掲載することを許してください。


 繰り返しになりますが、本当に、ただ気持ちを吐き出しただけのぐちゃぐちゃな記事を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

                    2024年 9月2日  高広亮

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