「一発逆転ギャル」

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▼キャラクター・設定


・大山 美金(おおやま みかね)
学校一美人と噂の女子高生。
見た目はギャルだが、成績は良いタイプ。
お金を何よりも大切にしており、
友情よりもお金を優先する変わり者としても知られている。


▼本文


(主人公:ぼ、僕と…、付き合って下さい…!)

…。
…顔、上げて?

(主人公が顔を上げる)

ねえ。
君…、本当に私の事が好きなの?

(主人公:す、好きです…。)

ふーん…、そっか…。
へえ…、
嘘付くんだ。

(主人公:…⁉︎)

私が気付いてないとでも思った?
罰ゲームでしょ? これ。

遊びなのか、いじめられてるのか知んないけど。
女の子に嘘ついて告白するなんて、
感心しないなぁ…、ねえ?

(主人公:すみません…。)

君はさぁ…、悔しくないわけ?
そうやって誰かに命令されて、
大人しく言いなりになるの。

(主人公:言い返せなくて…。)

(ため息)はぁ…、呆れた…。

(主人公:…。)

まぁ…、とはいえ…、だ。
いくら罰ゲームとはいえ、
学園一の美少女である私に、
臆せず堂々と告白してきた事に関しては評価してあげてもいい。
もちろん、動機は褒められたものじゃないけどね。

そんな、勇気があるのか無いのか分からない君に、
人生一発逆転のチャンスをあげよう。

(主人公:…?)

…一万円。

(主人公:一万…円?)

一万円を私に払ってくれれば、
一ヶ月だけ君の彼女になってあげる。

(主人公:…ほんと…ですか?)

もちろん、あくまでフリだよ?
本当に付き合うわけじゃないから。
私はそんなに安い女じゃないからね。

(主人公:どうして、そんな事をしてくれるんですか…?)

どうして?
言ったでしょ?
君に一発逆転のチャンスをあげるって。

たぶん、君に告白するよう命令したやつは、
君が私にこっぴどくフラれる事を期待してると思う。

だったら、その裏をかいて本当に付き合ってやればいいんだよ。
そうやって、そいつの鼻を明かしてやればいい。
違う?

それとも君は、
貴重な高校生活を全てそいつの言いなりになって過ごすの?
ん?

別に私はそれでもいいんだよ?
君が陰鬱(いんうつ)な高校生活を送ろうがどうなろうが、
私の与(あずか)り知るところじゃないからね。

(主人公:それは…。)

私はお金を貰えてハッピー。
君は、今の状況を打破できる可能性が生まれる。
WIN - WINじゃない?
なんか迷う要素…ある?

本当はもっとお金を貰いたいくらいなんだよ?
フリとはいえ、この私を一ヶ月彼女に出来るんだから。

…どう?
この話、乗る? 乗らない?
どっち?

(主人公:お願いします。)

…ふふっ、よろしい♪
さて。
そうと決まれば、早速行こうか。

(主人公:どこへ?)

どこって…、今から学校中に喧伝(けんでん)して回るんだよ。
「君と私は付き合ってます」ってね♪

(主人公:ええ…⁉︎)

やるなら派手に、だよ。
お金をもらう以上、中途半端な仕事はしない主義だから。

約束通り、今から一ヶ月の間は、
ちゃーんと君の彼女を演じきってあげる。

…ただし。
名前を貸すのは、きっかり一ヶ月だけ。
それ以上はない。

その一ヶ月で、君は自分の価値を証明しなさい。
人生を変えてみせて?
わかった?

(主人公:はい…!)

うん、いい返事だ。

それじゃあ、気を取り直して。
恋愛(しごと)しますか!

(終わり)


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